能島千晴展 はじまる

悦子画廊では初めての個展となる画家である。1971年、神奈川は大和市生まれ。89年に多摩美大日本画科に入学。学部在籍中に臥龍桜日本画大賞展、上野の森美術館大賞展、日春展などに入賞。大学院に入った96年にはこの他日展入選、同和火災ギャラリーにて初個展など、早い時期からその才能に注目されてきた若手である。
その後、コンクール出品や個展などを経て、才を磨いてきた。ただ、一筋縄ではいかないこの道。自立は険しく今もその渦中にある。
初めて会った時はまだ生まれたばかりの子猫ちゃんのような、デリケートな印象を受けたが、なかなかどうして、若いながらに曲折の日々を過ごしただけあって自分をしっかりもっている。というか、自分があるだけ、苦節を招いているというべきか。
拾って子猫から飼っている愛猫を描くことが多いという。出品作は自分の脚もからめた「脚シリーズ」。俯瞰する床に脚と猫が作る幸せな時間がある。「love thang」と名付けたタイトルには、いとしいものとの一体化を希求する想いがこめられているのだろう。丹念に描かれた猫の像とうらはらに、自らの脚は実体を失い、わずかに線描と部分的に着彩されたストロークで表現する。脚シリーズの延長に「靴シリーズ」がある。華やかに装飾された靴や七五三のぽっくりは、精緻な描法で現実以上の魅力を伝える。ふと、シンデレラと靴の関係を思ってしまったが、この脚たちと靴はまだまだ出会うことのない運命である。今、画廊の壁の対面に飾られ、透明化していく脚と、これでもかとばかりに実在化を迫られている靴との関係を眺めながら、この「虚」と「実」が握手する時まで千晴画伯のの旅は続くのだろうと思う。
今日はアートトップの金田一氏が新人の方と、早速ご挨拶に。展覧会で一時帰国の依田万実画伯と、日展の先輩・川崎麻児画伯、加藤晋画伯などを迎えた他、多摩美同級生の大野麻子画伯も久々のご対面。二日に渡った搬入に倒れそうだった画伯も皆様の激励に疲れも吹き飛んだ模様。まずはやれやれ、、

安住ファミリーの御紹介

一日の睡眠時間がほぼニ、三時間というハードな日々をクリアしながら絵を描き、主婦業をこなし、お絵描き教室で教え、そして時々はお酒まで呑む画伯はある意味スーパーレディだが、その画伯を支えるご家族を御紹介。
まずはダーリン林茂夫氏こそその筆頭。自らも武蔵美出身の画家であり。手広く絵画教室を経営するナイスガイ。画伯の画業をよく理解し、二人三脚でこれまでの日々を一緒に戦ってこられた。寡黙にやさしく微笑む姿は、画家の夫の鏡。まだまだラブラブ感ただようお二人には学生時代から育んだ信頼の絆が強く結ばれている。
また、そのお二人のご長女・沙綾ちゃんは去年芸大の音楽科に合格。そのご学友と一緒に楽しそうに今日は来廊。はつらつとした彼女の様子に、はるか彼方の青春を思い起こす悦子。ちょうど揃って来て下さっていた、画伯のお姉様たちと久々の一族集合の図。
前日には林氏のお姉様ご夫婦が南アルプス市からわざわざ。毎回来てくれて激励してくれるご兄弟もまたありがたし。この力強い応援団こそ画伯の頑張りの泉であろう。

安住小百合展始まる

DMのブルーポピーさながら、青のスーツを召した初日の安住小百合画伯。その華やかな様子を早速!
円窓のシリーズも14作目となった今展。令嬢紫苑ちゃんを描いた一作目から牡丹、桜、椿、ハイビスカス、紫陽花、芥子などを描き継ぎ、今年はブルーポピー、百合、鉄線、野バラの四点の円窓20号Sを描き上げた。いづれ一堂に展観する時にはまばゆいばかりの空間になるだろうが、今はまだその途上。作品たちが格天井に出世する日を夢みつつ、機を織り続けているといったところか。
また、また前回に引き続き、風炉先屏風も。扇面散らしの桜尽くしという豪華さ。あでやかな金と漆黒が背景というだけで充分ゴージャスだが、色んな種類の桜、さくら、サクラである。覗き込んだらもう帰れない闇にも似て妖艶このうえない。
黒が一段と深みを増したことによってその上に描かれた花の密度も濃く感じるのか、花の艶麗さによって、背後の空間に奥行きを思うのか。絵空事ではない、実在感をずしりと感じさせつつ安住画伯の「花」は匂い立つ。
その香に誘われたか、京都の生駒画伯の御登場。折り佳くニューヨークの吉永さんのお姉様ご夫妻が、イタリア人のアーティスト・マリオ氏をご案内して来てくれていたので、英語・イタリア語・スペイン語が飛び交う花園に。ちなみにマリオ氏は写真家であるが、お父様はローマ近郊にお城を持つという。五部屋は泊まれるそうなので、ゆっくりお城に滞在したいかたは是非。また花園にいっそうの華やぎを添えてくれたのが財部りこちゃんと、可愛らしいお友達。
夕方には恒例のいとこ会のメンバーが集まって下さりにぎやかに初日を寿いだ。画伯ご主人の林氏は山梨生まれ、仲良しのお身内に囲まれ銀座の夜を楽しまれたよう。一連隊お見送りしたあとは、画伯の多摩美ーズ同級生の皆様が揃ってご歓談。お料理の達人マダムのご用意下さった各種佳肴は絶品につき、ワインが進んだことはいうまでもない。

大きいちゃんチーム

身長168cmか、年々背が伸びている感の織田画伯。今年は体質改善の成果かさらにほっそりしたのでモデル体形に磨きがかかっている。
今日お越しの皆様も、それぞれ大きい。同級生の麒麟画伯と武大人は大きいちゃん仲間として、ギャラリーコク-ンの上沢女史も堂々の170cmコース。並ぶとほぼ一直線なのがすごい。このラインでブロックされたらさぞや鉄壁。
本江氏も現役草野球ピッチャーらしく、ほっそりした体ながら長身。右画像の数寄和・岸田氏にいたっては190cmは下らないだろう。
大きいちゃんチームが揃うと、画廊の天井が低く見えて困るが、よくしたもので大きいちゃんと小ちゃいちゃんは仲がいいらしく割とバランスがとれている。
久々揃ってお目見えのいもきん・れもん小黒夫妻もそんなお二人。仲良しのご夫妻、ネットで見た織田画伯の作品の変化に驚かれたとか、丹念に見て下さった。
その変化に大きく寄与してくれた方が岸田氏。表装の場合の紙や絵の具使いのアドバイスを細かくして下さったという。絵だけでは成り立たない掛け軸の場合、表具師さんとの意思疎通が大切。この関係は大観と寺内遊心堂との関わりを持ち出すまでもない。感謝!
左は銀子ちゃんのパリ時代のご友人・花井氏が初登場。いままで噂でしか知らない五つ星の友。さぞやおいしいもので出来ていると思われるお体。ぜひ今度はお食事でも。

青山画伯の入籍パーティ

青山浩之・美子両画伯が長い交際期間を経て、ついに入籍。いつも一緒の二人なので、取り立ててお祝い事はしないという。いわば今日は押し掛けパ-ティだったのだが、卓上イッパイに画伯たち手作りの御馳走を用意して待っていてくれた。
大先輩の仲山計介画伯が発起人、近所の仲良し湘南組の加藤・新恵画伯夫妻が世話役という万全の態勢のもと、青山家のアトリエに集合。近隣は静かな住宅地につき、さぞや蛮声が響きわたったことだろうが、計介さんの出動とあれば只ではすまない。案の定、白いズボンに赤ワインをたっぷりこぼした計介さんは、以後パンツ一丁の男々しい(?)姿で。昔なつかしいビデオを引っぱりだして10年前の若々しい画伯たちの姿にめくるめいた。
当然、終電など皆忘れあとはおぼろ。青山夫妻のお祝い押し掛け宴会は、夫妻の長~い歳月をたどるかのように延々と続くのであった。

画伯を囲む先生たち

日本では先生と呼ばれる便利な称号があるが、今日ご紹介する方たちは、由緒正しい先生。
まず、精神科のドクター山下先生。学生時代からの画伯のご友人にしてよき理解者である。今日は可愛いナースさんとご一緒に。
また、国文学者の島内景二教授は、源氏と伊勢物語と大吟醸をこよなく愛するお方。画伯のお父上の装幀によるご本を出されている。月刊美術の下川氏と同席され、花と文学について興味深い話をしていかれた。
もう一人の先生は画伯の煎茶道の先生。おめでた中のお嬢様をともなって。おり佳くこの夏出産予定のコバッチ身和子画伯も旦那様とご一緒にいらしているところだったので、おめでたの連鎖があるよう記念のショット。つつがなくご両方とも身二つになるようまずはご祈念。

閑話休題ーある日

突然、閑話休題というのもなんだが、捨てるには惜しい話題を少し。
文京区の水道にある高橋工房で開かれている手ぬぐい展に、山田りえ画伯が描いた樋口一葉女史の作品に因んだ千代紙の原画と手ぬぐいが一緒に展示された。
ギャラリーとなっているのは丹精して造作した長屋。高橋工房社長の高橋さんの愛と気合にはいつも敬服するが、今回の展示もまたさすが。ひゃあひゃあいいながら手ぬぐい巡りをしていたら、入り口に品の良い夫人が。なんと一葉女史・妹邦さんの孫に当たる方だという。このところ一葉世界に耽溺していた悦子、その面影を伝える方に唐突にお目にかかり感無量。日本橋葭町育ちの高橋さんと子供の頃のくらしのあれこれを話している夫人の佇まいに明治の薫りを聞いた。
また、夜は二胡と揚琴の夕べーヨーヨーマ率いる『シルクロードアンサンブル』にも参加している許可氏の二胡はモンゴルの草原にも蘇州の柳にも通う風のように。かんのん劇場と題したホールは実は禅堂。普門禅菴の見城和尚が支配人である。いつものように開け放したお堂でしばしシルクロードの夢を見た。
また、居酒屋研究家にして俳人の吉田類氏も登場。類氏が出演する「居酒屋放浪記」というテレビ番組の大ファンであるWEB大里氏と三巴で朝までコース。本当に路地裏が似合う方ではある。

織田有紀子展今日から

高原のお嬢様アズピ画伯が、いつの間にか華麗なマダム織田画伯に変身して、しなやかにご登場。悦子画廊八年連続個展歴の画家である。一年に二回個展した時には、もう一、二年しか命がないと思い込んでいたというからB型の集中力は恐ろしい。
その集中力が今展では作品の中に密度ある空気を生み出した。かつてやや荒っぽかった絵の具の粒が、しっとりと落ち着いて画面に奥行きを与えている。年ごとに一枚づづ脱皮して、さなぎが蝶になったような華麗な印象ーまさに臈長けたーというべき成長か。
なりふりかまわず、描きたいことやりたいことに挑戦してきた画伯の本格日本画への道は、力まかせといかなかっただけ、発見の日々だったという。麻紙から薄美濃紙へ、粗いタッチから繊細な線へ、膠まで変えて研鑽を積んだ画伯の努力は、日本画を一からはじめたに近いものが。
大人になるのは何時と決まった訳ではないが、わかる時になるば自然目も手も違って、女子(も)三日会わざれば刮目してみよー状態になる。素材との出会いが楽しかったと、初心に戻った状態の画伯。紙と話し、絵の具に具合を聞き、無心に描いたとのだろう。その仕事を終えて顔を上げた時、画伯の世界が確実に変容した、ように思う。
まぎれもない画伯の絵でありながら、見えてくる世界が違うという体験こそ、一人の画家の成長をものがたるものだろう。なにかを真摯に追求すればこそ、である。
見た目もエレガントになられた画伯の早変わり三点変化を今日は皆様に。七味展の矢島史織ちゃんは茅野で同郷。夕方にはお馴染み三人娘となって、WEB大里氏と久々のおしゃべり。う~ん、この時だけはマダムをかなぐり捨てて小娘だったかな?

樋口薫展ー最終日

最終日の駆け込みはいつもながら。とはいえ、今日は樋口画伯のお客様に加えて悦子の御縁のスペシャルな方々が遠方から。
年齢順でいくとまず、樋口画伯のおばあちゃまから。大正四年生まれ今年90歳というご高齢ながら現役で油絵を描かれているという。樋口画伯のお母様の妹に当たる叔母さまとご一緒に、横須賀より。父方の御祖父ちゃまは、伊東深水に弟子入り志願したほどの方で、画伯がもの心つくころは自作の絵をご飯粒で表装して楽しんでいたらしい。一人娘にして一人息子のお役も兼務する画伯ではあるが、ひそかにこういうお祖父様お祖母様から画家になるべく刷り込みを受けた可能性も?
式根島からは、島のおかあさんともいうべき民宿松原荘の藤井さんが妹さんと。20年も前から通い続けている画伯はもうほんとの娘のよう。鎌倉の本当のお母様の絵の先生・岡本半三画伯もいらして下さり有り難い事。
悦子関係では、な~んと御殿場の(元)父上が上野の展覧会に絵が入選したとかで、久々のご上京。悦子との縁から絵を描き始めた父上、樋口画伯のおばあちゃまではないが、85歳にして目出度く初入選!折よく秋田からご上京の友子女史と女優の真澄女史がいらしたので、寿命が10年伸びるよう美女が密着、にぎやかな一時を。辻が花作家のたかこ女史はまつりちゃんとご一緒に花を添えてくれた。西馬音内盆踊りが御縁で会った美女連合、場所を東京に変えてまた再会できたのもうれしい限り。早速たかこご一家は式根島の松原荘に行くらしい。ここで出会った方たちもまた御縁を広げていっていただければなにより。
樋口画伯は海と旅の中に、人間の幅を広げてきた。個展の度に大人度を増す彼女の作品は、今展を経てさらに密度の濃いものになるだろう。また楽しみなことではある。

小泉淳作先生と多摩美ーず

だいたい学生数が一学年30人前後と、少ない日本画科。一年生の面倒は四年生がよく見ていたので卒業後も比較的仲良しである。先日もご来廊の尾長画伯と同級の武田州左画伯、山田宴三画伯が、樋口画伯一年時の四年にあたる。当時からやんちゃだったと思われる画伯と遊んでくれた貴重な方々である。また造形大で講師を勤める左善氏もこの頃からのお付き合いという。大学院時代は彫刻の学生がよく画伯のアトリエに呑みにきていたというから、男(?)同士の友情も長い。
加藤・新恵夫妻はやや後輩、芸大出身の山崎画伯はグループ展でご一緒した仲とか。二年上の池田真弓画伯もひさびさにご登場。
また、夕方から画伯同級生の藤井美加子画伯、一年下の根本智雅子画伯などお迎えして、みんな結局先は一人になるよね~などと、老後一緒に住む話で盛り上がって(悦子が管理人らしい)いたら武蔵美ーずの岡野画伯も長尾画伯ものりのり。でも独身の日本画家ばかりいる老人ホームってあまり考えたくないなぁ。
こないだ、三線で歌ってくれた船橋氏は怒濤の出張の帰りに。また手作りおみその名人小清水氏も交えて、今日もまたあとは朧、、になるかと思いきや、突然鎌倉の巨匠・小泉淳作先生の御登場で目がさめる。建長寺の龍の天井画でしられる画伯の眼光は鋭く、さすがの存在感。一番星画廊の星社長とともに見ていただけたのは樋口画伯のお幸せ。どうぞ画伯にも襖絵の御縁がありますように、、、。

教授会?あれ?&浅草?あれ?

多摩美の理事にして歴史学教授の清田先生と、西洋美術史教授の本江先生が、画廊で鉢合わせ。あれ~なんでこんなとこで!?ってハモられたのが面白い。つい最近教授会でご一緒したばかりだという。それぞれによくいらして下さっているのだが、時々このような鉢合わせの現場に立ち会うと、「こんなとこ」の主としてはなんだかうれしい。 樋口画伯も教授陣に丁寧に仕事を見ていただいてうれしそう。
もう一つの鉢合わせは画伯お父上の弟二三男氏と、お父上の浅草精華小学校時代の同級生中野氏の遭遇。共によき浅草時代に幼き日々を過ごされたお二人、奇しくも浅草演芸場で真打ちの御披露目を観てきたばかりという。三社祭りと落語話でしきりに盛り上がり、当時の現場を知らない悦子や武大人をおおいに刺激してくれた。
また、鎌倉からは伯父さまといとこのいずみさんが親娘で仲良く。画伯の家ではお母上もおばあちゃまも揃って絵を描くが、この雨宮の伯父さまも定年後に描き始めたのだという。さすが鎌倉文化圏、樋口画伯の生まれる素地は、こんなところからも伺えるよう。

 

イルカにのった青年とウルトラQ

海を愛する画伯、鎌倉湘南だけではなく島にもいろんなお友達が。御蔵島は八丈島と三宅島の間にあるイルカで有名な島。学生時代からイルカの研究に来ていて、博士課程修了後そのまま島の観光案内所http://www16.ocn.ne.jp/~mikura/に就職したというコーギーこと小木氏のご来廊。夜10時半発の船で帰るコーギー氏から、島の暮らしのあれこれとイルカのことを聞く。島に昔からあるイルカのコロニーを研究しつつ、保護の活動をしているという。潮風に洗われたさわやかな笑顔の好青年、早速お気に入りに登録する。
また、夕方からは中尾画伯・個展が終わったばかりの池田画伯・WEB大里氏をはじめ樋口画伯の地元のご友人たちをお迎えした。たまたま友人の制作したウルトラQの海賊版なるDVDがあったので、営業時間修了後ウルトラQフリークの中尾画伯の解説付きで鑑賞する。これは傑作!!また映画のおともは豪華和洋菓子。クール宅急便で到着のケーキは鵠沼ラシェットブランシェのもの。また京都鍵善良房の竹入水羊羹は、胸の谷間で暖めると取り出し易い、、(うそです)の図を。

樋口薫展初日

三日遅れぇえの便りをのぉせえてぇ~♪てなことで、無事初日アップ。昨年の悦子画廊デビューでは、初めての具象に挑戦した樋口薫画伯。今回もさらにバージョンアップして華麗に登場。
時々ハンサム樋口としてサイトにも御紹介しているが、いつの間にか四十路の道に。激しい造形意欲に燃えて抽象作品にチャレンジしていた時期を経て、自らの内面に目をむけるようになったとき、象徴として実在のものの形を借りたくなったのだという。
ふと、ある日気が付くと見なれた鎌倉八幡宮の蓮池に渡る風が心に沁みたーというような経験は言葉で説明できないものだろう。器に水が溢れるように、見える世界が変わってきた時に、画伯はためら

いなく今までの手法を捨てた。
蓮に雀といえば古典的な日本画のモチーフだが、果敢に挑戦、見事画伯らしいダイナミックな世界に。蓮を渡る風、雀の羽が起こす風、また椿に降り注ぐ光の陰影を実に注意深く描いている。
一瞬の羽ばたきに神経を集中し、その不思議に胸をわくわくさせて描いた事が画面から伝わってくるようだ。また古画の、画面の奥からにじみでてくるような風趣と、抽象時代に培った造形意識が共存している画面は、今後腕を磨くに従ってさらに光を増してくるだろう。
根っからの鎌倉育ち。「鎌倉の海を守る会」で市民活動もする画伯は、海外青年協力隊などのメンバーとともにアジアでボランティアもする行動派。出ていく先々で、色んな矛盾や人生の機微に触れてきたのだろうが、画伯の健康な精神は全てを貪欲に吸収してきたのだと思う。躊躇なく踏み込んでいく果敢さで、美の秘密に迫ろうとする今回のチャレンジは一見の価値あり。
今日は以外と料理自慢の腕を御披露。多摩美ーず時代の恩師・中野嘉之画伯や尾長画伯など学校関係の方々や画廊関係のお客さまをおもてなしした。絵に描いた雀になりきった画伯の画像とともに。悦子にはねずみ男にみえるけど、、まぁいいか。

湘南友の会集合

悦子も名誉会員を自認する、湘南は茅ヶ崎近辺の画家及びご縁の方々をご紹介。
まず先頭をきって駆け付けてくれた武大人とプリンセス・高井美香画伯。ともに芸大音楽科卒?といいたくなるような歌の名手である。天はニ物を与えるのね。またこの春から京都造形大学でも非常勤を勤めている尾長画伯、武蔵美では生徒の人気を集めるモテモテ講師だとか。独身の彼を射止める彼女はいつ現れるか、楽しみな一人ではある。
林画伯は、気仙沼からの旅の帰りに。名物「ごますり団子」は画商必携のお菓子、これを食べてからはなんとなく口がなめらか。ご利益を頂戴して明日を誓う。今日はご存じ牧ちゃんが鈴木さんと東電の成ちゃんをご同伴してきて下さったので、高崎君も交えて楽しい一時を。
地元茅ヶ崎からは、絵画教室の大家さん高橋様ご一行と、茅ヶ崎美術館にお勤めだったという永原陽子さんがご主人と。画伯のモデルになってくれた事もある陽子ちゃん、ご覧の通り美人の上に長身。初日にきてくれた荒川華ちゃんは可愛らしい感じのお方だったけど、こういう方々のスケッチを重ねて人物シリーズが出来たのね、と改めてファイルを見るのも楽しい。しかし逆さまのポーズって??

御両親のご上京

いよいよ最終日の今日、新潟のご両親がご来廊下さった。一度、沖縄展の折にお目にかかっているがちゃんとお話するのは今日が初めて。妹さんの朋子さんとは、去年の濱降祭の時にお目にかかり、深夜から朝まで茅ヶ崎の路地裏を歩いた。よくよく考えるとその時一回だけお会いしただけなのだが、よ~く知っているような気になるのが不思議。トリビアとマツケンの話で盛り上がったせいか?また、搬出隊員としてご主人・義孝氏も出動、さすがご学友だけあっていい働きを。
新潟日報社に長くお勤めだったお父様のご薫陶の賜で、文章もよくする美弥子画伯。万代橋を描くシリーズの画家にも選ばれて、この度上梓された本にー橋の下 春のながるるをーと題した文を寄せている。日常のあれこれを細かく観察し、いったんそれから離れた人ならではの、機微に富んだ語り口である。絵も然り。観察や写生を全部空に放り投げた上で、俯瞰してみるー下で感じていた鬱屈や不安や喜びやらが、上を流れる気流で拡散し昇華してゆくような感じといえばよいか。
大観の「生々流転」じゃないけど、人間の色んな感情も地面から空に立ち上って四散し、また雨雲となり下に降り海に集まると感じる時がある。画伯の仕事はその愛しい営みの流転の中で、一瞬と永遠が繋がる瞬間をとどめようとしているかのようだ。
例えば、「みどりのあめ」と題された雨は、まるで生き物のように天と地を繋ぐ太い柱だ。南方のスコールに出会うと、その余りの凄まじさに唖然とすると共に、天と地と自分が一体になったようなある種の恍惚を感じる。また「雲の花見」は雲が花を見るという発想の逆転が、画伯の世界観に親和力をもたらしたといえよう。
人が住む建物、という日常をひとつの媒体として、それと繋がる天地との交歓を描いている画伯に、沖縄の取材はどういう影響を与えたのだろうか。まだまだ続く浮遊する視点が、これからどう展開するか楽しみに待たれることだ。
最終日の今日は、名古屋からニィちゃん、大阪の同級生のマダムをご同伴のさくらさん、安住画伯・加藤晋画伯などの画像を添えて。

同級生大集合

故郷の母校・新潟高校の恩師赤井田先生が、越の寒梅を手にさげてご来廊。同期のOBに案内の手紙も書いてくださったとかで、先生の手紙持参でいらした方も。
池田画伯の同級生のお年頃は、仕事でも家庭でも多忙を極める頃。よく集まってくださった。県下でも有数の進学校と聞く。聡明な画伯を見ているとなるほど、と合点がいくが同級生の皆様も。
また武蔵美ーずの同級生プラス女子美エンヌの方々の華麗な画像もお披露目。どうよっ!!てな感じの美人揃い。男のかたもいるにはいらしたが、この時はまぶしすぎたのかそそくさと。結局、貝渕さんのご子息・誠くんが男性代表で。

奥村昭氏の邂逅

しばらくご病気のためご来廊が途切れていた奥村昭氏が本復なさり久々の御登場。と喜んでいたらそのわずかな間に次々と御縁の方々が。
奥村氏はあの土牛先生のご長男にして、斎藤典彦画伯の御義父様。ご自身の仲人は粟津画廊の先代ご夫妻だが、粟津のお嬢様は林田パパの奥様である。退院して久々に悦子画廊にでてらしたところでばったり林田パパと。お互いの体をいたわりあうやら、近況を報告しあうやら。
またその後は野地練馬守と。野地氏の元お勤め先はかの山種美術館。その時代にお電話でご連絡する機会があったが、会うのは初めてという。話は尽きず野地氏御子息・多聞君はやや退屈気味だが、さすが画廊に0歳から来てるだけあって、堂々たるもの。
りえ画伯はあいにく不在だったが、奥村氏にとっては御縁のお二人と奇しくも邂逅するいい日だったに違いない。
また、教え子のみどりちゃんと、多摩美の歴史学の教授清田先生も。
プリンス春彦氏の御祖父様はご存じのように速水御舟先生だが、その名を聞いただけで、奥村昭氏がピッと背筋を伸ばされたのが印象深かった。

山田画伯を囲む方たち

例年のように、りえ画伯の故お父上のご友人たちを画廊にお迎えした。四国の八幡浜時代の幼なじみ・二宮氏たちを始め、お父上をキャプテンと呼ぶ船長さん時代のご同僚の方々。
悦子のところでは八回目になる展覧会にもほぼ毎回、その前からも合わせるとどの位見ていただいているのか、りえ画伯のデビュー時から応援して下さっている有り難い方がたである。
また、りえ画伯の弟さん浅川岳彦氏ご一家もお揃いで。この四月二十九日から「サキカイロプラクテック」を開院するというお忙しいなかのご来廊とのこと。りえ画伯もハードなスケジュールをクリアするため岳彦氏の治療を受けているが、もちろん腕はりえ画伯も悦子もタイコ判。下のとおりおやさしい御人柄なので、はじめての方もリラックスして治療をお受けになれるはず。

ご用のむきは大江戸線・南北線麻布十番駅徒歩2分のサキ カイロプラクテック TEL 03ー5441ー2858まで。

講釈師かはたまた、、

みそそな巻物は、あまりに小さいため誰も大作とは気がつかないが、いったん画伯が机の前に座りヒモを解きはじめると「おおっっ!」と歓声が。
よしよしとばかりに御猫たちの日々を説明する越畑画伯の講釈は日を追うごとに調子を上げてきている。そもそも二年前の個展時に軸装を手掛けてから、この構想はあったらしい。猫の生態の絵巻を作りたいという願いは折にふれ漏れ聞いたが、ある時吉田春彦氏に、猫脱糞図なんてよいよね~と冗談でいっていたところ、真面目な氏に大変受けて、早速○んこ用にと上質な金泥をいただいた。この経緯が画伯に火をつけ今回の次第になった事を思えば、吉田氏に足をむけては寝られない。いつでも背中を押す一言は有り難い。
有り難いといえば、押せ押せのスケジュールのなか、表具を会期までに仕上げてくれた岡崎文経堂の渡辺行之助氏にも感謝。彼がいなければ日の目をみなかったかも。初めて描いた絵巻を最高級の仕様にしてくれた事は表具師から画家への最大の励ましである。心に刻まなければなるまい。
今日はその講釈の様子を、、売れっ子ライターの平野恵里子ちゃんも、学芸員さんたちも、もうよだれたらたら。

恩師・中野嘉之画伯目出度い受賞

お忙しいなか、多摩美大の恩師・中野嘉之画伯がご来廊。先頃、芸術選賞文部科学大臣賞を受賞された画伯、目出度さのただよう雰囲気のまま越畑画伯の絵をご鑑賞。画廊に入るなり、今回の画伯作品の成熟ぶりに気がつかれたと見えて「いいじゃない!」と一言。中野先生くらい達人になると、画廊の空気でわかるらしい。ありがたいこと。お褒めのしるしに京都で買ったばかりの墨を御下げ渡し。墨の調子をみるため早速硯をご用意、紙にちょいちょいとなにやら描いているな、と見ているとあっという間に鳥になった。お見事!目出度さのお移りを是非ご一緒に。
目出度さついでに、今日大学の入学式だったという、画伯の姪御さんとそのお母様、つまり岩瀬の旦那のお姉様を御紹介。もうこのお年頃のお嬢様がいてもいいお年頃だったのね、画伯も。ほよほよ~。
また、久々に元スタッフならこ、こと奈良橋嬢も。今では画廊で培った口八丁手八丁で、建築内装デザインの営業の仕事をこなしているとか。トイレで泣いていた日はいずこ、見事に更正(?)の道を歩んでいる。よかった、よかった。これしかできないの~とやくざな絵の道まっしぐらの直野画伯は画伯で最近とみにりりしい。気が付けばみな三十路。開廊から九年目の春だものね、みんな大人になってもおかしくない。「悦ちゃん大人になろうよ~」と背中に聞こえるのは気のせい?


Parse error: syntax error, unexpected 'string' (T_STRING), expecting function (T_FUNCTION) or const (T_CONST) in /home/users/web13/8/0/0241308/www.shibataetsuko.com/wp/wp-content/plugins/pagebar/class-postbar.php on line 20