板東里佳展覧会ー共鳴する墨色

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2019.11.18(月)〜24(日)

ニューヨークと帯広のアトリエを行き来しつつ、リトグラフと絹本の制作をする板東里佳の2年ぶりの個展。

彫刻家の夫君・板東優氏の住むN.Yに移住し、Art student leagueで石版リトグラフを学んでからはや30余年。リト制作を続けながらの子育ても一段落し、夫君の故郷•帯広に滞在する事が多くなってきた頃、絹本水墨の魅力に取り憑かれた。

もちろん、大理石の版もプレス機もない帯広でのリト制作が難しかったこともあるが、絹地にしなやかに走る墨の美しさに出会いが大きな転換点になったのだろう。

石版にクレヨンで丹念に描き込む技量を持つ里佳さんが、今度は筆を取って墨を磨る。中国の古い茶墨で、白黒が共鳴し合う呼吸を見計らいながら静かに筆を進めるのだという。

今回は襖に少し足りないくらいのサイズを3枚つなげた大作を描いた。仕上がって天井の高い広いスタジオに置いてみたら、絵から龍が立ち上がってきて驚いたのだとか。水や雲を描いていると知らず龍の形に成るのかと、白と黒の魔法を思わずにはいられない。

その大作を含め、野の花やドットを描いた清廉で思索的な作品が画廊を満たしている。見る人その人を映す鏡のような空間になった。静かに湛えられた水をのぞいて自分に会いにいらしたらいかが?かな。

あゆみの会

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2019.11.11(月)〜17(日)
12:00〜19:00  最終日〜17:00

あゆみの会とは故・松尾敏男先生の門下生による日本画の研究発表展である。

鈴木ちか子
辻村和美
中野昌子
柳田晃代
山中隆成

メンバーのなかで中野昌子は女子美大日本画科卒後、他の4人は多摩美大日本画科在学中から松尾敏男先生の薫陶を受けてきた。

所属する院展出品をメインに、本展では主に小品制作の勉強の場としてそれぞれが技量を磨くことを目標としている。

松尾敏男先生の揮毫による「あゆみの会」の額を中心に、大作とはまた違う難しさにチャレンジしたと思われるメンバーの作品が並んでいる。

院展出品の大作のみならず、馥郁とした香りの漂う掌の作品も多く残した松尾先生にならい、今年も5人の挑戦は続く。

夢みる帽子展 ー被る帽子は飾る帽子

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2019.11.4(月・祝)〜10日(日)

黒羽よしゑさんの三年ぶりの個展。
在住する岩手・盛岡はホームスパンの産地。その材料となる羊毛と手紡ぎ・染めのスキルを持つ方々との出会いがフェルトの帽子作家になるきっかけとなったそうだ。

家業の舞台美術制作の激務と子育ての合間、寝る間を惜しんでの制作だったが夢は広がる一方だったという。

今、黒羽さんは色々な軛から解き放たれて、ますます色彩は奔放に、形は自在に、身につける人をも変容させるようなパワーに満ちた作品たちとともに画廊にいる。

北国の人が半年を無彩色の中で過ごすから、色彩感をもたないかといえばそうではない。真っ白に埋め尽くされた大地の中で色を希求し夢想する。
その「夢みる力」ともいうべき黒羽さんのたぐい稀な能力が色とりどりの羊毛に命を吹き込んで、なんとも楽しいワンダーランドを形作っているのだ。

帽子をかぶった人の魅力を引き出し、またまだ知らない自分と出会わせてくれるーそんな黒羽さんの世界に遊びに来ませんか。

LABO 31st 日本画の不自由展 ー私達は不器用なだけー

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2019.10.28(月)〜11月3(日)
12:00〜19:00  最終日〜17:00

越畑喜代美・麒麟・平野俊一

多摩美堀文子教室1984年卒同窓3人によるLABO展は回を重ねる事、31回。
1989年、ベルリンの壁が壊された年に、銀座7丁目のギャラリー篁で旗揚げしたグループ展である。
その後、8丁目のギャラリーいせよしに会場を移し、当画廊とは1998年から今まで20数年の付き合いとなった。

LABOというネーミングの通り、laboratory実験・研究の場として必ず次の仕事へつながるステップを各自が目指してきた事は疑いない。
それぞれ今は百貨店や他画廊でも個展やグループ展を開催するが、まだ未完成なアイデアや構想を自由に発露する場とし、その後錬成を加えて画風を発展させてきたように思う。

日本画の画材や技法は奥深く、自身のテーマに沿って自在に繰るにはなかなか不自由で、だからこそ面白い。
拳を上げることより、まず筆を取って描き続けることを選んできた面々の、31年目の挑戦を是非ご覧いただきたい。

恵 芳子展 / 2019

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2019.10.21(月)〜27(日)
12:00〜19:00  最終日〜17:00

1983東京藝術大学工芸科鋳金専攻卒
1985同大学院中退
その後
1990松原工房にて陶芸をはじめ、グループ展個展などを重ねながら陶芸家としてのキャリアを積み上げてきた方である。

恵 芳子(めぐみ よしこ)が専攻した鋳金といえば金工である。鋳型に溶かした金属を流し込み、研磨して仕上げる技法を大学で学びながら、何故陶芸の道を選んだのか。この間の事情はともかく、彼女の作り出すものは伝統陶芸系の重苦しさがなく、さりとてクラフト系の軽さもない。
極めて自然な筆使いで、その辺の道端に咲いてる草などを軽妙なタッチで描いているのだが、それが実に上質なのだ。

しかも、丹念に皿の裏まで(表以上に!)描き込んであったり、掘り込んであるものだから一枚一枚の存在感が半端ではない。さらに持ってみると土の感触というよりは金属的な軽さに驚く。

このような魅力に加え、お値段もちっとも偉そうではないから人気のほどがわかるというもの。来てくださる皆様が、一つ一つの作品の間を逍遥し自分の手のひらに合うものを選んでいく様はお供する身としてもうれしい限り。

誰のようでもない恵 芳子の陶に是非触れてみて下さいね。

松谷千夏子展 DRAWINGー夏の後ー

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2019.10.14(月)〜20日(日)
12:00〜19:00 最終日は〜17:00

まずは台風19号に被災された方々に心よりのお見舞いを申し上げます。

さて、今週は8年ぶりとなる松谷千夏子の待ちに待った個展。
毎年のグループ展に参加してもらっているので、そんなに間が空いてるとは思っていなかったが、最近は百貨店をメインの個展が多く人気画家として活躍しているのは喜ばしい事。

当画廊で発表し始めた20年前は人物画を描く人もまだそう多くもなく、所属する創画会でも異彩を放つ存在として記憶される。150号のほぼ4番の3が顔という思い切った構図。思い切り見開いた巨大なひとみから涙が一雫というような画面に私は痺れた。
攻めに攻めているようで繊細な画風は今も変わらないが、その頃から描かないように描くー岩絵具を極力減らして線を生かす方向へ舵を切りはじめたように思う。
drawingシリーズとして発表している作品群はこの頃描き始められ、その後実験作に洗練を加えながら、余白の美しい優雅な日本画に昇華されてきた。

今展では、白描に似た乾いた線から一歩進んで、手習を始めた書道からインスパイアされた瑞々しい線への希求が画面から迸り、新たな胎動が感じられる。

女性から圧倒的な支持を受ける松谷千夏子の女性像ー何千枚と描き続けこれからも描き続けるであろうdrawing の線から
立ち上がってくる女性達の姿は何を象徴しているのだろうか。

成島志帆子展ー手紡ぎと織

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2019.10.8(火曜)〜13(日曜)
12:00〜19:00  最終日〜17:00

自分の糸が欲しくて始めた手紡ぎ、
色々な原毛を染めて糸を紡ぐ。
羊にも個性があって楽しい。
そんな糸を使って日常使えるものを織っています。
成島志帆子

成島志帆子さんは30年ほど前、原毛を扱う方と知り合ったのがご縁で、仕事の合間にコツコツ手紡ぎ織を始め今に至る。

原毛を色々に染め、根気よく一巻き300m程の糸を紡ぐ。そしてその糸で今展では大判のストールとマフラーを織り上げてきた。

この道を志してから30年目の初個展である。どんな時も紡ぎ、織る事をやめなかった人の純真さがこれら作品に溢れて優しく肌に添う。

世界中の綿羊を丸裸(!)にして吟味した良質な毛を丁寧に引き出しこの個展に向けて織り上げた作品が、驚くほど安価に提供されているー原始的と言っても良いくらいの手仕事。きっと大事な人に届けたいという思いがこんな美しいものを作り出したのだろう。

森田晴樹日本画展

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2019.9.30(月)〜10.6(日)
12:00〜19:00  最終日は17:00まで

絵のなかに花を咲かせる花咲爺を自認する森田晴樹のコメントより

8月某日、大阪は今日も猛暑日で熱帯夜になるとのこと、もう一ヶ月も続いている。
酷暑の中、熱中症に気をつけてアセモに耐えながら、あと1枚あともう1枚と描いている私。          花咲爺  晴樹

1952年、大阪は寝屋川で育った森田晴樹は長じて京都市立芸術大学の日本画科に
学び、折々にパンリアル運動や美術批評家・吉村貞司の影響を受けながら、独立独歩の道を歩いてきた。

和紙に墨と金泥、わずかな胡粉。これが全てである。臨済宗専門道場の襖絵を描いた時はインドで取材し、菩提樹
などを描いたが、常には花を。

長年の深酒と、筆より重いものは持たぬが四六時中膝を折って絵に屈みこんでいる姿勢の為、数年前に大病をした。
よって遠出はしない。自転車あるで行ける範囲が取材地である。

胡粉は上澄みだけを、墨は濃く磨ってから薄くのばし刷毛は使わない。丸筆による百万遍の運筆。奥様が一週間後に見に行っても何も変わってないように見えたとか。遅筆なのではなく、そのくらい薄墨で重ねないと森田の思う墨色にはならないのだ。

縁あって若書きの作品を見たが、流石に白黒のコントラストが強くギラギラしてきる。怖いくらいの迫力はあるが今のような沁み入る心持ちには遠い。
もう仙人のような風貌だが、また枯れているわけではない。修行僧のように生がある限り筆を動かし続けるー。

今年も個展が開催できたーという奇跡に感謝するばかりである。

言絵絵言II展

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2019.9.23(月・祝)〜29日(日)
12:00〜19:00  最終日〜17:00

(言)                       (画)
江尻  潔          +    黒須 信雄
言水ヘリオ     +    タカユキオバナ
そらし といろ +   本田 和博
田野倉康一      +   駒形 克哉

言葉と絵のコラボレーションの2回展が今日から。
詩人3人と画家3人の総当りのやり取りだった初回の昨年から、ほぼ一年。
この度は、2人ずつ4組のコンビとなってより密接で独創的な展示に。

観音開きの扉と内陣に、山塊の渦巻く神気を油画と祝詞的詩文で描いた黒須・江尻組

活版の活字を拾う行為を無作為に行い、最初に選んだ「語」と最後まで選ばなかった「語」を抽出した言水に対して、鏡で光と影をを演出し「語」に象徴的な意味を付与したオバナのコンセプトワーク

蜜蝋のカラフルな色面にコラージュなど美術史を自在に往来するかのごときアンゲロス駒形の画面には、疾走する詩人・田野倉の放つ言葉の矢がふわりと着地する。

また、絵巻物的摩訶不思議世界を細密に描く本田の画面に、「暁を踏み割っていく」ようにそらしといろはグリーンのボールペンで詩を書き綴っていく。

とこのように不肖・柴田では説明しきれない、達人達ばかりゆえ是非実見を望む次第。

清田悠紀子展

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2019.9.16(月・祝)〜22日(日)
12:00〜19:00   最終日は17:00まで

2016年の個展から3年の歳月が流れ、久々に成長した清田悠紀子の作品を迎え入れた。
清田悠紀子(せいたゆきこ)は1977年新潟生まれ、岩手大学大学院農学研究科修士課程を修了後、武蔵野学園造形芸術科絵画専攻研究課程で油画を学んだのち、母校の講師を勤めながら画家としての歩みを進めてきた人である。
同校の講師仲間であった日本画家・佛淵静子の個展の折にモデルを務めてくれ知り合ったが、聞けば新制作にも出品する気鋭の油画家であり、まもなくみゆき画廊で佛淵との二人展を開催したので、その才を知る機会を得たのである。
2015年に当画廊での初個展。
翌16年の日動画廊昭和会に招待され、栄えあるニューヨーク賞を受賞するなど
着々と才を開花させている。
師譲りの的確な描写に加え、下地を塗らない麻布の余白を生かした人物表現は他に類をみない独創的なもので、線と空間への果敢な挑戦は今なお続いているとみた。
今展では、従来の箔ドットによる人物表現から、箔そのものの平面性と装飾性に一歩踏み込んだ仕事を見せている。
内面を深く覗き込んでいるような清田悠紀子の人物たちに是非会いに来てほしい。

 

アカンサスの会 meets OKINAWA

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2019.9.9(月)〜15日(日)
12:00〜19:00  最終日〜17:00

東京藝大て日本画を学んだ20代から60代までの選抜画家たちが、8月に沖縄・那覇で展覧会を行いました。

今展はその巡回展示となりますが、この展覧会を起点として、沖縄と出会った画家たちが今後どう展開していくのか、楽しみに待たれます。

出品画家
武井好之  押元一敏  金木正子  岩谷俊
神戸勝史  加藤千奈  平良志季

図鑑絵の世界 加藤愛一イラスト展

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2019.9.2(月)〜8(日)

サイエンスイラスト界のカリスマとして知られる加藤愛一は、1981年多摩美大加山又造教室出身。卒業後 創刊間もない科学雑誌「ニュートン社」に専属イラストレーターとして25年勤務し、同社のほぼ科学全域にわたる記事のイラストや、「アニマ(平凡社)」、国立科学博物館のポスターなどを手がけてきた。
2007年に独立してからは小学館・講談社・学研などの図鑑や教科書に、古生物を中心に宇宙・医療・古代生活などあらゆるサイエンスイラストを描いている。

今展は、印刷物でしか見られなかった各作品の詳細をパネル展示し、加藤愛一が40年間に描いた世界を一望するもので、日本のサイエンスイラストの歴史を辿るといっても差し支えなかろう。

画廊としてはJAXA主催のはやぶさ1イラスト展以来のサイエンスシリーズ。ワクワクがとまらない。

絵画と俳句とそのあいだ

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2019.8.23(金)〜31(土)12:00〜19:00
日曜〜18:00   最終日〜17:00

俳句      石丸雄介  進藤剛至  阪西敦子
日本画   石田翔太  三橋 卓

まずは今展のstatementから

ー牡丹画いて絵の具は皿に残りけり
正岡子規
明治の俳人・正岡子規(1867-1902)は実物・実景から発想を得て作品とする「写生」の手法を画家との交流を通して育んだと言われています。子規の作ったその潮流は近代文学に大きな影響を残しました。そして時は現代へと移り、子規が創刊に携わったホトトギスの俳人が画家と邂逅します。本展覧会は日本画家二人と俳人三人の交感による試みです。絵画作品に対して俳人がそれぞれ三句ずつ詠み、画家は帰ってきた句を材料に一作描きます。
それぞれが先行する作品から何を紡ぎ出したのか、どんな余白を残したのか。作家の視線や創作の過程も味わっていただければ嬉しく思います。

絵画と文芸が切り離されて久しい。折にふれこの絆を取り戻すべく文人画や水墨画、書法の研究会、はたまた美術関連の方々との俳句会を閉廊後の画廊で開催している私としては、今展は実にうれしい試みなのである。

3人の俳人の方々は若手ながら、ホトトギスのみならず俳壇で活躍する俊英であり、2人の画家は京都芸術大学日本画科修士課程修了の精鋭。

このチームで俳句と絵画の応酬をした成果が今展で披露される。いわゆる俳画と言われるものとはちょっと違うが、間合いの妙味を味わう見者が是非欲しいところ。絵と言葉で出来た森の中に彷徨にいらしてくださいね。

24日(土)  29日(木)19:00より
佛淵雀羅先生の捌きによる連句の会開催

東京藝術大学OBアカンサスの会 俊英サミット in OKINAWA

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7月30日(火)〜8月5(月)
リウボウ7階美術サロン
沖縄県那覇市久茂地1-1-1

初日、東京藝術大学准教授の押元一敏氏と沖縄芸術大学准教授の香川亮氏に対談という形で、日本画の明日について熱く語っていただいた。

また、夕方からは当地の大御所と出会い沖縄の風土と(食?)文化についての研究も怠りなく行い、着々とこの地への理解を深める画伯たちの様子もご紹介。
ちょうど国内研修で滞在中の内田あぐり先生との楽しいひと時も含めてサミットは続く。

三々五々、取材地へ出かける画伯たちを見送ったあとは後半のイベント・平良志季さんのライブペィンティングを待つばかりとなった。
3日15:00〜17:00   4日13:30〜15:00

父祖の地沖縄への初帰参ーはたして昭和3年から那覇市助役を務めた曽祖父・加さんのご縁に繋がる方へ会えるのか?

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藤森京子展

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2019.7.15(月)〜21日(日)
12:00〜19:00   最終日〜17:00

2015年の個展に続き、二度目の開催になる藤森京子展。
2003年多摩美大工芸科ガラス専攻の卒業生がもう四十路と聞くと驚くばかり。

ガラス専攻にも大きく分けるとホットとコールドがあって、彼女の仕事はコールドの方に分けられる。
ホットワークスは吹きガラスに代表される技法であり、コールドワークスは板ガラスを加工していく技法。切子とかサンドブラストもこちらの方。その中でも彼女が選んだのは板ガラスをカット研磨して、紫外線硬化材で圧着していくもの。

今展では、寒冷紗を着彩したものをガラスに圧着し様々な形に造形した作品をメインに、和紙を縫いこんで立体やオブジェにしたものなど、多彩な表現にチャレンジしてもらった。

蒸し暑いこの季節、藤森京子の考え抜かれたクールな仕事が画廊に一陣の風を呼び込んでくれた。
どうぞ皆さまも涼みにいらしてね。

西村亨人形展ー人形の逆襲

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2019.7.6(土曜)〜13(土曜日)
12:00〜19:00  日曜〜18:00最終日〜17:00

毎年の夏の入り口の風物詩(?)となった西村亨の人形展ー別名裸祭りーが今日から。

西村亨は1985年多摩美大油画科卒。卒業後は日本デザインセンターでイラストレイターとして激務の日々を送ってきた。
だが、斯界にもCGの時代がやって来て手描きにこだわりのあった西村はすっぱり
退社、以後は立体イラストというジャンルを開拓し、彫刻とも人形ともつかないソリッドドールを制作する日々を送っている。

初期作品は、アメリカの60年代に特定したグラフィカルな人物作品が多かったが、次第に素材やテーマに多彩さを加え
ゴージャスで荒唐無稽なセクシー美人を軸に、余人の追随できないワンダーワールドを演出し続けているところ。

さて、今回は制作した作品をモデルにガッシュで描くという名人芸も合わせて楽しめる趣向ーワイルドでセクシーな夏の女神達に是非会いに来て欲しい。

 

 

 

 

 

安住小百合日本画展with Shigeo Hayashi

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2019.6.24(月)〜7.3(水)
12:00〜19:00 日曜〜18:00
最終日〜17:00

2000年から年に一度のペースで当画廊で個展を開催して来た安住小百合。
まだ2人のお嬢さんも手がかかる頃だった。個展の度に一家総出で手伝ってくれたものだが、絵のモデルとなった少女もいつのまにか成長し、今では双方とも立派なワーキングママである。

安住さんは1980年多摩美大加山又造クラスの出身。卒業後は日展に出品して大作を中心の発表だったが、育児と幼児教室の経営のため個展を軸の発表に切り替えた。
営々としたその努力が実り、最近では百貨店での個展を一年おきに挟んでのスケジュールをこなしている。

金箔地や漆の地に絢爛たる花々を描くという日本画の王道を歩むが、そればかりでなく野山を巡って山野草や蝶のスケッチを重ね、画嚢を肥やすのに余念がない。ちなみに今回は万葉集に詠まれた花ベストテンを描いた。第1位はなんと萩の花とか。梅、松を抑えて断トツの多さである。

その安住さんの傍らにいて常にサポートして来たのが、withの茂夫氏。山野草を求めて山に分け入るうちに、とうとう自分も制作に没頭するようになったという。
得意のコンピュータを駆使するものの、実際には大変精緻な手描きの作業とか。

ベテランの安住さんが、筆で紙に描くほうが早いわよ、と余裕で笑うのにこだわりの茂夫氏、コツコツとパソコンの画面の前で一本の線に呻吟する日々を送っている。

今展は違う技法で同じモチーフを描いた2人の自然観、世界観の差を見比べてみるのも楽しい。こういう二人三脚もあるのだなぁと感じ入る展覧会である。

TOKYO Bunjinga 涼風献上文人画展

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2019.6.14(金)〜22(土)12:00〜19:00
日曜〜18:00    最終日〜17:00

文人画が絶滅して久しい。だが、嘗て文人画は文芸における豊かな歴史と絵画における質高い可能性を秘めていた。ならば、学び直してみようと旧知の絵描き連中に呼びかけ、文人画研究会を立ち上げた。まずは、源流を温ね、中国文人画のスタンダードを築いた元末四大家(黄公望、王蒙、倪瓚、呉鎮)に倣うことから始めてみた。その成果がここに揃った。「絶滅危惧絵画」ぐらいにまでなっていれば、涼風も吹こうというもの。
さて・・・夕焼館長・野地耕石

夕焼館長・野地耕石は美術評論家・野地耕一郎氏の俳号。まずは自らが文人となって画家たちを鼓舞してくれたようだ。

初日の今日は、氏を囲んで文人画のレクチャーと画家達が挑んだ倣・元末四大家
扇子の論評が熱く展開された。

挑む画家達は、大学教授(!)も含むキャリア40年のベテラン達。展覧会に当たって野地氏から、宋元・明清・江戸と時代を区切って各時代の文人画を学ぼうと3年越しの計画を伺った。

何せ絶滅危惧種の文人が描く絵が文人画である。文人は詩を詠み、琴を奏で、世を憂い、酒を友と酌み交わしつつ、絵を描くのだ。あまりにも遠い道のりに呆然としつつも、やはり筆を持つ方がたは畏れをしらない。
野地氏の故宮名品・列品解説の講義を受けながら、描きにくい扇子用紙にそれぞれの倣・文人画を描いたのが本展である。

この後、漢詩や自賛用書道の研究会も次々と開かれるとのこと。
文人への道は今、端緒が開いたばかりーこの初心を是非ご覧いただきたい。

金属造形作家 征矢 剛 作品展 2019

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2019.6.7(金)〜13(木)12:00〜19:00
日曜〜18:00    最終日〜17:00

金属造形作家の征矢剛は、1992年多摩美大彫刻科出身。
卒業後、金属人形作家の赤川政由氏に師事し、30歳を機に独立し以後個展やグループ展で発表を続けている。

2017年からは当画廊で毎年個展を開催、カマキリや蜘蛛てんとう虫などの昆虫を鉄で造形し、その内部にアンプやスピーカーを仕込んだユニークな作品を作り続けている。

今年はカミキリムシに見立てたムシに鉄琴を仕込んだ。
音が出る造形としては縦型のレコードプレーヤーやアンプを組み込んだ巨大カマキリ2体が印象的。

また、亡父・清さんが児童書の名編集者として知られた方だっただけに、かつて征矢剛も絵本出版をしている。またその杵柄をとったかのような、「空想」という作品も生まれた。このシリーズが連作で作られたら楽しい冒険を見せてくれるだろう。

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