LABO 36th 平野俊一・越畑喜代美・麒麟

2024.11月4日(月)〜10(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

LABO展が36回目の会期を迎えた。

30回を超えてからもう驚きはしないが、

40回目が視野に入ってくると、このメンバーの淡々とした熱意に敬意を表したい。

 

先ごろ、アトリエのある長野・上田市立美術館で個展を終えたばかりの平野は上田から新幹線で登場。早速、美しい輪郭に切り取られた上田の花々を。

 

可愛いミニ額とともに華麗なる花卉図を携えて麒麟も颯爽と。

 

越畑は最近の心境の深まりを墨作品でしめし、捲りの紙に線と滲みによる実験作を多く携えてきた。

 

百尺竿頭進一歩というところか。

 

バロキスム変幻

2024.10.28(月)〜11月3日(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

ヴィヴィアン佐藤

黒須信雄

小林聡一

谷川渥

徳丸鏡子

中村高朗

衣(はとり)

 

昨年のマニエリズムに続き、今年のテーマはバロック。

年に一度、黒須信雄氏をゲストキュレイターにお招きして重ねてきた企画もかれこれ7年。

美術と言葉を繋ぐ実験展「言絵絵言」の後を受けて昨年から始まった本展は、美術史上の様々な様式を、広く多様な視点から自由に表現しようと企図したもの。

 

美術史家・谷川渥氏も制作者としてコラージュ作品を発表する他、詩人として発表を始めた中村高朗氏など美学美術史の専門家をはじめ、人形作家の衣はとり氏はメドゥーサのオブジェ、初参加の徳丸鏡子氏は緻密な白磁の立体、様々なアートシーンで活躍するヴィヴィアン佐藤氏は紙片をガラス板に封印、バロック古典絵画技法の雄・小林聡一氏は本格の対を、

そして黒須信雄氏はカラヴァッジョの作品から発想した作品をと、バロキズムを様々に発展させた作品を制作している。

 

初日夕刻から開催した谷川渥氏による講演ーメドゥーサとバロックーは後日YouTubeで公開を予定しているので乞うご期待!

 

 

 

 

西村 亨展 「Let It Doll」

2024.10.20(月)〜27(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

2007年から毎年開催の西村亨展。

なんと!18回目となる本展でも首尾一貫してスーパードールたちが大活躍しめいる。

 

130cmの坐像「堕落天使」は薔薇を一輪持って蹲り、画廊正面にその端正な姿を見せている。背後には、卒業以来初めて描いたという油画。この坐像がモデルだ。

 

そして久しぶりの巨大プラモデル系キューベルワーゲン1939版。もちろんクルーも美女たち。いつぞやのメッサーシュミットを思わせる念のいった塗装である。

 

いつも裸祭りと称して酷暑の七月の名物企画だったが、流石に暑すぎて今年は秋に変更ー体調バッチリの西村が渾身(?)のクールさで作り込んだ世界を是非体験あれ。

 

1985年多摩美大院修 鎌倉在住

 

 

 

稀人展 PLUS

2024.10.14(月)〜20(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

この世のものならぬ「まれびと」を招来し、摩訶不思議な世界に遊んでもらおうと企図。

今展では「PLUS」としてさらに強力な布陣で臨み、その世界観を楽しんでいただく。

今展では、2012年惜しまれつつ亡くなった瓜南直子が手がけた童話「ぼっこ」の原画を展示し、独自だった画業と共に物語の世界に寄せた深い心情を振り返る。

 

奥津直道

木村浩之

佐々木英俊

二見勘太

<PLUS>

伴清一郎

瓜南直子

 

 

 

 

源由紀子 日本画展

2024.10.7(月)〜13(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

2年ぶり3回目の源由紀子日本画展。

 

絹本着彩の牡丹図が五幅並ぶ画廊側面は圧巻の赤の花波。正面には白牡丹、反対壁面には変種の百合の大作で構成されている。

 

初個展の時にはカトレア、2回展では椿の赤を同様に五幅で構成した大画面にチャレンジ。同じ赤でも、それぞれの花の特性を踏まえて違う物語を描き分けている。

 

本展では牡丹という大名題に向かって正面から挑み、絹本の艶やかな特性を活かした妖艶な仕上がりとなった。墨と岩黒の地が揺らぎを含んで美しい。

 

1996年 多摩美術大学二部絵画学科日本画科卒。

 


 

 

 

 

 

 

浅見貴子展  ー玉堂を学ぶー

ー玉堂を学ぶー
2024.9.25(水)-10.5(土)
12:00〜19:00 最終日〜17:00

トークイベント
9.28(土) 17:00より
浅見貴子×橋本慎司(栃木県立美術館 副館長 兼 学芸課長)
要予約:etsukogarou@iCloud.com

和紙の裏から墨を滲ませる独特の作風で、日本画のみならず現代美術界にも強烈な存在感を示す浅見貴子。

昨年、浦上玉堂家史編纂委員会より江戸時代の文人画家・浦上玉堂(1745〜1820)晩年の作品「白雲半断図」の模写を通して、玉堂の制作方法を探るよう依頼を受けた。

浅見は実作品に直接当たるほか文献や画集を頼りに、水筆や龍爪筆などの毛筆のほか、現在ではほぼ流通していない筆草の筆・アダンの実の筆など植物系の筆を入手し試してきた。

今展では、模写を通して研究した成果を自作や「試し描き」と共に展示する。

会期後.「水墨の魔術師 浦上玉堂 真の文人画家、ここにあり 岡山県立美術館コレクション〜倉敷大原家伝来受贈作品、関東初公開!」でもレクチャーと展示予定。
2024.10.26〜12.22 栃木県立美術館

黒崎邦敏 作陶展

2024.9.15(月)〜9.22(日)
12:00〜19:00 最終日〜17:00

栃木県益子で向月窯を営む黒崎邦敏の作陶展が今日から。

92歳のチャキチャキ東京っ子のお母様を筆頭に、古希を越えたばかりの作家夫妻の強力チームが、開廊時間前から続々と詰めかけるお客様の対応に息つく暇ない怒涛の初日。

まるで益子の陶器祭りがそのまま引越ししてきたような銀座一丁目だった。

実はコロナ明け、満を持して予定していた昨年の個展の前に自宅が全焼というアクシデントがあり、その後築窯しなおした窯での新作展になる。

画廊いっぱいに展示した作品が、見るまにお客様のお手元に納まり、意気揚々とお帰りになるのを見送りながら、陶芸家冥利に尽きるとはこのことかと長年のご努力を思った次第。

取り急ぎ、残してもらった作品中心にご紹介する。

樋口家三人展

2024.9.9(月)〜14(土)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

樋口広一郎/樋口匡子/樋口研司

 

まずは案内状の文章から

 

埼玉県蓮田市、樋口家に生まれた

長男 広一郎、次女 匡子、次男 研司

三兄弟での展示を開催することとなりました。

それぞれの性格は当然異なり作家性も三人三様の展示をどうぞご高覧ください。

 

そもそものご縁は15年前に次男・研司さんの個展を手掛けたことから。

個展をすると、ご家族一同と懇意になることが多いが、特に樋口家とはその後もご縁が続き、この度はお母様の傘寿のお祝いを兄弟三人展という形ですることとなった次第。

 

蓮田市の名家として知られるご実家に1944年五女として生まれたお母様の暁子さんは、長じて料理研究家となり、その後は蓮田市長を2期勤めて市政に尽力してきた方。その間4人を育て上げ、そのうちの三人が東京藝大日本画院、武蔵野美大デザイン、多摩美大日本画を卒業して絵の世界に。

 

傘寿には、この三人で初めての展覧会をしてお祝いをしようと皆で集まった。

 

故郷・蓮田の心象を水彩で描いた広一郎、自然の有り様を象徴的に切り取ったアクリル画の匡子、現在両親が経営する奄美のゲストハウス「結の家」からみた風景や日常を日本画で描く研司と樋口家子弟三人の色んなバリエーションが画廊を彩っている。

 

全ては傘寿の母の一言から始まった。

これから喜寿、白寿と続く節目に三人の個性がまた花開くよう期待してやまない。

 

#結の家 奄美

 

 

 

八幡幸子日本画展

2024.9.2(月)〜8(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

2020年の個展以来、4年ぶりの登場。

八幡幸子は2003年多摩美大院修の画家だが、その前に東京農業大学で家畜(主に山羊と豚)の飼料の研究をしていたという。また、農大登山部として中国奥地の崑崙山脈やパキスタンのナンガパルバット山など7.000m級の峰々に遠征した経歴をもつ。

異色の経歴がもたらしたモチーフは、馴染み深い豚や世話をした山羊、遠征したベースキャンプで見かけたヤクなど。

これらの動物たちから画想を得て、八幡の楽園図は描かれている。

今展の実物大の豚が、山野を根城に自在にある姿は八幡の目を通した理想境に他ならない。特養ホームに飼われているミニ豚の「さくらちゃん」の目は信頼に満ちてなんともいじらしく、木株に鎮座する猫は夜の世界の帝王のようだ。

八幡は生き物の無垢の命を礼賛し、衒いなくその王国を和紙上に顕現させている、とみた。

香川亮(かがわまこと) 箔画展     沖縄県立芸術大学研究発表

8.26日(月)〜8月31日(土)

12:00〜19:00 最終日17:00

 

沖縄県立芸術大学日本画科の教授として、日本画の箔の研究をした10年間の成果を発表する。

 

当画廊ではコロナ禍中の2020年に「彩墨画」の研究発表をしていたが、それ以来の登場。

 

香川亮は、沖縄県立芸大設立準備の時期に多摩美大日本画科大学院修、草創期の沖縄県芸大・日本画研究室に入り、爾来35年ほどの年月を日本画と版画の研究と指導に当たってきた。

 

先年から教授に就任し、学内と並行して東京の小津和紙ギャラリーさんと当画廊で研究発表をしているが、今展では2012年からコツコツ描きためできた「箔画」の制作を披露している。

 

大学年報に掲載した小論文によると、「箔がもたらす表現可能性について」論述し、実際の制作に基づいた懇切な解説を試みている。また、日本画と工芸での使用の比較、抽象表現としての可能性など幅広く実験してきた様子がさまざまな意匠から汲み取れるようだ。

 

長い教員生活のなかで、日本画のみならず、版画や彩墨画、箔画の研究制作をし、

さらにはドローイングの制作にも着手しているという。

 

一歩ずつ、こうした県外での活動に光が当たり、沖縄の日本画がさらに輝きを増すようご紹介に努めていくつもりだ。

 

高久梓&むらまつちひろ 二人展 ” どきっ!”

2024.8.19(月)〜24(土)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

co モダンアートプロデュース

 

銀座MOGA展に初期から参加している高久梓とむらまつちひろの初めての二人展。

 

ともに女子美大ながら高久は日本画科、むらまつは油画科と専攻は違う。聞けば同年卒で隣の教室で卒制を描いていたとか。高久は卒業時から、むらまつは大学三年の時からグループ展で発表を始めて、お互いを認識したとの事。

 

以来、10年。グループ展や個展で腕を磨いて、若手の人気作家として知られるようになってきた。

 

高久はふんわりと包み込む絵肌に、異素材の螺鈿を切り嵌めした独特の作風。

むらまつは、アートクロスとアクリル絵具により油画からの脱皮を試み、抒情的な表現の中に女性の一瞬の揺らぎを留めようとしている。

 

タイトルの”どきっ!“は、「同期」にもかけてあるが、文字通り絵の中の少女たちが、見る人の心をときめかせる事を願っての命名だろう。

 

残暑の折ではあるが、彼女らの瞳に射抜かれたい方は是非ご高覧を。

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2024.7.29(月)〜8.3(土)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

by modern art produce

 

真夏の恒例となった美人画展、新しいメンバーを加えて今年も賑やかに!

 

かわかみはるか

久遠もも

後藤まどか

近藤弓唯香

高久梓

日野樹来

細川成美

むらまつちひろ

山下千里

吉森百子

 

線と余白とその間 Vol.5 〜私たちのコード〜 THAN 足立正平/立尾美寿紀/直野恵子/佛淵静子

2024.7.15(月・祝)〜21(日)

12:00〜19:00 最終日は17:00まで

 

2020年コロナ禍の始まりの不穏な空気の中発進した「線と余白とその間」展が5回目を迎えた。

 

今回のテーマは「コード」。

それぞれが画面から奏でる音は和音になるだろうか。

 

以下は、メンバーの佛淵静子によるステートメントである。

 

線と余白とその間

 

2020年からはじまり、毎年この時期に開催させて頂いている。「線」、「余白」がキーになっている4人のメンバーが、花や句などその回ごとのテーマをもって絵を持ち寄っているが、5回目の今年は音楽になぞらえ「和音・コード」をテーマにした。

 

楽器に限らず、この世界のものには音がある。たたく、擦る、はじくと、ものは変形し、まわりの空気に振動を伝え、音になって耳に届く。そしてその音の波には固有の音色がある。ラ、ミ、ド、それぞれの単音を束ねてコードになると、悲しい感じ、明るい感じ、と表情が生まれる。

 

このことは絵の成り立ちとも似ている。ひと筆ひと筆の重なり、色、強弱、無数の組み合わせが表情に変わり、見る人の感情に届くものになる。

 

私たちは普段、身の回りの小さな気づきを、変わり続ける自分を、変わらないものを、時代や個々人を超えたテーマを、それぞれ描いている。今展覧会では、各々の作品に、作品名とは別にコードをつけている。

 

4人のメンバーが、それぞれ自分の作品をノックして出てきたコードは、同じ空間の中でどのような旋律になるのだろうか。

 


 

 

 

大山菜々子 個展 楽園を出る、きみの手をとって

2024.7.8(月)〜13(土)

12:00〜19:00 最終日17:00

 

少年期から青年期に至る、わずかな日々の移ろいを抒情豊かに描く大山菜々子。

 

東京藝大の修了制作を終えてすぐの初個展から、折に触れ個展を開催している。

 

今展では、絵に詩を添えて一つの愛の物語になるような構成。絵にできない、あるいは言葉にできない、その行間を行き交う旅を目指したとみた。

 

 

 

東風託孤窯 永江俊昭陶展 〜器に描く〜

2024.7.1(月)〜7(日)
12:00〜19:00 最終日〜17:00

丹波に登り窯を構えて2年に一度、当画廊で作品を発表している永江俊明。
八重山民謡の師範として東京にも教え子を持つ唄者としても知られている。

今展では、昨年に引き続きフラワーデザイナーの高橋さわこ先生を迎え、器と苔盆栽をコラボするワークショップを開催する他、八重山民謡唄者としての面も併せてご紹介する一夜も。

苔盆栽ワークショップ(要予約 3.500円)
7月5日 13:00より
6日 13:00より

永江俊昭八重山民謡ライブ
7月6日 18:00より(投げ銭制)

涼風献上団扇展 初期水墨画篇

2024.6.24(月)ー30(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

安住小百合/池田美弥子/加藤良造/亀井三千代/北村さゆり/木村黙尊/越畑喜代美/小松謙一/新恵美佐子/板東里佳/松谷千夏子/山田りえ/渡辺薫

 

いずれも劣らぬキャリアの面々が古画から骨法やその背景を学ぼうという研究会が8年目を迎えた。

 

季節柄、涼を呼ぶ扇子や団扇に古画を模写し、裏面にはそこから学んだ自作を描くという試みは、琳派から始まり中国文人画の系譜から江戸文人画、江戸風俗画と続き、今回は室町初期水墨画へ。

 

もちろん、古画研究の碩学から当該美術史の詳細な資料を元にレクチャーを受けいざ実作へという流れだが、中国文人画の時には中国美術史の研究者から書法の手ほどきも受け、まさしく五十(六十)の手習。

 

初日の今日は、一年の成果をお披露目しその講評会があった。室町初期、雪舟以前の画僧たちが中国の絵画から何を学びどう取捨選択してきたのか、筆の運びや構図から倣い実作する事で得た気づきが

今後の自作にも反映され、より深い世界に辿り着けるよう願ってやまない。

 

画像にはない団扇の裏は是非実見で。

 

瀬戸内界隈展 in Tokyo 間違えなさんな 2

2024.6.17(月)〜21(土)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

何はともあれ始まった瀬戸内界隈展。

 

そもそも瀬戸内界隈展とは?そして間違えなさんなとは?の謎から話を進める。

ご承知の方はお許しを。

 

同じ瀬戸内でも、岡山側の輝かしいアートシーンの方ではなく広島のしまなみ街道・村上水軍の地「因島」で、密かにしかし着実に歩を進めている異業種格闘技的アートキャンプを指す。

 

毎年、夏に10日ほどの合宿で技を磨き合う仲間の代表は、この地に父祖の縁を持つギャラリー政吉の岡野陽一だ。

 

武蔵美日本画卒の岡野を中心に広島ゆかりの作家達が集まり、またその周辺の美術関連者、ギター製作者、木工家、合宿の賄いをするシェフまで揃えて進化し続けている。

 

そして今回はその東京展vol.2。うっかり広島に行かないよう「間違えなさんな」というわけだ。

 

格調高い水墨画から、人の音声や気配で動き出す洗濯物の靴下まで、その振り幅は流石のラインナップ。

沖縄からは島バナナを展示物に持ち込んだ陶芸家、広島からもビデオアート作者や某大学副学長など錚々たるメンバーが参集し、この画廊のキャパをはるかに超えた祭りの空間にしてくれている。

 

毎年同じ時期に、同じご飯を食べて家族のように暮らす「この素晴らしき仲間たち」の醸すハーモニーを是非体感しに来ていただきたく伏してご案内する次第。

 

透陶展vol.2 KTDOLL・中村那由多・清水目黒詔子

ビスクドールの「陶」とその透明な美しさを標榜して「透陶展」と名づけた本展では、それぞれの美意識に基づいた浪漫ある作品たちをご紹介します。

 

KTDOLL 2018多摩美術大学彫刻科卒

中村那由多 2018東京藝術大学彫刻科卒

清水目黒詔子 2018多摩美術大学日本画科卒

 

初日10日19:00より以下のXのアカウントにて動画配信いたします。

 

@serene0302

 

 

金属造形作家 征矢剛展 ー短夜ー

2024.6.3(月)〜9(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

立体特集月間の3週目は、金属造形の征矢剛の登場。

鉄の躯体に、アンプやスピーカーを仕込み、カマキリやてんとう虫を鳴かせる仕事と常夜灯のように発光する仕事を併せて発表している作家だ。

 

毎年、6月に開催しているので今年のテーマは「短夜」という季語から取ったという。クールな鉄の花が蝶や蜘蛛を伴って薄青く発光している姿は詩的ですらある。

 

圧巻は、やはりピンクに着彩した巨大な花カマキリ。画廊のスポットを消すと現れる影絵のそれはまるで命を得たように自身のドラマを語り出す。

 

多摩美大彫刻科出身。

 

 

 

長谷川裕子展   まなざしの向こう側E

2024.5.27(月)〜6月2日(日)
12:00〜19:00  最終日〜17:00

四谷シモン人形学校の草創期に学び、その後師風から離れて、楠材で球体関節人形を創作する長谷川裕子。

2007年が当画廊とのご縁はじめ。その後
09.11年にも個展をし、この度は制作を始めて40年という節目を記念しての開催である。

初めて画廊にいらした時に、人形のジャンルにも木彫のジャンルにも括れない自作の立ち位置に悩んでらした。いわばノンジャンルのファジーなところを探していたのだろう。その後、高島屋さんの彫刻スペースに居場所を見つけた他、さまざまなグループ展にも積極的に参加している。

球体関節に拘るのは、制作した子どもたちに手編みのセーターや服を着せてあげるため。楠の肌合いは経年で少しずつ色が濃くなり、抱き心地も良くなるそうだ。
離れて鑑賞する美術品ではなく、子供を愛おしむように撫でさすって作品を育てていくのが醍醐味なのだろう。

作家が生まれ育った昭和の世。親に着せてもらった手編みのセーターなどを思い起こしながら、どこか懐かしい風情の人形たちと出会いにいらしてください。


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