2020.10.12(月)〜18日(日)
開廊の翌年からほぼ毎年個展を開催してきた画家の一人である山田りえ。昨年は多忙を極め一年あいだを空けたが、コロナ禍にもめげず無事初日を迎えることができた。
DMに掲出の「武蔵野図」からして黒箔にレースのような地模様を施すなど、りえ様式の不穏な気配が漂っていたが、今展では久々のりえスペシャル・ザ・ヌードをご披露する。
落下する女の恍惚の表情、コトを終えた男の余裕、挑発する女のポーズ。そして何より「HAND」と題された指先の描写が秀逸。
かつて画廊で画家たちのためのヌードデッサン会を催していた時期があったのだが(現在休会中)、モデルはその時によくお願いしていたベリーダンサーの方。しなやかで魅力的な肢体のモデルさんを、りえ風にど真ん中から描いた力作たちが画廊中に異様なパワーを放っている。
タブーなく自分を解き放って、好きな事に没頭した、という潔さに満ちた今
展。花の蜜に誘われる蝶の気分になるのもよし、空間に浮遊するのもよし、コロナ禍の閉塞感をしばし忘れるエロスの園はここにある。