木綿子代筆。
今日も私は、写真を一枚しか撮りませんでした。悦子さん、ごめんなさい。昼に、私に似ず病弱な姉と一緒に、母が3度目の来廊。母は画廊に来て、友達にメールをうって帰っていきました。のんきな母に会い、私ものんきになりました。
昼に、毛利やすみ氏が御来廊くださって、私は初対面なのですが、武蔵美の毛利教授の奥様で、なんと伯母の同級生であり、お話はよく伺っていたので、ぜひ一度お会いしたいと思っていた方です。ここもまた、不思議な繋がりなのです。本当に素敵な方で、まるで私と同じ目線でお話してくださり、制作をしていくことの深さを、言わぬうちに教えてくださいました。私にとってなんとも感激の出会いでした。
その後、数寄和の岸田氏が御来廊くださり、和紙と絹についての貴重なお話や、裏打ちの重要性など、私の制作する上で欠けている、画面の将来的な状態への気の配り方を教えていただきました。紙も本当にとても奥が深いものです。
夕方、焼酎を手に、精神科のお医者様の山下氏が、いつもの和気あいあいの柴田悦子画廊の空間を楽しみに、御来廊されました。残念ながら悦子さんはお留守。でもそこでは、私の趣味の陶芸仲間と、ムサビーズと、搬入時にたまたま居合わせて、多大なお手伝いをしてくださった佐原氏、綾ちゃんで、当然のようにお酒をのみ始めました。悦子さんが不在のため、おつまみに珍味はお出しできませんでしたが、山下氏の芋焼酎は、下戸の私でもわかるほどにとてもおいしい。ムサビーズはここぞとばかりに、山下氏に自分の精神状態について相談をし始め、一時は診察室のようにもなりましたが、自分たちは健康だということで、話は落ち着きました。よかったね、みんな。大先輩の佐原氏に、今回の私の展示や、佐原氏の個展の時のお話をネホリハホリ伺い、なんだか私のこころは落ち着きました。9月にまた、柴田悦子画廊で個展をなさるそうで、家ではきっと制作に追われていらっしゃると思い、おせっかいながら「のんでいても大丈夫なのですか」とお聞きすると、なんとも朗らかな笑顔で、「だからここではせめてゆっくりした時間を過ごそうと思って」と、またこの画廊の懐の深さを聞いたのでした。