人物

伴清一郎展 ーひかりを見る。ー

会期12月9日(金)から17日(土) 12:00から19:00 日曜は18:00 まで 最終日は17:00 まで

 

稲妻の光る雲聞から光りが地上に降りてくる。
柔らかい光りに包まれた童子たちが、優しい無常感の中に佇んでいる。
私は日本絵画の情感はこの「優しい無常感」に有ると思っている。

 

伴清一郎画伯個展に寄せて

 

伴清一郎の絵を前にたたずむと、絵画というものが二次元の平面であることを失念することがある。そして、同時に、その静けさにも打たれる。
何なのだろう、この不穏な静けさは。たしかに絵画は静止している。ひとつの動作が完了したのだろう。だが、画面は静止のなかに鎮まりかえって行こうとしてはいない。それは、次の爆発的なまでの動きへの待機の瞬間なのではあるまいか。
筋骨隆々たる童子たちは、日本の風光のなかで、虚心に遊び、ときには怒りを爆発させようとしている。それは、伴清一郎その人の似姿でもある。
現実の画家は無意味に筋肉を鍛えては、画業とともに酒を飲むのに専念している。自称「女好き」で、「悪い男」と呼ばれたいらしいが、女よりは酒を好み、悪事よりは憂国に身をやつす。
伴清一郎の絵画もまた、ひとつの国の姿を描くものなのだと思う。それは、私たちの血よりも深いところを何千年も流れ続ける無意識の大地としての国にほかならないだろう。
今、その国が怒りに震えている。怒りが、風を呼び、風が光の形を変えて、絵画は平面から立ち上がろうとしている。
城戸朱里(詩人)

 

1950 滋賀県に生まれる
1973 京都精華短期大学中退
1982 安井賞展( ’87)
1991 現代日本絵画展(北京)
1998 個展「逢国J- 日本のかたち-(日本橋三越) (’95’97’00)
2009「ざ・てわざ」
2011「観○光」ART EXPO 2011出品

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