2022.11.7(月)〜13(日)
12:00〜19:00 最終日〜17:00
米を掬う手の形から「菊」という名になったという花。
その姿を追ううちに自らが花に包まれて変容していく。
花の向こうに辿り着こうとする立尾美寿紀の静かな熱情は、見る人の変容をも促すようだ。
四人展「線と余白とその間」に参加する立尾美寿紀の3年ぶりの個展である。
その間、豊橋トリエンナーレ・星野真吾賞入選や千住博日本画大賞入選など、意欲的に大作にも挑戦して存在感を増しつつある。
今展では「変容する花」といつテーマで
花を深く観察し、より踏み込んだ考えからその存在を作りなおし再構築しようという試みに挑んだ。
「菊」と「薔薇」。
前者では顕微鏡的に花に分け入り埋没した。菊が米を掬う手の形から名付けられた由来を思う時、密集した花弁が人を救う手救いを求める手と見えてきたのも不思議ではない。一花の中にある曼荼羅に辿りついたのであろう。
後者では、「十牛図」を薔薇で現せないかという試み。悟りに至る過程を牛に託して描いた禅画の機を薔薇の変容を通して描く意欲作である。浄化されていく薔薇の生気もまた見どころのひとつだ。
是非ご一覧を。