個展

阿部一雅展

愛知万博で盛り上がる、名古屋は長久手の里より御上京の阿部一雅画伯の個展が今日から。
画伯は1962年名古屋生まれ。1985年に愛知県立芸大日本画科を卒業後、院展を含め多くの展覧会に出品しつつ、母校の保存模写研究会に所属して、法隆寺金堂や名古屋城本丸御殿の障壁画の復元模写制作にたずさわってきた。
1993年名古屋のギャラリーあおいで初個展、2001年には悦子画廊でデビュー戦を。実直な目線でとらえた風景図や花卉図が多かった先回とくらべ、らんちう、かえる、かに、などの不思議な存在感を示すものたちを描いた今展は、独自の工夫で獲得したマチエールの効果もあって一歩自分の内側に踏み出した印象。
画家にとって自分のモティーフを見つける事はたやすい事ではない。毎回手探りの連続だと思うが、少しでも近付こうとあがく事が個展の効用なのかもしれない。派手な主張のない作風ながら、今回は阿部画伯の粘り強い目線を感じさせてもらうこととなった。
江戸時代から数寄者に盛んに愛玩されていた、という蘭鋳。実は名古屋の弥富はその一大産地でもある。学校帰りの子供のように、その水槽の前で動かず夢中でスケッチを繰り返したという画伯の執念は、えもいわれぬ存在感のある作品に結実して現前にある。人間が愛玩鑑賞のために作り出した摩訶不思議な生き物を水槽のなかに見つつ、美しさとか醜悪さとかいう思惑を越えて、蘭鋳と一体化した至福の一時があったのではないだろうか。と、思わせてあまりある作品となった。
二児のママでもある奥様の典子ちゃんは、画伯の大学の後輩。名古屋から車で日帰り搬入のお手伝いに来てくれた。このクラスの宴会に悦子もよく呼ばれて行っては餌付けの儀式をして泣かせたものだった。典ちゃんの可愛い名古屋弁も一聴の価値あり。豊橋からは一番列車で朋友の中川氏がご来廊。画廊関係では、ただいまご懐妊中のコバッチ身和子画伯が、ようやく安定期に入ったとかでうれしいお目見え。またさいか屋川崎店のマドンナ永澤嬢も久々の御登場、プリンス樋口画伯のいれたコーヒーを楽しんでいかれた。悦子は鬼の霍乱か、展覧会の合間にうっかり風邪にやられ熱のためやや潤んだ目で初日を迎える事に。げほげほっ。

 

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