下向惠子展 MYTHOS 2023 -古事記より-

2023.9.1(金)〜9(土)
12:00〜19:00 日曜〜18:00
最終日〜17:00

初日18:00よりトークセッション
ゲスト:小勝禮子(美術史家・美術批評)

MYTHOSとは古代ギリシャ語で神話を指す。下向惠子によると、この「MYTHOS」シリーズは水の神を探すことから始まったという。
以来、古事記に想を得ながらエネルギーに満ちた神々の様相を描き続けている。
今展では楮紙に顔彩のイザナギ・イザナミ対幅他、国産みの矛連作など渾身の作が並ぶ。
清く明るい気が充満する空間となり、暑さも忘れそうな勢い。是非ご高覧を

夏興行@沖縄 平野俊一展 In The Garden

2023.8.22(火)〜28(月)
10:00〜20:30 (最終日は17:00まで)

リウボウ2階 アートギャラリー
那覇市久茂地1-1-1
098-867-1171(代表)

折々の花を時にはダイナミックに、時には可憐に描きわけ、その魅力を伝える平野俊一。
今展では「In The Gergen」という名の花園にお誘いし、溢れんばかりに咲き誇る花々の香りを楽しんでいただく趣向。

5年ぶり2度目のの那覇個展になります。
お近くにご用の方は是非。

ライブペインティング
毎日 14:00〜17:00

細川成美・むらまつちひろ2人展 全知全能 カワイイ白書

2023.8.18(金)〜8.23(水)
12:00〜19:00
最終日〜17:00

ツィッター今Xのフォロワー25.000人インスタは54.000人というカワイイ画の細川成美が、今回ご指名した相方が美少女画のむらまつちひろ。

今回はそれぞれの「カワイイ」を存分に表現した作品をご紹介する。

共通のアイテムとして、マルチクリエイター・マツヤマイカさんをモデルに絵を描く、というミッションを課し、今昔が入り混じる独特のセンスの持ち主であるマツヤさんの世界感からインスパイアされた絵もそれぞれに描いた。

今展は2人展だが、個展形式のDMを2枚
用意するという懲り様ーそれに記されたカワイイ文言は見た人のみが知る。

どうやら真夏の夜の夢はまだまだ続きそうだ。

旅興行@広島 瀬戸内界隈展

023.8.6(月)〜13(日)
10:00〜17:00

真夏の因島。「アートの闇鍋」瀬戸内界隈展も6回目。新たなメンバーも加わりさらに熱い展示になる予感。

というわけで炎暑の東京を離脱して、やってきましたしまなみ街道ー因島。
ちなみに瀬戸内でも直島のある岡山側ではなく、尾道に近い広島側。平山郁夫美術館のある瀬戸田や大三島など大小の島が今治まで続く。その中でも因島は村上水軍の拠点だったところで、今も造船所が立ち並ぶ大きな島だ。

メンバーの岡野陽一さんの父祖の地であることから、その家屋をギャラリーに転じて大勢の仲間が集まり、「アートの闇鍋」と称して多彩な総合展を開催している。

今回もシェフ付きの合宿ーまさか60過ぎてから学生時代のような合宿をするようになるとは思わなんだが、これがまた楽しい。主な担当は洗濯。

柴田悦子画廊では旅するキモノ(着物地の洋服)と帽子(Daisy’s ano)を「悦子の部屋」でご紹介する。

銀座MOGA 2023夏 夏の美人画展

2023.7.31(月)〜8.5(土)

12:00〜19:00 (最終日〜17:00)

 

毎年恒例の夏祭りー銀座にMOGAがやって来た!今年のニューフェイスの久遠ももさんは札幌で油画を描いていたところ、このMOGA展を見て日本画に開眼。筆を持ち替えての参加となる。

以下はお馴染みの華麗なる面々

 

久遠(くどう)もも

後藤まどか

近藤 弓唯香

高久 梓

中島 華映

むらまつ ちひろ

森川 琴美

山下 千里

山本 晴日

まずは初日の画像から

大山菜々子個展   On the edge

2023.7.24(月)〜29(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

2020年東京藝術大学大学院日本画研究分野修了の春に、当画廊で初個展。以来21年22年と回を重ね、今展で4回目となる大山菜々子展。

on the edgeというテーマについて以下のように述べている

   彼らはいつも境目に立っている

  いつまでもそこにあるとは限らないその揺らぎにいつも目を奪われる

 心揺れる時を過ごすあの子たちの日々を切り取り、ここに残すことにした

         大山菜々子

 学生時代から一貫して10代後半から20代前半の男子を描き、その移ろう美しさを日本画の絵具で定着させようとしている稀な画家である。

時は残酷にその一瞬の紅顔を奪うが、大山はそこに立会い、彼らの纏う空気や湿度、細部が醸すリアリティを表現する事に情熱を傾けている。

その熱の有り様が、日本画という表現手段を使う事で間接的になり、醒めた熱狂とでも言いたくなるような雰囲気を醸し出しているのが絶妙だ。

同世代が描く同世代から、少し歳を重ねてこれからどう視点が変わっていくのか、もしかしたら大山自身こそon the edgeなのかもしれない。

本田和博展 ー野景ー

2023.7.17(月・祝)〜22(土)

12:00〜19:00 祝祭日〜18:00

最終日〜17:00

 

2019年の言絵絵言展Ⅱからご縁の本田和博さん。当画廊での初個展に先立って以下のコメントを寄せてくださった。

 

   我に返った。

もう どれくらい こうしていたのだろうか‥‥と。

長いようでもあり‥そうでもない気もする。

一晩中 ぐじゃくじゃに働いて 疲れた体と そして 心の熱を冷ましていたはずだ。

    ー朝の 路上ー

   ー行き交う人々の喧騒ー

 ー先を急ぐ車のクラクションー

   ‥‥そして 戦いだした風‥‥

 ‥‥〜騒々〜‥‥〜騒々〜

  ふと 自分の中 なにかが叫びだす。

 ”さあ 線を曳け!”と叫びだす。

“ありふれた巷につい去っていこうとする自分だけの感情の記憶を留めよ!”と。

          本田和博

 

6年ぶりとなる個展となる本展では、スタイロフォームの支持体に和紙を貼り、アクリル絵の具で描いた日々の記録や忘れ難い記憶が丹念に掘り起こされ、残像として刻印されている。

 

  • 1987 創形美術学校版画科卒業

1959熊本県生まれ

 

 

 

 

 

 

 

線と余白とその間 VOL.4

2023.7.3(月)〜7.9(日)
12:00〜19:00 最終日〜17:00

初日19:00よりトークセッション
ゲスト 山内舞子(美術評論家)

7.8(土) 絹本裏打ちワークショップ
講師  足立正平

コロナ渦の初年、産声を上げたグループ展。墨と線による表現を研究する会を立ち上げようと思い以下の4人に声をかけた。
足立正平
立尾美寿紀
直野恵子
佛淵静子

ほぼ同世代の日本画家である。
4回目の今回は、俳句から発想した作品を研究課題とした。
連句の宗匠・佛渕雀羅先生の当季の句
「あぢさゐのまりころがりて日の海へ」が今回のテーマ。前回は薔薇を共通テーマとしたが、さらにハードルが高くなった今展、どういうチャレンジを見せてくれるか期待は高まるばかりだ。
初日のトークでは、軽快なフットワークで美術界を横断する若きキュレイター山内舞子によるセッションも。

また、表装技術を持つ足立による裏打ち講座が土曜日に開催される。今回は絹本実習ーこちらも是非!

り・ぼーん  これまで、そして これからへ 平坂常弘 中堀慎治(賛助出品) 展

2023.6.26(月)〜7.2(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

島根県の浜田市立 石正美術館の館長時代になる2009年、当画廊で個展を開催した平坂常弘。

 

館長として激務の日々の最中、大病に倒れ2021年に職を離れた。その後、必死のリハビリを経て、また筆が握れるまで回復しこの度の展示を計画した経緯は下の文章に詳しい。

 

「り・ぼーん」とはReborn生まれ変わったという意味のタイトルだが、これは多摩美50J(昭和50年日本画入学)同期の中堀慎治が希望を込めてつけたという。

 

来年は古巣の石正美術館で退任記念展を予定している平坂常弘。色んな方の励ましを自らへの奮起に変えて描いた十余点と、伴走する中堀慎治のコラボレーションを今回はご紹介する。

 

平坂は自宅に9匹の猫。重厚なタッチの日本画のそこかしこにこれら猫たちが隠れているのも見どころ。

一方、中堀作品は1991年作の未発表作品と2023年作の最近作の比較がレア。

 

是非、ご高覧を。

 

 

 

 

涼風献上ー大団扇展

2023.6.19(月)〜25(日)
12:00〜19:00   最終日〜17:00

初日19日18:30よりギャラリートーク

出品作家
安住小百合/池田美弥子/加藤良造/亀井三千代/北村さゆり/木村浩之/越畑喜代美/小松謙一/新恵美佐子/鈴木強/板東里佳/松谷千夏子/山田りえ/渡辺薫

蒸暑いこの季節の恒例、涼風献上ー団扇展が始まった。琳派、文人画、風俗画と倣う様式をさまざまに変え団扇や扇子に描くという試みも今展で8回目となる。

今年の研究テーマは木島櫻谷(このしまおうこく)。京都の近代日本画を代表する画家(1877〜1938)で動物画で名を馳せた。

今、泉屋博古館東京(六本木一丁目)で「山水夢中 木島櫻谷展」が開催中(〜7.23)であり、作品とともに全国くまなく旅して残した大量の写生帖や愛惜した水石などを展示しているとあって、団扇による作家研究にも熱が入ろうというもの。

初日、夕方からは団扇と典拠にした櫻谷作品の講評・解説トーク。制作した画家の説明とともに大団扇のサイズに切り取った櫻谷研究の成果を鑑賞した。

大団扇の裏には、個々の画家の意趣を反映したものが描かれているので是非それも忘れずに。

 

金属造形作家 征矢剛作品展

2023.6.5(月)〜11日(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

鉄の虫たちがクールなジャズを奏でるユニークな展覧会が今日から。

金属造形作家・征矢剛は多摩美彫刻科出身。その後、銅人形作家の赤川政由氏に師事して独自の作風を築いた。

巨大な枯葉蟷螂(カレハカマキリ)の内部にはスピーカーが組み込まれ、躯体と反響しながら実に良い音で鳴く。

極限までシェイプされた形態ながら、昆虫マニアも驚くリアリティ。

今年は、蜜壺アリに加えて額サイズの薔薇や椿なとの灯り系も充実のラインナップで皆さまをお迎えする。

 

 

 

 

原 誠二 展

2023.5.29(月)〜6.4(日)
12:00〜19:00  最終日〜17:00
コロナ禍を挟んで5年ぶりの原誠二展が今日から。
水や大気から思い描く風景を描いてきましたが、桃源郷としての風景ではなく、人の営みや社会状況を反映するものも込めた風景へと変わってきたようです。
                                              原誠二
濃密な気配が充満する画廊内。不穏、と言っても良いような気を発する画面には奈落へ落ちる水流が描かれ、永く漂ってきただろう水に行き先を与えている。
5年の空白の後、高崎から現れた画家。
もちろん、コロナ禍中にも歩みは止めず地元の高崎・高島屋での個展や信州・高遠でのグループ展、前橋のノイエス朝日でのグループ展「可視2020-2023」出展など積極的に活動は続けていた。
だが、禍中に東京はいささか遠かったようだ。今展はその期間の色々な心境や現実の変化を反映して、さらに重厚で緊張感に満ちた画風へ。
地に穴、天に竜巻。まるで黙示録のような象徴的な世界を山水画風に描き、さらには前面に謎の赤や青、金の矩形が。
何重にも構図の罠、視点の計を巡らしながら、原誠二はシニカルに笑うー。人のいない何処か別の天体に行ったつもりで此処に遊んでほしい。

『ゆきてかへるー句と絵と』 佛渕健悟・佛淵静子 展

2023.5.22(月)〜5.28(日)
12:00〜19:00 最終日〜17:00

銀座の夜会
5.26(金)17:00〜21:00
フリードリンク

先週の京都拝観ツァーで英気を養い、万全の態勢で「画廊の夜会」の週を迎えた。

まずは展覧会概要を。

俳諧師として活躍する佛渕健悟(雀羅)と日本画家・佛淵静子との親子展。
彼岸と此岸を往還することばと手だてをいかにして得るかを、絵と句のコラボレーションを通して探るこころみです。

Go There and Back -Verses and Pictures-
Father – Daughter Art collaboration by Hotokebuchi Kengo (Jakura) , haikai master and Hotokebuchi Shizuko, nihonga artist.
This collaboration of poetry and images show how you get words or means which let you go to “Higan”(Heaven) and back to “Shigan”(This world).

連句の宗匠・雀羅先生立机の折に、師事した東明稚先生よりご恵贈の文机。その上に娘の日本画家・静子が「たんぽぽ」の絵を描いたー「ゆきてかへるひがんしがんのたんぽぽや」今回のタイトルはここに由来する。

それぞれの仕事を通して真剣に道を究めてきた父と娘が初めて空間を同じくする今展。
画廊内には百枚の短冊が貼られ、いらっしゃるお客様が一句づつ付けていく笠付連句が進行中である。

実は雅狼句会なる月いち句会の席亭である柴田は遠見という俳号(のようなもの)。
その遠見の「黒南風に任せる蔓の自在かな」を発句として、百韻の旅が始まった。毎日更新する旅の記録はまた。

山田りえ展

2023.5.8(月)〜14(日)

12:00〜19:00 最終日17:00.まで

 

さぁ!五月。年に一度の山田りえ展が始まった。

今年の顔は白薔薇の君。

花の画家として知られた山田りえが、初期の頃に描いていた人物シリーズを再び描いてみようと思い立った理由を問うてみたところ、以下の通り。

 

人物で何が1番描きたいところなのか。

 

この世の約束事やしがらみから一切解放された気分。

一切の制約から解き放たれて真に自由に存在する人ていうか。

そこに他者の視点への意識や遠慮が全く無いし、自己完結して自由に振る舞ってるという。

 

だからといって仙人のような境地ではなく、気持ち良いならとことん気持ちよく、快楽にも肯定して自分の存在を楽しんでいるというか、そんな感じです。

 

たまたま今回は女性像だけど、男性像描いてる時もそこは変わらないと思います。

 

そういう意味では一種の自画像、なりたい自分なのかも知れません。

山田りえ

 

濃密な命の気配に満ちた薔薇や百合の絵もまた自画像であり、山田りえのエネルギーの発露として見事だが、この度の赤い異空間に浮かぶ白薔薇姫のエクスタシー感は半端ない迫力。

 

男が描く女性像とも女が描く女性像ともちょっと違うージェンダーレスな存在を象徴したものとみた。

 

あなたはどうみる?

 

むらまつちひろ個展 『Shangri-La』

2023.5.1(月)〜6日(土)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

モダンアートプロデュース

 

むらまつちひろさんの当画廊での初個展。

1995年 新潟生まれ

2018年 女子美術大学洋画専攻卒

 

卒業前後からモダンアートプロデュース豊島氏の企画でグループ展に参加、当画廊でも夏冬のGINZA MOGA展で発表を続けている。

 

個展ならではの意欲作18点を揃えた今展に寄せた作家のコメントからご紹介を。

 

生きた証を残すために絵を描いています。

人間が生まれながらに与えられた試練やしがらみ、そして必ず終わりがあるからこその命の煌めきを絵画を通して表現できればと思います。

 

初日にはモデルをつとめてくださった方を含めて賑やかに華やかにお客様をお迎えした。

 

  1. lx

千田玲子・横尾英子二人展 ー時を紡ぐー

2023.4.3(月)〜13(木)12:00〜19:00

最終日〜17:00

 

陶芸の千田玲子と日本画の横尾英子の二人展。二人は都立富士高の同期生なのだが、卒業後千田は日本女子大学、横尾は東京藝術大学と別々の道に。

 

長い時を経てそれぞれキャリアを積んた二人が、富士高百周年のイベントで再異ンルでのコラボを企てた。

本展は、来年、京王プラザロビーラウンジで計画されている大作展覧会の前哨戦にあたり、様々な展示プランを試す場となっている。

 

銀座一丁目の当画廊は並木通りとさくら通りの角にあり、今まさに残花のソメイヨシノと開花を待つ八重桜が仲良く並んでいるが、画廊内は横尾英子の描く夜桜が昼から満開。

 

その濃密な宇宙に、千田玲子の焼成した隕石のようなオブジェが浮かぶという構図だ。

 

長い時を経て再会した二人の紡いだ世界を是非ご覧いただきたい。

 

中島楓花・綾美 親子展  庭を織る

2023.3.20(月)〜26(日)
12:00〜19:00  最終日〜17:00

武蔵野美術大学日本画科卒の中島綾美さんが書家の母・楓花さんと初のコラボ展を開催する。

中島楓花さんは書道研究会・玄遊会に所属する師範。創玄展や毎日女流書展などの受賞歴をもつ他、地元の日本酒の銘柄を揮毫するなど書を通して地域に親しまれている方と聞く。
一方、制作発表を続ける楓花さんのもとで感受性豊かに育った綾美さんは、独特の世界観をもつ日本画を描く画家となり、
初めての親子合作に挑戦する事となった。

古来の画讃のようでもなく、親子ならではの信頼と愛情が往復する画面は、それぞれの世界を美しく荘厳している。

絵が先行する作品と、書が先の作品の機微を楽しみつつ、充実したソロ作品群も。

春の陽だまりにふさわしい豊かな空間を是非是非、味わいに。

第8回 つぬけの会展

2023.3.13(月)〜19日(日)
12:00〜19:00  最終日〜17:00

釣り好きで、東京芸大出身の5作家の作品展。

つぬけー釣り用語で、釣果を数えるのに1〜9までは「ひとつ」〜「ここのつ」と「つ」がつくが、10になると「つ」がつかなくなることから10匹目を「つぬけ」と呼び大漁をさす。

8回めを迎える今展、コロナ渦中も休まず粛々と歩を進め、つぬけまであと一歩となった。
卒業年度も専攻学部も違う5人のメンバーは釣りで親交を深め、制作の傍ら美術予備校のカリスマとして後進を芸大に送り込んできた仲間でもある。

マイペースでそれぞれの道を歩む面々による年に一度の祭りがいよいよ開幕した。
小山松 隆 洋画
川畑 毅 日本画
小林正誠 洋画
鈴木よしひろ イラスト
宮地睦明 日本画

旅する着物展 ー春ver.

2023.3.3(金)〜9(木)
12:00〜19:00  最終日は17:00まで

もはや恒例と言っても差し支えない旅するシリーズ。何の旅かというと、着物が染め織られ、あるいは織り染められて仕立てられ、着られて箪笥にしまわれた後、解かれ熨されて服となり街を闊歩するまでの「またたび」ものなのである。

作者は、世界に冠たる日本の染織技術とそれを育んだ伝統に目を啓かれ、その素晴らしい宝物を箪笥から取り出したい、と強く念じてこの道を選んだ。

その熱意は、パリコレなにするものぞの勢いのまま今回も。春ver.だけに一枚仕立てのひげ紬のスプリングコートが絶品だが、その他にも絞りの紬に江戸小紋のリバーシブルコートや、結城紬のコートの裏が五十三次の型染め羽裏だったり、遊び心満載の贅沢仕様。

さらに今回はサンキュー価格と称して大島紬のコートやパンツスーツがアトリエ価格で提供されるーまたたびーはまだまだ終わりなき道のりのようだ。
9日まで銀座興行につき、おついでの折には是非。

透陶展   中村那由多 KTDOLL 目黒詔子3人展

2023.2.20(月)〜26(日)
12:00〜19:00 最終日〜17:00

中村那由多とKTDOLLはそれぞれ東京芸大と多摩美大の彫刻科出身の立体作家。
目黒詔子は学習院の経済学部を卒業後、主にライトノベルの表紙イラストで活躍するが、本格的に絵の学び直しをするべく多摩美大日本画に入学したという異色画家。

このトライアングルは、人形ファンの目黒詔子が主導して成立したものだが、昨年審査に入っていた人形コンクールの場で紹介を受けて即断、一年後の展覧会という急展開、今日に至る。

そもそも畑違いの人形コンクール(クラフトアート創作人形展)の審査員に指名されたのも謎の話だが、長谷川裕子や西村亨など彫刻とも人形ともつかないジャンル越えの立体作品を扱っている画廊として、期待されるところがあったらしい。

中村那由多もKTDOLLもマッチョな雰囲気の彫刻科の中で、課題をこなしつつ我が道を貫きとおしてきただけあってラブリーだけではない迫力の作品だ。

目黒詔子が透明水彩で軽やかに壁面を彩るなか、異世界に誘うドールたちが艶然と微笑む。

 


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