2017.11.6(月)~12(日)12:00~19:00
最終日~17:00
1984年和光大学芸術学科を卒業した後、多摩美大大学院日本画科を修了した會田佳惠子。
卒業後はグループ展LABOの初期メンバーとして参加したり、2人展や個展を開催するなど自分の歩調でそのキャリアを進めていたが、出産や家庭の事情でまとまった制作が困難になった。
筆が持てない時期も、短時間でできる粘土での立体制作などは続け、創作欲は満たしていたというが、物心ついた頃から
絵筆に自分の心情を託して孤独な日々を癒していたという會田にとって、その間はさぞ心身のバランスを保つ事が難しかったに違いない。
十数年の時を経て封印していた軛を解き放ち、おずおずとしかし確信に満ちて画業を再開した今展、作品には詩情が溢れ迸るようなエネルギーはようやくその着地点を見つけた。
風が逆巻く草原に不安げに佇む少女はかつての會田の自画像だろうか、きれいな花を見つけて歩いているうちに、必ず迷子になって泣いていたという幼年期の記憶やその目に焼き付けた美しいものたちが、五十代になった今次々と絵となって紡ぎだされている。
拙くはあるが、決して甘くはない。無垢な心のまま大人として生きてきた日々がけっして無駄ではなかったと思わせて余りある作品たちである。