2017.12.18(月)~26(火)12:00~19:00
日祭日~18:00 最終日~17:00
今年最後の展覧会は昨年に続き木村浩之と白井由美の2人展である。
昨年末の展覧会が終了して間もない今年新春の国技館でNHK・BS相撲中継の解説をした木村浩之を覚えている方も多いと思うが、今年も本場所のみならず巡業まで密着して取材を重ね、野天や月の下での取組を描くなど、シュールなほどに想像の羽を広げて神事としての相撲を若い関取の日常の日々を通して生き生きと描いている。
一方で、白井由美は今年5月に出産、子育てと大きな生活の変化を受け入れながら制作を続行。この2人展に向けて絹本着彩の精密な仕事を集中的に行った。
木村が漆喰の下地に油絵を思わせる強いマチエールの仕事になっていくのと対極に、白井の表現は余白を意識した細い線を絹布に滑らせる飾り気のない方向に向かっている。
黙々と相撲を取り続ける力士の「褻」に目を向けて描く木村と、日々の生活に寄り添う花や猫、あるいはパンやお菓子など身近にあるものへの限りない愛おしみをさりげなく描く白井ー二人が新たな家族を得て充実した日々を送った事はこれら作品の中に紛れもなく記されている。