秘密の花園ーいい男編

俳句仲間・九里ちゃんのお仕事仲間が、お休み中の画廊にたちよって下さった折の画像を御紹介。
下の岩戸で一杯きこしめしたご一行は、各年代のいい男たち、プラスいい男っぷりでは負けないりえぞー画伯。ご存じ九里ちゃんはテレビのディレクター。その仕事の御縁の方々、渋めのダンディーは菅原章氏・白石健太郎氏とそのパパ正俊氏をお迎えしちょっとうれしい悦子。
菅原氏のお子さんのために、りえぞー画伯が描いた夏猫も添えて。

松谷千夏子展

松谷千夏子展初日- 連休明け一番、五月の薫風を感じさせる松谷千夏子展が今日から。 例年この季節は松谷画伯とともに明ける。季語でいえば、八十八夜、初夏、青嵐、若夏etc.。彼女が幼少の頃を過ごしたカナリア諸島にもこのように爽やかな偏西風が吹いていたのだろう。千の夏と書いて千夏子。彼女が生まれた時、ちょうどお父上は赤道直下にいたのだという。それに因んで付けられた名前と聞き、なるほど、と得心。 その後移り住んだ場所も鎌倉と海に御縁のある場所である。ものこころついて、初めて見た風光は常に海辺であった事が彼女の色感を決定したといっても過言ではないだろう。 どこか物憂い風の中に身をまかせつつ彼女の人物たちは遠く目線を彷徨わせる。等身大を越えて大きく引き延ばされた顔の彼方に、海はその青色をわずかにのぞかせている。この静けさは一体何だろう。風に揺れる木の葉を見ていると、いつの間にか音が消え、異界に連れ去られてしまいそうになる、そんな漠然とした不安と陶酔。あやふやなその感覚が画伯の絵と一緒にいるとよみがえってくる。 極端に減筆された線と色の中で、「記憶」として留められた残像が立ち上がるような、虚実の境目を彼女は描く。わずかに彩色された作品たちは、見るものの心の中で色を得て生き生きと動きはじめるのだろう。 現実の画廊の中も虚々実々。搬入隊の立野たっちゃんが色付きのドレスに身を包めば、そこはもう怪しい魔窟。現実の女たちは色を失って影と化す。ドイツ出張から帰ったばかりなのに、搬入に呼び出されキャプションまで徹夜で作らされたたっちゃんよ、ありがとう!の気持ちをこめたこの撮影、船頭が結構多くてすんばらすぃ〜画像に。公開できぬ数々は、皆様の中で補ってもらって、と。

中尾画伯最終日ーご家族とともに

熱い男・中尾画伯の展覧会も最終日。最愛の奥様木綿子さんがご子息・寅彦ちゃんとご一緒にご来廊。前にも御紹介したが、実は彼女、辰巳渚というペンネームで「捨てる!技術」という本を書いているベストセラー作家である。モノもオトコも捨てられない悦子としては、なんとか捨てる技術を学びたいもの。
また、茅ヶ崎関連ではご存じ吉田春彦氏とりえぞー画伯も忙しい中駆け付けてくれた。春彦氏のギャラリーで先日までグループ展をしていらした陶芸家の安斎氏のファンの方も。おもしろかったのはその方と安斎氏の話をしていたら、当の本人がいらした事。作品だけで本人とは初対面の彼女は大感激!仕組んでもこうは行かないところが人生の妙。
もみの木画廊の大塚まりこ女史も、悦子と画伯の両方に御縁のあるお方。画伯の次の個展は、彼女のところで9月。また新しい展開をみせてくれることだろう。
明日からは連休で画廊はしばしお休み。皆様いい連休を!!

師匠と表具談義

中尾画伯の表具の師匠・宮坂直樹氏がご来廊。去年の今頃、表具材料店「マスミ」の横尾社長をお訪ねしたおりにここで表具の教室も開設していると知った中尾画伯、早速弟子入り。持ち前の熱心さで、たちまち一本仕上げる腕となった。 ここまで短期間に腕をあげた理由には、今日いらしたお二人が深く関係している。まずは、手に手を取って教えてくれた宮坂師匠の御紹介。武蔵美で講師も勤める傍ら書道家として活躍する熱いお人。今回はアメリカで講座があり、帰って来たばかりというのに駆け付けてくれた。書と表具について熱心に語る二人には35度の泡盛も水同然、まだまだ日本の男も捨てたもんじゃない、と認識を新たにした事だった。 もう一人は、まだうら若いお嬢さん。もう結婚していらっしゃるから奥様なのだが、中尾画伯とよく会っていた頃はほんの小学生だったとかで、その頃に戻ってのご対面。実は先日いらした羽黒洞の品子社長の娘さんの妙子さん。先代の東助社長は名物画商で売った人、その三代目になるのだという。東助社長のもとで厳しい修復の修業に励んでいた頃の思い出話など。 表具は熱い心と細心の手がないと出来るものではない。少しでもいいものを作ろうという色んな人の熱意が絵の周辺を支えているという事を改めて感じさせて頂いた一日だった。

先生とJr.の激励

東京デザイナー学院時代の先生・黒滝淳女史と中尾Jr.崇くんがご来廊。若かりし頃に一気にもどって先生に「中尾君」とよばれつつ、自慢のJr.と久々の語らいを。Jr.くらいの年の頃に先生のご指導を受けていたのだろうか。その時のまま30年過ぎてしまったような不思議な感じにくらくらする。
夕方にかけては、初日にもいらした菅野氏が再登場。木綿子さん友人の松本光代さんも。悦子がこないだ阿佐ヶ谷のランボーというバーでゲットした湯澤君は画廊初体験。来廊暦3年の先輩Web大里氏から画廊での正しい過ごし方のレクチャアを受ける。
さて、みなさん楽しんでいただけただろうか。

羽黒洞・木村品子社長ご来廊

幅広い人脈を誇る中尾画伯、かつては肉筆浮世絵の修復を手掛けていたとのこと。その当時お世話になっていた、湯島の老舗・羽黒洞木村東助の品子社長が駆け付けてくれた。すでに伝説になっている画商木村東助氏の厳しい薫陶をうけた画伯、今でも修復のお仕事のプロ。
今展では、自作を表装したが一年あまりでそれが出来るようになったというのも、下地にそういう技があってこその事。
今日は、日本画修行時代の仲間・渡辺氏ご夫妻もご来廊、なつかしい
四方山話に花が咲いた。また昔の仕事仲間・写真家の龍角氏ご夫妻も。奥様の光子さんのお顔、どこかでお見かけしたことがあるなぁと思っていたら、な~んとおとといまで京王の同じフロアでご一緒していた方。
またもや世間は狭い事件、どこでどうつながっているやら。
また茅ヶ崎・ギャラリー俊でのグループ展最終日にこれから出かけるという陶芸家の佐伯守美氏もお迎えし、痛飲放談した初日茅ヶ崎館の夜の顛末を語る。あ~熱い男たち(だけ)の夜はさぞや、、。

作品の正しい鑑賞姿勢ーみそそ版

突然ですが、作品はこのようにリラックスして鑑賞いたしましょう、という悦子画廊版正しい見本を。
是非、という方はこっそり悦子に耳打ちをしてくれれば、画廊の作品世界はあなたのものに。
みそそ画伯はさすがに堂にいったもの、、作品の一部になっておりますな。中尾画伯もよろこぶに違いない秘蔵写真をこっそり。

中尾誠展初日

中尾誠画伯の個展が今日から。おがくずを固めた土台に岩絵の具で着彩する技法で描いた心象の作品13点を御紹介する。
悦子画廊では初めてになる画伯の発表につき、今展ではこれまでの作品から屏風と代表的なモチーフの作品をピックアップさせていただいた。
悦子との御縁は2000年の茅ヶ崎十人展以来。剛直球のお人柄とパワフルな絵に圧倒されつつ、いつかはと思っていたが今回機会を得てなにより。
1955年福岡に生まれ、川崎で育った画伯は東京デザイナー学院卒業後、日展の藤島博文氏に師事し日本画の技法を学ぶ。その後、山あり谷ありの人生行路(簡単過ぎ?)に裏打ちされた独特の絵を描き続けて今に至る。
触発されたという原始絵画の力強い線と形に、圧倒されるほど肯定的な色彩を賦した中尾画伯の世界は他に類をみないもの。
初日の今日は、茅ヶ崎のお仲間・武大人ほか池田美弥子・大野麻子画伯など十人展仲間とその仕掛人、個展終了直後のみそそ画伯、中尾画伯のご友人・菅野昭彦氏、写真家の池尻清氏、そのお友達ジュン・タカノ氏と奥様のマーガレットさん、悦子友達の横川氏など大勢のお客人をお迎えした。
愛妻・辰巳渚女史こと木綿子さんと、私淑している表装師 ・川崎忠彦氏も激励を。

作品集を見る

あずぴ織田画伯高原に帰る。

後半の四日間、一人で画廊の濃~いお客様を迎えたあずぴ画伯。さらにバージョンアップして意欲満々!
最後のお客様を送り出してから、みそそ画伯の待つ京王ギャラリーに来てくれた。今回の仕事は今までの仕事から一歩踏み出したものだけに反応はヒートアップする一方だった模様で、あずぴ画伯の肌からはキラキラ光線がまぶしいほど。
夜は次の仕事の打ち合わせに出かけた画伯、翌日の搬出はみそそ旦那のたっちゃんと二人で。お見送りに画廊に戻った悦子を待ってドクターみっちゃんの待つ高原へ。本当にお疲れさまでした。
最終日の画像は、景気良く健全な夜遊びの夜の画像。この日のテーマは「恋」。何せ心中近松物語観劇の日につき、いつもは貞淑な奥様方が「心中天の網島」の梅川になりきっている。忠兵衛様はいづこと悶える顛末をひとくさり、、、みんなすぐ側にいるのにね。

斉藤典子展初日ートロントより

ニューヨークでは斉藤隆展が、そして東京の我が画廊ではトロント在住の画家・斉藤典子展が今日から。
典子画伯は若く見えるが悦子と同い年の羊、しかもB型。なにか行動パターンがよく似ていて、さすらいの人生を送っている。とはいえ、画伯の方はアカデミック。
成城大で2年まで文化史を学んだ後、青雲の志のもとドイツに雄飛、以来20年近く彼地に。最初の大学ではフィールドワークを中心にした文化史と民俗学を、次のベルリン芸術大学ではアートを学んだのち、画家活動に入る。
シュタイナーやゲーテの色彩論に裏打ちされた彼女の絵画は、深い啓示を含んだ豊かな色味をもつ。ここ数年、「種子」をテーマに植物の生成の印象を描いて来たが、今展ではその種子が風に乗って着地する、その空気まで描きたくなったという。
どこに着地するか、そろそろ半世紀に近いそれぞれの人生にとっても大きなテーマだが、産土の闇から地表にでて、花咲き、実をつけ、また種子にもどり風に飛ばされ着地する、という植物の巡りはまた感興深い。
種の周辺に、大気と水の気配はつきもの。今回は雨後の日だまりのような情景として立ちあらわれて来た。カナダに移住して自然に触れ、植物の力に気付いたという画伯、部屋のなかから外へと彼女の「種子」たちも旅を始めたのだろう。
今日のお客人は、ドイツ時代の彼女を知るVip様、伊藤氏と半澤氏はじめ、画伯友人の由貴子さん、その御紹介の「福光屋」梁井氏など錚々たるメンバー。小河原ちゃんやニューヨークで知り合ったカウンセラーの田中さんもご一緒に。

師匠さまの御登場!

ハンサム樋口画伯の数多い師匠のうち、御大・林信夫画伯と、庭師の師匠・日高志郎氏がご同席に。鎌研時代、最初油画志望だった画伯が日本画で受験しようとおもった時の師匠である林画伯。先般の武大人の親友でもあるので林御大という名を献じたい。
ハンサム樋口画伯をハンサムたらしめているのは、いさぎいい率直さと思うが、これら二大師匠を前にしてもその舌鋒はいささかのひるみも見せない。庭師の師匠によると、彼女の剪定は大胆すぎて恐いほどだとか。え~い、やっちまえ!精神の面目躍如といったところか。
もちろん大きな懐をみせる二大師匠、にこやかに笑いながらいなすところがにくい。いや~悦子もかくあらねば。
昼間っから盛り上がりをみせる画廊には千客万来。池田真弓画伯はママと、多摩美ーズの万里氏はお友達の渡辺氏と御来廊。また文化庁の杉本氏は今日バイトデビューの産賀さんとにこやかに2ショット。
今日特筆すべきは画伯が七里ガ浜高校4期生だったということ。今日いらした鈴木創・くみ夫妻も同期というが、たしかこの間茅ヶ崎で七高話をしたばかり。たしか小水氏も4期といってたよね、、。確認するとやはり同じクラス!縁は異なもの味なもの、とついいいたくなる。
時差で急遽駆け付けてくれた小水氏と酌み交わしながら、どこまでシンクロしていくのやらと一人ごちたことだった。

樋口薫展初日

悦子画廊デビューの樋口薫画伯の展覧会が今日から。
美女がいならぶ画伯ラインナップ中、ハンサム度は一押しの樋口画伯。多摩美大日本画科院卒後、創画会を主な発表の場として、斬新な抽象表現に独自の切り口を見せて来た。たまたま仕事場が近かった事もあり、卒業制作を拝見したが、当時からやや悲壮感がある大胆な構成の絵画は群をぬくパワーをもっていた。
その後、20年近い歳月を経て今回のデビュー。どんな曲折を経たのか、絵は大きく印象を変えていた。DMですでに変化は読み取れたとみえて周辺では話題に。
折にふれ話を聞く中、モノをそのまま描くよりそれを取り巻く周辺の空気を描く事にこだわって来たという言葉が記憶に残った。描けば実体が逃げる「モノ」、そこに迫りたいがために別の方向から激しいアプローチをし続けていたのかもしれない。
しばらく絵筆をとることを中断したのち、画伯は日常の穏やかな抒情を思わせる心象作品の発表をした。不断の激しい葛藤は影を潜め、肩の力のぬけた楽しい作品たちだった。
この間、蘆雪や若沖から多く啓発されたという。長い間封印してきた「モノ」との対峙をしてみようと思ったのが今展かもしれない。抽象と具象の間を行き来することで、「モノ」が見えてきたら幸いだと思う。
幼少の頃からみなれた、鎌倉の八幡宮の蓮池。盛りがすぎた初秋の風光と水面。池の外には雀が、中には金魚がそれとなく戯れている。蓮と白鷺の大作は、片側から差し込む白い光の中で、静謐な時を湛える。特に新涼と題された縦長の一枚は、大胆に施された賦彩に抽象時代の片鱗が伺えて見事。
何が描きたいのか明確なばかりが良い訳ではないが、心のなかに描く必然性があるというのは、次に歩を進める大きな要因だと思う。もがきながらそこを見つめてきた樋口画伯の勇気にまずは敬意を。
祝宴は、ハンサム樋口に倣って、宝塚風ネクタイで。見た目より女百般に通じる画伯、美味しいディップなど手作りで味あわせてくれた。以下、倒錯の画像を。

シーサー君さよなら!

にぎやかだった宮城忍展も今日が最終日。今回も大好評のうちにお婿いりのシーサー君の新しい家族の御紹介を。
箱入り息子のように抱かれて向かう先は、小水家。お家では奥様の和代さんがお待ちかね。花をかざってお迎えしてくれた。名前はラフティラフティと名付けられた。
我がWeb大里氏も今日からは迎えてくれる子が。電気もつけてくれるといいね。
宮城君お兄様の奥様とご親戚・渡辺ご夫妻も今日は車で大事な子のお迎えに。
テラコッタ作家の加茂ちゃんも新婚なら、コバッチ夫妻は超新婚。いいもん!悦子には牧ちゃんがいるもん!と二人で阿吽のシーサーに。ご利益ありそう~。
最後の滑り込みで龍進君も。このお方も二年越しのラブコールがやっと叶って最後のラブリーちゃん達を。いっぱい可愛がってね!
という訳でめでたく完売御礼!あとはご注文になるが、なんくるないさぁ宮城君がんばれ~!

森田晴樹展で展覧会初め

ゆるゆると冬眠から覚め、仕事初めはご挨拶回りから。秋田からは、マドンナ友子女史がはやばやのご登場。しゃきしゃきしゃんしゃんと襷掛けがよく似合う彼女に、年賀状のチェックなど初お手伝いをお願いしたりしつつ、秋田美人友の会の新年会など。
このところ毎年新年は「四士会」の濃い面々のお仕事の御紹介に努めてきた。そのメンバーのお一人、森田晴樹画伯は三浦幸子ケニアッタ画伯の盟友でもある。墨という共有する画材で、それぞれの世界の深化を計るという興味深い二人展も二回ほど。
そのつど、森田画伯の墨は魅惑を加え、白と黒との間にある振幅の美しさを見せてくれた。今回はその4、5年の仕事を改めて検証すべく企画したもの。
初日は新年会かたがたのメンバーでごゆるりと一献。秋田名物いぶりがっことケニアッタ三浦画伯ご恵贈の陸奥男山の取り合わせがまた絶妙な一夜となった。いもきん小黒夫妻の手作りおせちもすんばらすぃ~美味しさ!スーパーりこちゃんもトシくんも大島一平画伯も今年一番のお客さま。テリーと佐名ちゃんご夫妻も大好きな森田画伯のために駆け付けてくれた。また悦子パソコン家庭教師の水内嬢も、お友達の榎本嬢と共に。このお二人は武蔵美の油画科の通信でお絵描き仲間とか。水内嬢の今日の衣装はご存じ二宮一朗クンの奥様にぃちゃん手製のお洋服で。銀子も来たと思えば、俳句仲間のイサカアヤちゃんとジュンちゃんも。有り難い方たちの早々のお出ましに心から感謝!
皆様の応援を受けて勇気百倍の悦子。さぁ~今年もがんばろうっと!

 

直野画伯展&今年展最終日!!

今年最後の展覧会、直野恵子展が無事終了!!!!!
あぁこれで休める~、という訳ではないのだが、ひとまず怒濤の日々
から解放。あとはなんとかなるだろう。
昨晩、直野画伯と寿司屋でしみじみ物語。精一杯頑張った感慨と、それでもやりたりなかった悔しさを聞きながら、こちらも疲労困憊のためか感慨無量のためか、つい涙が…。
いや、今年も濃かった!いやいや、年々濃くなる感じが?もうだめかも、と思う度に画伯たちの絵が元気をくれた。疲れてると、お客さまたちが手伝ってくれた。本当に有り難い事と思う。この世知辛い世の中にこんな風になんとかやってこれたのは奇跡に近いことだ。
もちろん、一杯迷惑もかけていることと思う。目の大きいザルのように、なんだか抜け落ちてしまう記憶とお金を拾い集めつつ、一年に30回の展覧会。外の展覧会が4回。悦子は年中でも画伯たちには年に一回の展覧会だから、一回一回が真剣勝負。この緊張感の中、画伯たちと伴走していくスリルとサスペンスは、何回やってもなれる事はない。
うまく行く事もいかない事も毎年違う。怒濤の上に怒濤が重なり、白亜期だのジュラ期だの、の層が出来るはめになるのだが、それはこれから大晦日までの間に。あら、思い出しちゃった!やんなきゃ。
それはさて、最終日の今日も直野画伯はよく働いた。同級生の伊藤さんとカメラマンの清水さんの他、現代詩の詩人・小林弘明さんも。詩が好きな直野画伯の絵に素敵な展評を。最終駆け込みの高崎君は搬出のお手伝いまで。
さぁ~、明日は男にあぶれたいい女たちのクリスマス・キリタンポパーティ。もちろん直野画伯もご一緒につき、今日は早めのお帰りで、お疲れさま~。皆様もいいクリスマスを!

直野恵子展ー三度目の挑戦!

直野画伯が女子美卒業まもない頃、悦子が画廊を開いた。何の御縁か忘れたが、よく展覧会を見にきてくれた彼女が、おずおずと「三人展をやりたいんですけど、、」と言い出したのが、開廊三年目だったか。
その「文月展」のメンバーが小林身和子・村越由子・直野恵子各画伯。創画会の勉強会仲間だった彼女たちそれぞれのデビュー戦も引受ける事となったのは、また浅からぬ御縁といえよう。
その直野画伯も三度目の個展。忘れていたが、悦子は「三年は見てあげる」とエラそーなことを言っていたらしい、ひぇ~!。その三年目という事でかなり緊張して作品を描いてきたという。
今回は人物に挑戦。ほとんど下の紙がみえるような薄い描画は、意外に大胆な線の集積である。ためらいとたゆたい、不安と希望が交差するような絵肌は、画伯らしい独特の詩情を伝える。
大作と強烈な個性が居並ぶ創画の会場にあっては、見逃されてしまいそうな繊細な画風だが、この薄描きで結構存在感があるのは、とことん自分の心のなかにあるものにこだわっているからだろう。
「あぁ それでも 私は祈っている」という画題の出品作。イラク戦争のさなかに描いたという。よく見ればかすかに赤い千羽鶴。外界の出来事から触発されて絵を描くことが多いと聞く。それが、彼女の手にかかると薄く織られた羽衣のような印象に。すべての重いもの醜悪なものが、一度濾過され一種悲しみを含んだ抒情に転化していく。
開高健に、戦場で見た散乱した死体の印象は確かに強烈だが、それよりそこに咲いていた名もない花を思い出す、というような一文があった。人は心のひだにいろんな景を隠している。それぞれの情景を、絵描きは絵で映し出していく他ないのだろう。
また「あぁ」という作品のみせるほのかな憂鬱。画面にはそれと判らぬよう「あ」の字が隠され、静かな佇まいの内側の叫びを象徴する。つたなさのなかに、このように豊かな情感を感じさせるお年頃になったか、と思うと悦子的には感無量。
迷い迷いしているうちに、本当の道にたどりつくこともよくある話。がむしゃらに、直野画伯一流の変な集中力を発揮して、そこを捜していくことだろう。まずは三年目クリア御慶。
画像はすっぺしゃるイイ男たちとご一緒の画伯。よかったね。

武井好之展ー島紀行/また新たな旅のはじまり

武井画伯の島紀行ー長い旅路の航海おえて…。思えばセスナのお話からはじまった旅。沖縄に行く前から、すでに旅のお人となっていた画伯の心入れにまずは感謝を。
道中のくさぐさは、本展の画帖に描きとめられた色々な風物に象徴されているが、楽しい発見に満ちたものだった。その新しい発見が、かつて心を留めていた様々なものにつながっていくー画伯が沖縄の「おもろそうし」という古謡を感興深く読んでいたことは知っていたが、会期中若い頃読んだという柳田國男を読み直し、再発見するものがあったという一事は、この旅の意味をさらに深くしたように思う。
風景のみならず、そこに生きる人間の気配やものの有り様までも筆触のうちに捉えようとする画伯の試み、それはあくまでもさりげないものであり、もっといえば密やかな匂いのするものである。
沖縄の風光といった時、激しい色彩と光がイメージされるかもしれないが、画伯は光きらめく昼ばかりでなく漆黒の闇濃い夜にも同じように感応する。その落差の中にこそ彼の求める着地点はあるのではないか、と。
思えば今回は、上空からその着地点を捜す旅だったかもしれない。偶然といえばいえるような「島」との出会いだが、胸中に何かを志向していなければ遇えるものではない。次は宮古か、石垣か、八重山歌謡の歌垣も加えて、また未知なるものへと画伯の旅はつづく。
今日の便で、沖縄からいらした牧ちゃんの叔母さまと、麻里伊のお店でゲットした首里の兼城卓也氏など、いらして下さったうちな~の方の画像で最終日のしめくくりを。

武井好之展ー島紀行/にぃにぃーず?

沖縄は石垣島に住んでいた過去を持つ中尾画伯。島の名人直伝の腕を先日ご披露目下さったが、武画伯も人優れてリズム感の良いお方。早速即興でつまびくと、もうさまになっている。今日はもう一人、音感のいいみそそ画伯がチャレンジ。調音する様子はすでにプロ。これでにぃねぇーずの結成も可か?と沖縄の美術界のみならず音楽界にも色気を。
さすが、師走の風が身にしみる今晩は、諏訪から訪れたアズピ画伯とWEb大里氏とともに、たらちりでおいちい生活。白子の季節に何時の間にやらなっていたのね。すっかり南風に吹かれて忘れていたかも。
画郎には、画伯の高校時代の恩師・野地先生ご夫妻が。古文漢文もよく出来たという画伯、野地先生の薫陶で短歌作歌の日々もあったらしい。このところ、違う歌合戦はしてるがいずれ本格の歌会でもお手合わせ願いたいところ。

武井好之展ー島紀行/紳士はお甘いのがお好き?

府中美術館館長の本江氏御来廊、初対面の武画伯の画帖がいたくお気に召したらしい。沖縄にはまだ御縁がないというが、ハブにさえ会わなければと、興味しんしん。美と食は通じるといって、かつて東京近代美術館学芸課長時代には、新人が入ってくるとまずおいしいものを食べに連れていったという。意外や甘もの通でもある氏のお勧めは一聴の価値あり。今日は武画伯お母さまご恵贈の精養軒アーモンドビットを堪能せられた。
続いて登場の武田州左画伯は、故御母堂が晩年愛好したという、餅吉のおかきを懐かしそうに。くしくも同席の多摩美同級生・山田宴三画伯
と久々の四方山話など。
先般個展終了したばかりのムラコ画伯も、まだ疲れの取れやらぬ身体で駆け付けてくれた。湘南チームの若手として参加が決まったばかりの身、ここはやはり長老に表敬か。
夜の部は、潺画廊さんの作家仲間の彫刻家高須賀氏、芸大後輩西野正望氏、出張帰りのいなさんなど男っぽい方々の御来廊。泡盛を汲みつつ、日本と芸術の未来を語る熱い夜となった。
悦子は、そんなお熱いのがお好きな紳士方のお話を片方の耳で聞きながら、パソの御勉強。う~目がかすむ~。小学校のパソの先生をしている水内嬢、小学生よりじっとしていない悦子をパソの前においとくのに一苦労。すまんですゥ。

武井好之展ー島紀行/なんくるないさぁ~

疾風怒濤の初日兼忘年会の様子は画像でも推し量れるだろうが、その後武大人セイヤ大人を引き連れて朝まで歌いつづけた悦子ってホントに画商?
悦子画廊で個展をなさった画伯たちはよくご存じだが、画伯たちは展覧会初日がゴールだと思って、渾身の力で駆け込んでくる。これで徹夜も最後だという安心もつかの間、その初日からまた怒濤の日々が始まるのである。
今日は枕を高くして眠れるという最良の日、またもおやっちまう徹夜。その日沖縄にかえるセイヤ大人と、名残を惜しむ武大人の愛の交換歌合戦ーしかと悦子が立ち会わせていただいた。
登る朝日に目をしばたたかせながら帰る道のりは遠かったけれど、ほどんど同年の私たち、意外と若いかも、、。
初日、大変な人で絵が見れなかったとまた来てくれた、がぼやんこと渡辺薫画伯はじめ、武井画伯お母さま(80才)とそのお友達石川とよさん(81才)のお元気パワー全開の方々に励まされつつ。 武井画伯のお母さまはさすが武大人を初め男三兄弟を育て上げた方だけに素晴らしく明るい!ラテンの血はどうやらこの方がルーツ?お母さまのようになんくるないさぁ~、と笑って生きたいもの。
また夕方きてくれた柴田由美子ちゃん画伯と名古屋から来てくれたラテン男・サンバ牧くんを引き込んで若者パワーももらう。最年少画家の由美子ちゃん画伯、なんだか沖縄の子みたいでどうも他人と思えない。
今日はラテンな人々の御紹介を。
武井好之展ー島紀行VI
武井好之展ー島紀行Ⅲ
武井好之展ー島紀行Ⅲ


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