沖縄

島歌唄者の女神ー 初日の画廊に降臨

去年九月に沖縄で開催した「美ら島を描く展」の里帰り展。思えば台風で荷が届かず、やきもきした事も今は昔。最終日三日前に届き、モデルの大城美佐子先生にも十分くらいしかお見せできなかった、武井好之画伯の「大城美佐子像・海、地」の二点もようやく陽の目をみることに。
この度の「美ら島を描く展」に先駆けて一昨年の暮れに画廊で開催した武井好之画伯の「島紀行展」以来、画伯たちのお供で何度となく沖縄を訪れた。
「美(ちゅ)ら島」と発音する時、沖縄の美しい海や空とともに出会った人の顔が浮かぶ。市場や深夜の酒場で出会ったおじいやおばあたちは人生を楽しむ達人というべき人たちだ。「この島の生気を描く展覧会がしたい!」と思った時から、違う気候や歴史を持ち独特の文化を育ててきた地への途方もないアプローチが始まった。
山ほど宿題をかかえたまま走りだした今展に、惜しみなく力添えをしてくれたのもまたウチナーの方々である。合宿所兼案内役をかって出てくれたセイヤ氏の他、地元にいる親戚・友達を総動員してくれた牧ちゃんネーネー、モデルを引き受けて下さったばかりか、お店のお客様まで 会場に案内してくれた大城美佐子先生に、改めて御礼もうしあげる次第である。
ともすれば一方通行の展覧会になりがちな中に、少しでも画伯たちの感じた「美ら島」が島の人たちに届いたとしたならば、望外の幸せというものでろう。身の丈を忘れての旅がもたらしてくれた得難い人々との出会いを宝として、また励まずばなるまい。
今回はさらに島唄の唄者として、神様とも称される大城美佐子先生を画廊にお迎えすることが出来た。しかも在京のお弟子さん船橋氏が三線を抱えてきて下さったので、コンサートでもお店でも聞けないマイクなしの島唄を聞く、夢のような一夜となった。東奔西走のなか、わざわざこのためにだけ来て下さったという。「いこうね~」と軽くおっしゃったそのままに、いつ始まったともいつ終わったともわからぬ子守唄のような至福の時間だった。この夜、先生の唄と泡盛に酔って魂を落とした幸せな男が何人いただろう。女神の由縁である。

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