宮城忍琉球獅子展

三月はなんだか沖縄月間というような様相を呈している画廊。28日には沖縄から宮城忍君が二年ぶりにご上京の運びに。

絵や彫刻にも果敢に挑戦し続けている宮城君の今年の作品は、web大里氏の手によってUPされているのでご覧あれ。昨年の沖縄旅行の折に宮城君のアトリエも訪ねている大里氏は、360度回る画像も作ってくれたりと、宮城君の潜在能力にエールを送ってくれている。
初日の今日は、開廊前に黒川氏をお迎えしシーサー談義。氏は同じ宮城でも、忍君の先輩格の光男氏のシーサーを持っているという。いわゆる漆喰シーサー界の表宮城といわれている方である。我等の裏宮城は、その度はずれた間抜けたシーサーの顔にファン(特に男の)が多い。黒川氏はさすが世界美術全集の編集長だったお方だけに、一番強そうな一頭(匹?)を御指名。裏口を守るという任務を与えた。
また、いつも楽しみにしてくれている渡邉夫妻も。定年の記念にする!といってご主人が気に入ったシーサーの前を離れないのもうれしいこと。沖縄からは沖縄芸大で日本画を教ている同級生の香川君が来てくれてなにより。前日、大小19個の段ボールと新聞紙に埋もれていたことも今は昔。白鳥は水面下をみせない、いやみせられない、、、。

 

美ら島展の後にはシーサーが

今回の美(ちゅ)ら島展に参加していただいた画伯たちの中で、まだ悦部屋に登場いただいていなかった清水操画伯の御紹介。画伯の島通いは十数年に及ぶ筋金入り、院展で長年沖縄の海を描く作品群を発表している。その色の美しさに魅せられて是非今展にとお願いしたいきさつと地元の方達に見て頂きたいと承知していただいた事は九月にも書いた。
バーバーナイルを描いた「時の扉」という作品がそのご家族の手もとに納まった事はもちろん、大城先生をしてこの絵からは唄が聞こえるといわしめた「島唄」など、深くその地に身を寄せた人しか表せない作品たちが地元の方々の心に届いたことをうれしく思う。今日は誰も南の島々を描く人のいなかった頃、海の底の色を出そうと試行錯誤した話など。
最近沖縄に行ったばかりという、森氏夫妻も今日は一人娘のまつりちゃんとご来廊。森氏は大城先生ご来廊時に、島唄を先生に御披露した勇気ある御人。久々ご登場のりこちゃんとともに。
そして、搬出の時間には麒麟画伯が。よくこの長い旅に付き合ってくれた、と画伯たちに心からの感謝を。種が風にのって海をこえるように、島の海に落とした一滴の水が東京湾に届くように、旅から何かが始まれば幸いである。

 

島歌唄者の女神ー 初日の画廊に降臨

去年九月に沖縄で開催した「美ら島を描く展」の里帰り展。思えば台風で荷が届かず、やきもきした事も今は昔。最終日三日前に届き、モデルの大城美佐子先生にも十分くらいしかお見せできなかった、武井好之画伯の「大城美佐子像・海、地」の二点もようやく陽の目をみることに。
この度の「美ら島を描く展」に先駆けて一昨年の暮れに画廊で開催した武井好之画伯の「島紀行展」以来、画伯たちのお供で何度となく沖縄を訪れた。
「美(ちゅ)ら島」と発音する時、沖縄の美しい海や空とともに出会った人の顔が浮かぶ。市場や深夜の酒場で出会ったおじいやおばあたちは人生を楽しむ達人というべき人たちだ。「この島の生気を描く展覧会がしたい!」と思った時から、違う気候や歴史を持ち独特の文化を育ててきた地への途方もないアプローチが始まった。
山ほど宿題をかかえたまま走りだした今展に、惜しみなく力添えをしてくれたのもまたウチナーの方々である。合宿所兼案内役をかって出てくれたセイヤ氏の他、地元にいる親戚・友達を総動員してくれた牧ちゃんネーネー、モデルを引き受けて下さったばかりか、お店のお客様まで 会場に案内してくれた大城美佐子先生に、改めて御礼もうしあげる次第である。
ともすれば一方通行の展覧会になりがちな中に、少しでも画伯たちの感じた「美ら島」が島の人たちに届いたとしたならば、望外の幸せというものでろう。身の丈を忘れての旅がもたらしてくれた得難い人々との出会いを宝として、また励まずばなるまい。
今回はさらに島唄の唄者として、神様とも称される大城美佐子先生を画廊にお迎えすることが出来た。しかも在京のお弟子さん船橋氏が三線を抱えてきて下さったので、コンサートでもお店でも聞けないマイクなしの島唄を聞く、夢のような一夜となった。東奔西走のなか、わざわざこのためにだけ来て下さったという。「いこうね~」と軽くおっしゃったそのままに、いつ始まったともいつ終わったともわからぬ子守唄のような至福の時間だった。この夜、先生の唄と泡盛に酔って魂を落とした幸せな男が何人いただろう。女神の由縁である。

半歌仙ーひろがる七味

 

以下、少々長いが曜・佐々木八感宗匠に捌きをお願いして巻いた半歌仙の記録を。また助っ人に俳句仲間のさくら、馬入。飛び入りにWeb大里氏も。
半歌仙 「ひろがる 七味」 佐々木八感捌
春寒の椀にひろがる七味かな 柴田遠見
あたたかき日を待ちて談笑す 柳田馬入
融雪のなかふきのとうあくびして 和田知典
携帯電話震えだすなり 吉野さくら
宝石の如く輝く三日月夜 北田幸恵
まぶた閉じればこおろぎの声  矢島史織
見上げれば雲ひとつなき秋の晴 幸恵
常より長く感ずる時間 手塚葉子
夏の海桜貝ひろう肌やきつ 大里友輝
アイポッドからボサノバのうた 大里俊博やきついた双眼の色君の声 田沼 �
積もりては舞う枯葉のなかに さくら
澪の筋きらきらと秋の月 永田麻子
しのび足親とのバトルさけるなり 葉子
尾を高々と恋猫のくる 遠見
散りてなお紅ほのかなる花の山 尾高佳代
古き鞦韆(ぶらんこ)ゆるりゆるりと 佐々木八感
はてさて、名残の半歌仙はいつ卷け

るやら、、。風雅の道は遠いのぉ。八感宗匠ありがとうございました!

 

連画と連句の饗宴ー最終日

先日までは女性メンバーの御紹介だったが、最終日の今日は七味の営業部長和田画伯と、群馬から御上京の男っぽい大里画伯を迎え、一気の辛さが増した。
女性陣もスィート派ありビター派あり、色んな味の七味だったが、それぞれの違いを認めた上でのバトルであり、コラボレーションだった。一回展での反省をふまえ、個展の連なりのようなグループ展ではなく、グループでやる意味のある展覧会をと、考えぬいた末に連画という方法に辿り着いたという。
絵を描く環境が同一ではなかったため、本展と同会期で大学院二年の終了制作展をギャラリーナビスで開いた手塚画伯・矢島画伯・田沼画伯の三人は大作も同時進行した。また卒業した北田画伯・和田画伯・尾高画伯・大里画伯・永田画伯も慣れぬ社会人生活のなかで、必死に絵を描いていく環境を作り上げようと努力している。
そんな彼等が絵の連作という形を取ってそれぞれの個性を際立たせた今回の試みは、多くの人の関心をそそった。悦子に限れば、連画をやるなら連句の初歩を是非一度彼等に、とおせっかいを。てなワケで最終日の打ち上げは、真剣な苦吟の場に、、。とんだ老婆心だったかな?

メンバー紹介

学部卒業時に七人で始めた第一回展は、卒制展の意味もあり世田谷美術館の区民ギャラリーで。今回は一人加えて、社会人になったメンバー五人と大学院二年のメンバー三人の八人。

お母さんのお年が悦子と一緒というお年頃の方たちに、新鮮な息吹を感じるのもお年頃?
詳しい展覧会の日々は最終日に一挙掲載の予定につき、今日は若いタイプの違う美人の画伯たちの画像で許してね。

 

七味展始まるー七日より

沖縄での仕事を終えて画廊にたどりつくと、昨日七日から始まっている「七味展」のメンバーがもうすっかり画廊になじんで迎えてくれた。
実は八人いる「七味」。色々な個性が渾然一体となりつつ、前の絵のイメージを次々と自分味に展開していく。もともと連歌という座の文芸から触発されたもので、前の人の五七五の次の人が七七をつけて連綿と続く歌とするように、絵を描き連ねて一つの展覧会にしようと志したもの。
多摩美院二年在学の三人と社会人となったその同級生五人が10号二点ずつ16点で構成する「連画」ー趣旨はバーチャル画像でご覧あれ。今日はメンバーの御紹介から。

沖縄速報ー美崎光邦展

「めくるめく!怒濤!!」の沖縄展ようやく終了。南京豆の畑が広がる八街の窯で、まだ見ぬ沖縄を思い作ったコバルトブルーや赤や黄のガラス釉。今までの美崎氏のイメージを一新する作品たちだ。
迎えてくれたのは、今回の会場・リウボウ美術サロンの高田氏はじめ、うるわしの三人姉妹ともいうべきスタッフの小橋川嬢・松茂良嬢・末吉嬢。このメンバーを加え、大城美佐子先生のお店「島思い」で初日から濃い歓迎会となった。その後、感激のまま一週間過ごすこととなった美崎氏、途中からなにを見ても涙が止まらなくなった。この時期にしては生憎の天気だったが、その雨もよいの雲すら美しいと眺めて飽きない様子。
どうやら、知的な構築で支えてきた制作から熱い情動から湧き起こる意欲へと、モチベーションの大転換が起きつつあるらしい。
合宿所と化したセイヤ宅で、購ったカラカラを自慢しつつ早速泡盛の試し飲み。次に来る時には美崎流カラカラと杯が出来てるに違いない。今回の旅で得た感興が、発酵して作品に染み出してくる日が待たれることである。
ところで当地では三月三日の桃の節句より盛り上がる四日のサンシンの日。朝から夜までラジオで中継する舞台に大城先生も出演するというので、夜読谷まで聞きに行く。お店とはまた違う先生の迫力ある歌声に背筋が伸びる思い。15日から画廊で始まる「美ら島を描く展」初日にはわざわざ上京していただけるとか。まずはご報告。

古市正彦展最終日

大学院卒業から五年目、精力的に各種展覧会やグループ展に出品して来た古市画伯だが、銀座での個展は初めて。そのういういしい緊張感につつまれた画廊内は清々しいほど。
最終日の今日は、その初めから応援してくれたご家族の皆様が揃ってご来廊。母方のおばぁちゃまも、寒さをものともせず88才のお元気なお姿をみせてくれた。小さい頃から象が好きで、絵を初めてからは近所の野毛山動物園によくスケッチにいったという。象のダイナミックな形態に惹かれたのかと思っていたら、疲れていそうで可哀そうだったと思いがけない答えが。もちろんアフリカやインドにいる状態の象は見た事がないからなんともいえないが、象の皮膚の具合をみて動物園にいる姿が幸せなものとは思えなかったのだろう。
学生時代から、何度も描いているモチーフだから、余程心にかかるものがあるのだろう。一緒に悲しみながら滅びながらその先にあるものまで描きたいという愛に似た意欲を感じた。その象の肌にも通じる静物たちもまた。その「もの」に対する執着とも熱狂ともいえるような思いを、溺れずに冷静に描き進めることの出来る人である。いずれ好適なモチーフを得た時に、この特性は花開くだろうと楽しみ。
今日は学生時代の同級生たちが最後に勢揃い。特に富士山に一緒に登ったという小島君と竹内君とは今も仲良しとか。搬出もみんなで手伝ってくれ、打ち上げの会へ。画家への道を一歩踏み出した画伯の顔は次の構想へ向かって輝いていた。健闘を祈るや切。
悦子は明日から、沖縄で美崎光邦展。どんな道中になるやら、、。乞うご期待!ひと足さきにうりずんの風に吹かれてくるさぁ~。

軸装展富山巡回ーつかのまの珍道中

昨夜11時池袋発の夜行バスで富山に向かう。雪の黒部をうつらうつら揺られて過ごし、まだ暗い富山駅で、堀氏の出迎えを受ける。
休む間もなく堀氏の毛皮に覆われた流星号に乗り込み、いざ新湊の魚市場へ。もう競りはおわっている時間だったが、底引きの船がそろそろ戻ってくると聞いた立山画廊主が、二階の食堂で待つという。地元の魚市場の食堂!つい展覧会だという事を忘れ、かにみそ熱燗コース。時間はまだ七時というのに、、それとも夜が長いの?
思惑通り、船が帰ってくると地魚満載。昨日まで風で船が出なかったというから、つくづく運がいい。かくして雨晴海岸に蛸が上がる仕儀になった訳である。ちなみに二本欠けているのは悦子が味見したため。そののち生のあばれる蛸を塩でマッサージ、立山画廊主ご母堂が「みきちゃん、今だが!」とふたを開けた鍋で約十分ご入浴のほかほかのムチムチを一気にいただくムサボリビッチ・タコスキーたち、、。その他生バイ貝、ソイ、メバチと日本海の海の幸が。あ~ほんとに何しにきたの~。仕事よ!仕事!武さん箱書きは~と叫んでも誰も振り向かない。
この上は立山画廊主の心尽くしをとことん有り難くお受けして、近所のなまず温泉へ。朝から込み合うこの温泉、富山はつくづく豊かだなあ、と日頃のあくせくを反省。
もちろん午後は、画廊で旅にでたわが子の姿を目を細めて眺める武井画伯のご相伴。箱書き揮毫の画伯の手もとも危なげなく安心したら、あとはおぼろ。どうも昨日慣れないバスで眠れなかった澤田氏に付き合って爆睡したらしい。林画伯は例によって端然としたものだからいつ寝たのやら。
東京展からはじまった青春カムバック編もどうやらこの珍道中を経て終点へ。わずか12時間の滞在とは思えぬ濃い富山滞在だったが、これが病み付きの起点になるかもと、タコスキーたちを前後左右にみながら思った事だった。

 

古市画伯の留守中ながら

普段はお仕事で大変忙しい画伯。今日も日中はお留守。多摩美で教わった本江氏もご来廊というのに会えないのは残念。というワケで居合わせた悦子俳句仲間の初子さんとのツーショットとなった。
夕方に息せき切って駆け付けた画伯を待って、お疲れの一杯。今晩の銘酒は、茅ヶ崎の春彦さんご恵贈の珍年紹興酒。つまみは大石取り締まられ役ご持参の各種珍味。軸装展が終わったばかりの岸田氏や小学館の黒川氏など論客が揃って、日本の文化についての熱い討論が続く。
夜の部にきた事のない画伯は、目を白黒させながら熱心に耳をかたむけている。コレクターや表具のプロ、美術書の編集者などそれぞれ立場の違う面々が同席して絵について大真面目に語る図など、最近ではあまり見かけなくなった。これをいい刺激としてまた発奮してほしいもの。後ろの若者たちは画伯の一年後輩になる多摩美ーズ。みんながんばれ~!

古市正彦展初日

今回悦子画廊デビューの古市正彦画伯の個展が今日から。古市画伯は1971年横浜生まれ。2000年に多摩美日本画大学院を卒業後、個展やグループ展で発表しつつ、佐藤国際文化育英財団奨学生展や上野の森美術館大賞展などを受賞してきた新鋭。
何かを強く叫ぶのではなく、絵の前に立つ人たちの隣に、そっとたたずむような作品を描きつづけていきたい、と語る画伯。八年ぶりの個展となる今展では身の回りの『こと』や『もの』が、自分のフィルターを通すことで、どんなイメージに広がっていくかくをテーマに描いたという作品19点を発表。仕事をしながら精魂こめて描いた力作である。
予備校の頃からの親友という同級生の竹内君が搬入のお手伝いにきてくれ何くれとなくサポートを。セガで「ムシキング」というゲームの開発をしている彼も日本画出身。パソはもちろんお得意の、しかもB型につき遠慮なく。
開廊前から来て下さった画伯お母上のお友達・土生夫妻や野地練馬之守、京都から八木幾朗画伯などにみていただきまずはいい感触のスタートでなにより。

武井好之展ー茅ヶ崎ギャラリー俊にて

お馴染み茅ヶ崎のプリンス・吉田春彦氏の企画によるギャラリー俊での個展が昨日から始まった武井画伯。今日はその怒濤の日々の慰労と激励のために地元方面のお仲間が集まり、展覧会鑑賞後地魚の名店「赤い魚」で宴席を。
今回は茅ヶ崎を描くと題された通り、一年掛りで茅ヶ崎を丹念に取材した成果を問うもの。ご存じ濱降祭や駅・サザンビーチほか地ビールや三鈴の御菓子など、軽妙なタッチの作品が並ぶ楽しい展覧会。軽やかな錦絵とでもいうべきか、茅ヶ崎らしいあっけらかんとした乾いた風趣が、やや淋しさをともなった残像のように画伯の手によって描かれた。
先般の軸装展に連なるお仕事につき是非ご覧あれ!まずはご報告。

阿部一雅展最終日だがね

阿部画伯の最終日、愛知・旭が丘高校時代の同級生である秋山さんがご来廊。先日までギャラリー巷房で個展をしていたイタリア在住の彫刻家である。また高校も大学も一緒の仲良し・服部画伯もうずら会の合間にお顔を見せてくれ、御同席のいとこさんと三人でリラックス。
また先日ご夫妻で見えられたいとこの土田さんは、搬出を待って作品のお受け取りに。今年は秋に名鉄でも個展を予定している画伯、東京での反応を糧にさらにバージョンアップした展開が待たれるところ。
丹念にほどこした下地に描かれた小動物のミニアチュール的な魅力と、墨絵を思わせる空間把握をどんどん引き出して描いていって欲しいもの。ことに今回は三年ぶりの個展だったので、画伯のいろんなチャレンジが見えたが、次はどの方向に舵を取っていくのか、楽しみな事である。
穏やかな人柄につき、荒振らず淡々と描いていくことのなかで、彼独自の道は定まっていく事とは思うが、東京での個展が一つの契機になってくれれば幸い。
今回「俺たちの旅」のロケ地だった憧れの井の頭公園を朝散策したという阿部画伯、二人のお子のパパになってもまだまだ旅は続く。ふらりいこみゃ~。

愛知芸大の仲間たち

今日から日本橋三越で始まる愛知芸大のグループ展「うずら会」のため上京のメンバーが、朋友阿部画伯のためご来廊。偶然にも会期が重なり、東京での仕事をお互い見る機会を得たのは幸いだった。
また、典子夫人のお父様の御学友たちも、寒さのなかかけつけてくれた。毎回応援して下さる中森氏などの先発隊の画像を取り損ねたので、今日はなにがなんでも。お父様の出身は岐阜と福井の県境。その頃の御学友だからみな家族のようなお仲間。婿殿のハレの展覧会とあって誘い合って来て下さった。
また、右は先日行われた藤原小百合女史の送行会での画像。一緒の方は、あの諏訪敦画伯。アメリカへ美術修業の旅にでる小百合女史の前途を祝して画商仲間とお友達があつまった。家も近所で仲良くしていただけに淋しいが、華麗な美術ディーラーとして凱旋する日を祈って送りだす。がんばれ~小百合ちゃん!!

閑話休題ー名古屋力?の考察

東京にひそかに棲息している名古屋な方々も、味噌とうどんの硬さの話になると、君子豹変して「これだがね」と名古屋力全開に。コメ兵も手羽先の「風来坊」も矢場とんも東京進出を果たしているのに、ソウルフードともいうべき味噌煮込みうどんの「山本屋本店」は何故か姿をみないのは麺の硬さのゆえか。
江戸っ子はもちろん蕎麦好きが多いが、煮込みうどんは溶けるくらい煮込んだぐずぐずうどん。大阪だって讃岐だって、コシがあるっていうくらい。
その点「山本屋本店」のはやわな歯では噛み切れない強度。しかも熱々をふたに取ってさましながら食べるという、名古屋らしい合理的なシステムのため、鍋のふたに穴がない。初めて食べた時にはびっくりしたが以後病みつきに。ちなみに「山本屋総本家」というのもあってこちらはうどんに蕎麦粉が入っているらしいので蕎麦アレルギーの方はご注意。
きしめんは早くゆであげるためにあの薄さになったというから、うどんをあの硬さで出すのも時間を惜しむ合理性故か?いずれ強靭な歯をもち、時間を無駄にしないという人間として有利な特性に恵まれた名古屋の方々の力が、万博を機にまたさらにパワーアップするのは間違いないこと。
お正月に山本屋の洗礼を受けたという大野画伯は、阿部画伯と鳥羽のマナティ話を。またバレンタインのチョコご持参でいらした阿部画伯の教え子・松葉さん、犬山でお父様が老舗の洋食店を経営し、弟さんが三月に栄で若乃花の店「若」をオープンするという矢田裕子画伯など、元気いっぱいの名古屋エンヌたちもお迎えした。もちろんみなさん御国言葉などいっさいもらさず、「どえりゃぁうめぇでぃかんわ」などというのは悦子だけであった。

高崎昇平展と合流

おりしも隣のギャラリー朋さんで個展中の高崎氏が、いただいたお酒を持参してご来廊。7時過ぎれば無礼講とばかりに、両画伯を囲んで各種酒精のお味見の会。
京橋コパンダールさんで個展中の武大人は禁酒中のため香りだけの聞き酒。香道の作法に近い手つきで古酒の度数当てを。
函館の典子さんは、三月から勤め先の新聞社の東京支社に転勤とかでお部屋探しに。文化事業部畑で活躍するだけあって絵に関心が深い典子さん。早速新居用の一枚をゲット。まいど~!
次の日には牧ちゃんが、北海の珍味と南国の珍果カニステルをご持参。一日の時差はあったが、昨日の酒の味を思い出しながら、もくもくとシッタカ貝をホジル。毎日誰かが何か持ってきてくれるありがたさに、阿部画伯も悦子も陶然として日記用の画像を撮り忘れるのが難点。かろうじて理性があるうちにアップしとこうっと

阿部一雅展

愛知万博で盛り上がる、名古屋は長久手の里より御上京の阿部一雅画伯の個展が今日から。
画伯は1962年名古屋生まれ。1985年に愛知県立芸大日本画科を卒業後、院展を含め多くの展覧会に出品しつつ、母校の保存模写研究会に所属して、法隆寺金堂や名古屋城本丸御殿の障壁画の復元模写制作にたずさわってきた。
1993年名古屋のギャラリーあおいで初個展、2001年には悦子画廊でデビュー戦を。実直な目線でとらえた風景図や花卉図が多かった先回とくらべ、らんちう、かえる、かに、などの不思議な存在感を示すものたちを描いた今展は、独自の工夫で獲得したマチエールの効果もあって一歩自分の内側に踏み出した印象。
画家にとって自分のモティーフを見つける事はたやすい事ではない。毎回手探りの連続だと思うが、少しでも近付こうとあがく事が個展の効用なのかもしれない。派手な主張のない作風ながら、今回は阿部画伯の粘り強い目線を感じさせてもらうこととなった。
江戸時代から数寄者に盛んに愛玩されていた、という蘭鋳。実は名古屋の弥富はその一大産地でもある。学校帰りの子供のように、その水槽の前で動かず夢中でスケッチを繰り返したという画伯の執念は、えもいわれぬ存在感のある作品に結実して現前にある。人間が愛玩鑑賞のために作り出した摩訶不思議な生き物を水槽のなかに見つつ、美しさとか醜悪さとかいう思惑を越えて、蘭鋳と一体化した至福の一時があったのではないだろうか。と、思わせてあまりある作品となった。
二児のママでもある奥様の典子ちゃんは、画伯の大学の後輩。名古屋から車で日帰り搬入のお手伝いに来てくれた。このクラスの宴会に悦子もよく呼ばれて行っては餌付けの儀式をして泣かせたものだった。典ちゃんの可愛い名古屋弁も一聴の価値あり。豊橋からは一番列車で朋友の中川氏がご来廊。画廊関係では、ただいまご懐妊中のコバッチ身和子画伯が、ようやく安定期に入ったとかでうれしいお目見え。またさいか屋川崎店のマドンナ永澤嬢も久々の御登場、プリンス樋口画伯のいれたコーヒーを楽しんでいかれた。悦子は鬼の霍乱か、展覧会の合間にうっかり風邪にやられ熱のためやや潤んだ目で初日を迎える事に。げほげほっ。

 

最終日ー富山巡回へ

東京ー富山間の豪雪にも負けず、からっかぜと暖房にも負けず、霧吹きとお皿の水から湿度を得、少しの反りとゆがみをものともせず、東京の会期を終えた軸たち。また南に海豚がいるといえば描き、北にホタルイカが来たといえば描いて来た画伯たちの一年も無事終了。得る事の多いチャレンジだったとまずは祝杯を。
最終日の今日は平塚から武井画伯のお母様のご登場、また茅ヶ崎の叔父さまもいいタイミングで。ニューヨークの吉永女史も帰国の前に、ご来廊。田尾・阿部画伯ご夫妻は、お子さん連れで初めてのお顔見せ。早いもので丁度一才になるという。すっかりママさんぶりの板についた感の阿部画伯。田尾パパも目尻が下がりっぱなしでなにより。
さて富山の立山画廊での会期は16日から。東京からの巡業組は立て込んでいる予定のため、深夜バス日帰りコースになりそうだが、ぶりかにぶりかにと御題目を唱えつつ、雪の日本海に攻め込むつもり。武井画伯は3日から京橋のギャラリーコパンダールさんの個展、19日からギャラリー俊さんでの個展と目白押しのスケジュール。ファイトッ!!

富山マイラブー北日本新聞の取材

富山の北日本新聞の取材があった時に居合わせた方は、奇しくも富山に15年住んですっかり富山ファンとなった友部さん親娘。富山に住む友達に聞いてと、堀画伯描く「富山八景」を見に来てくださった。入念に取材した堀画伯の一幅一幅に、美しい富山の風光を見て喜んで下さった。
北日本新聞の記者の方も丹念に見て、早速友部さん親娘の写真入り記事を配信して下さった。北日本新聞の社宅が茅ヶ崎にあるとかで、武井画伯の描く湘南風景もよくご存じの様子。今月20日から始まる茅ヶ崎・ギャラリー俊での武井画伯個展も見て下さるとのこと、うれしい限り。
その後、友部さんに今展を御紹介下さった片山さんが富山からお母様を伴ってご上京。なんでも新聞を読んで、どうしても見たくなってとの事。富山にも巡回するのに、わざわざ東京にきて下さったお心、本当に有り難い事だった。日にちは前後するが、富山を愛する方々を是非ご紹介いたしたく今日の画像を。


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