day by day 山崎 翠 

2024.3.18(月)〜24(日)

12:00〜19:00 祭日〜18:00

最終日 〜17:00

 

ちょうど5年前の今日が前回の個展初日だった事をFBが教えてくれた。当時は旧姓の佐々木翠。

 

5年の歳月の間に、北海道・帯広の彫刻家・板東優の助手を卒業し、一旦帰京後山口県萩市にご夫君とアトリエを構えるに至った。

 

今展は「山崎翠」として新たな出発ともいえる記念すべき一歩。萩焼きの窯と協働した立体作品も含め、鋼板を切り抜いて着彩した作品など、目覚ましい進化と展開を見せてくれている。

 

タイトルの「day by day変化」は「物事の変化は生命の特徴であり、その反応を捉え瞬間を切り取る」ことから。

 

以下は山崎翠による一文

 

day by day 変化

 

自然の無情さを感じたことがあります。

2011年の東日本大震災の翌年、宮城県の被災地を訪れた際、復興の停滞に驚きました。

それでも、厳しい状況の中で観光客をもてなす姿に、人間の強さを感じました。

夕方、東京に戻る新幹線から眺める晴れた日の夕焼けが、いつもと変わらず美しい姿を見せているのを見て、一年前、被災者たちも同じ景色を見ているのだろうかと思うと、自然の無情さを感じましたが、同時に絶え間なく移り変わる時間の中で希望を見出すこともできると感じました。

 

現代社会では物質的な豊かさと不足が同居しており、その中でアートを創造することに躊躇することがあります。

今回、形を具体化せずに鉄板を切ったり、線を引っかき生まれた空間を構築しながら、形を作ることの意義と自然の関わりについて考えさせられまし

山崎翠

 

 

第9回 つ抜けの会

2024.3.11(月)〜17(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

釣り好きの東京藝大OB五作家による「つ抜けの会」が9回目となった。

 

「つ抜け」とは釣り用語で大漁を指す。

釣果を数えるのに「一つ〜九つ」までは「つ」がつくが、それを超えて10になると「つ」が抜けるため、釣り人たちの間では「つ抜けた」と喜ぶらしい。

 

カワハギ名人やヒラメ名人、渓流名人とそれぞれ腕に覚えのある方たちが集い、本業の絵の世界で展覧会をと始めた会だが、いよいよ今回が最後の「つ」となった。

 

来年は盛大につ抜けのお祝いをするそうだが、まずは9年続けた先生方の熱意に敬意を!

 

小山松 隆

川畑 毅

小林 正誠

鈴木 よしひろ

宮地 睦明

 

 

越畑喜代美展 久しぶりのお茶会風味+古本屋v

2024.2.16(金)〜24(土)

12:00〜19:00 日曜〜18:00

最終日〜17:00

4月に27周年を迎える当画廊での越畑喜代美26回目の個展が今日から。

コロナ禍中にはさすがに自粛した密着すぎる二畳台目の竹茶室にて、お茶会風味を。今回、縁あってお道具をご寄贈くださった蕗子亭さんに因んで、色々趣向を考えているところ。

これもまた別の方から頂戴した風炉先屏風に水墨画の貼り混ぜ。お軸は憲法九条を万葉仮名で記した越畑の会心の一撃。

お茶会風味(カニかま的な?)ができなかった時期、苦肉の策で企画した古本屋風味も併せて開店しているので、お茶&本というエンドレスな幸せの中で、越畑喜代美の醸す緩急自在な世界に遊んでくださいね。

因みに21日夜には、画廊で開催している「雅狼句会」の100回目の記念句座を開催する。ご興味のある方は是非飛び入りを。

清田悠紀子展 ー薄明の降る時ー

2024.2.5(月)〜11日(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

清田悠紀子(せいたゆきこ)の当画廊4度目の個展が始まった。

2015年、2016年、2019年開催後、コロナ禍期間を挟んで今回久々の登場となるので、簡単なご紹介を。

 

1977年に新潟に生まれた清田は長じて岩手大学大学院農学研究科修士課程を修了するも画業への止みがたい熱望に従って武蔵野美術学園造形芸術科絵画専攻研究課程に入学し、油画を始める事となる。

 

その後、母校やカルチャースクールで講師を勤めながら様々なコンクールに入選、グループ展や個展で才覚を現してきた。特に、2016年の日動画廊昭和会賞ニューヨーク賞受賞は記憶に残る快挙だった。

 

強靭な構造に裏打ちされた人体表現の素晴らしさに加え、今展では静謐な時の堆積を感じさせる世界を描いてその境地を深めつつある。

 

「薄明が降る時」を纏った作品たちを是非実見で!

 

 

ななきを 江尻潔×黒須信雄

2024.1.29(月)〜2.4(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

詩人・江尻潔の詩集を現代美術家・黒須信雄が木版で制作する、というなんとも贅沢なコラボレーション。

 

今展では限定50部とした19枚の詩篇を黒須が、その詩篇を挟む様に2枚の木版画を江尻が彫り、木版 函装 B4判変型(27.5×39.5cm)の詩集とした本を披露する。

 

詩と絵画のコラボレーションの試みは、江尻の前作「るゆいつわ」から始められ、黒須が2003年に制作した7角形の作品群はこの詩作に依っている。

 

長い間の信頼がもたらしたこの度の新作詩集のために描かれた江尻潔のタブロー「榛名之圖」(陸の龍宮)も必見。

 

何よりも詩篇19枚、限定50部のために1000枚近くを刷り上げた黒須信雄の愛(と言ってもよいと思う)と執念に敬服しているところだ。

 

是非お運びを!

 

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多摩美術大学 日本画科 第十八回 堀文子教室同窓展

2024.1.21(日)〜27(土)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

新春恒例の同窓展、今回は昨年10月に逝去された中野嘉之先生を偲ぶ会にあわせて日程を調整した。

 

中野先生は、堀文子クラス一期生にとっては助手時代から、五期生にとっては助教授時代から堀先生とペアで指導してくれた恩師である。

 

同窓展には両先生の作品を戴き、その空間に一緒に並ぶという事で一同に大きな励ましを与えてくださっていた。

 

この度は日本橋高島屋の中野嘉之展にあわせて偲ぶ会を開催する流れと軌を一にし、同窓展一同で両先生を追悼する。

 

日本画家としても教授としても大きな足跡を残し、何よりもその精神を惜しみなく伝えて下さったことに感謝し、尚一層それぞれの道を極めて行こうと思う。

 

 

新春企画ー旅する着物展 よみがえるジャパニーズシルク with daisy’s ano

2024.1.10(水)〜16(火)12:00〜19:00日曜日〜18:00 最終日〜17:00

年明けとともに、心痛むニュースが飛び込み賀詞を述べる機会を失ってしまいました。心より震災被害の方々にお見舞い申し上げます。

さて2024年の新春企画として、長年伴走してきた旅する着物シリーズ感謝編に併せ、帽子作家のdaisy’s anoさんをご紹介する事となりました。

日本の染め織りの素晴らしさを身近に楽しんでもらおうと、四季折々の着物素材を厳選し仕立てた服と、ナチュラルで快適なdaisy’s anoさんの帽子を組み合わせて素敵な空間となりました。

年齢に少し開きはありますがともに美大卒の作家たちです。

どうぞ今年も宜しくお願いします。

 

 

 

銀座MOGA2024 冬の美人画展

2023.12.18(月)〜23(土)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

2024年を一足先取りの美人画展「銀座MOGA展」冬ver.が今日から。

 

出品画家

久遠もも

後藤まどか

近藤弓唯香

高久梓

むらまつちひろ

森川琴美

山下千里

吉森百子

 

現役藝大生も含めて若さ爆発のMOGAメンバーたちの冬の競演につき、元気いっぱいに今年も締めくくれそうです!

森田舞展 contrast 2023

2023.12.8(金)〜16(土)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

#XmasArtFesta

 

記号で覆い尽くされたような昨今、こぼれ落ちた「生」の実感を、抽象と具象のあわいに描き出す森田舞。

 

今展では新たに人体表現にも挑み、さらなる深みを目指す。

 

2020年 多摩美術大学大学院博士前期課程日本

画研究領域修了

福本 倫 展

2023.11.27(月)〜12.3(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

フランス仕込みの一版多色刷りの銅版画で知られる福本倫が、多彩な才能を発揮してアクリル画・水墨画とそのミックス、更に陶芸まで手を広げて躍動する。

 

感心するのは、どの技法で制作しても福本倫の軸がぶれない事だ。多彩でありながら揺るぎのない個性こそこの作家の持ち味だろう。

 

数年間、因島の瀬戸内界隈展で作品を間近に見てきたが、この意欲とスピード感は余人を寄せ付けないものがある。

 

全ての生命(いのち)は丸から生まれる、をコンセプトに、対のモチーフを描く今展も注目必至。水墨画は教えを請うた故中野嘉之先生へのオマージュとみた。

 

 

 

 

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日本画 LISA(リザ)展

2023.11.20(月)〜26(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

LISA(リザ)さんは画号ではなく本名。もちろん生粋の日本人である。

彫刻家のお祖母様の命名だとか。お母様も画家という女系三代の芸術一家で、モナ リザのリザが由来という。

 

長じて、京都芸術大学(旧京都造形大学)で日本画を学び、日展や都展に出品しながら家族展や二人展を開催してきた。

 

この度は満を持しての初個展。先頃、都展で参議院議長賞を受賞した150号の大作が画廊の正面に。

小笠原の海に、彼の地に生息する小笠原蝙蝠のイメージが重なる意欲作だ。自画像や折々に取材した小品・扇子も含め19点をご紹介する。

 

今週の柴田悦子画廊 猫百態展 VOL.4

2023.11.13(月)〜19(日)

12:00〜19:00 最終日は17:00

 

猫百態展の季節が巡ってきた。

汲めどもつきぬ魔性の魅力に、翻弄されながらも愛さずにはいられない。。

画家それぞれの猫への思いを「百態」に託して描き、年に一度の猫会議をいたします。

 

出品作家

 

大坪奈古 立体 インク画

池田美弥子 日本画

落合浩子 日本画

内山江里子 アクリル、陶器、立体

木村浩之 日本画

麒麟 日本画

越畑喜代美 墨

小林由里 アクリル アクセサリー

たかすみえこ アクリル

竹内淳子 テンペラ 日本画

立尾美寿紀 鉛筆 墨

辻村和美 日本画

原田梨花 ペン画

平野俊一 水彩 日本画

前本彰子 アクリル ミクストメディア

松谷千夏子 日本画 ドライポイント

八幡幸子 日本画

山田りえ 日本画

 

市橋節子 日本画展

2023.10.30(月)〜11.5(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

久々の150号が正面の壁にドーンと。日展の市橋節子さんの初個展は堂々の大作をメインに。

 

市橋さんは秋田出身。京都芸術大学(旧京都造形芸術大学)で日本画を学ばれたのち、東京に居を定め日展に出品を続けている。

 

故郷のりんご園の枯れさびた風景に題をとった作品の他、一転して南方宮古島の

花と蝶に想を練った作品など、京都で学んだ人らしい細やかな筆致で丹念に描いている。

 

大作に囲まれていても威圧感がなく、目が癒されていくのは丁寧な仕事の所以か、

ところどころに見え隠れするユーモラスな視点のせいか。

 

今回の課題一つでもある小品も可愛らしく鎮座して皆様のお越しを待っているところ。是非是非。

 

 

 

 

安住小百合日本画展 with Shigeo Hayashi

2023.10.16(月)〜22(日)

12:00〜19:00 最終日〜17:00

 

昨年は鎌倉・浄智寺さんの茶室で襖絵披露の展覧会開催した安住小百合。圧巻の日本画力を披露した勢いのまま、今年は古巣の画廊で。

 

今展では安住小百合の日本画に加え、同じ山野で取材する夫君のShigeo Hayashi

氏のCG作品をご紹介する。

 

最近、心境著しい安住は金と黒の迫力に加え、柔らかい大和絵風の色調を自在に駆使し四季の縁起物をテーマに制作

 

 

 

一方のHayashi は、Google earthの画像を花鳥画に組み込んだシュールな画面を作り込んできた。

 

お二人の意気のあったコラボを是非!

 

 

西村亨 人形展  「カントリードールズ」

2023.10.9(月)〜15(日)
12:00〜19:00  最終日17:00

毎年、夏の盛りを彩る企画として登場する西村亨のソリッドールズ。昨年は肩を痛めて不参だったものの、この度見事に復活して新境地を拓いてくれた。

今年のテーマはカントリーガールならぬ「カントリードール」。オレンジやドーナツをもった元気なお姉さんが勢揃いー
その数なんと31体。
穏便な子を選んでまずはご紹介を。

稀人展PLUS 木村浩之 佐々木英俊 伴清一郎 二見勘太 with 瓜南直子

2023.10.2(月)〜8日(日)

この世のものならぬ「まれびと」を招来し、摩訶不思議な世界にあそんでもらおうと企図した展覧会が4回目に。

今回のPLUS作家は、10月7日から倉敷市美術館で斎藤真一・有元利夫との3人展が開催される故・瓜南直子。

 

相撲やお祭りなど神事に連なる「ちからびと」や、異界を幻視した物語の語り部からの妙なる調べに耳を澄ませて見ようと思う。

 

池田美弥子展 月暦図ーvol.3

2023.9.25(月)〜30(土)
12:00〜19:00  最終日17:00

先週に続き、今週も武蔵美大日本画卒の池田美弥子展。
創画展に出品しながらキャリアを積んでいたが、現在は個展、グループ展が中心の発表を続けている。
今回のDMには以下の文言

落とした眼球(めだま)を探せ
春が来る前に
あれは 見たものが生えてくる眼球
埋めてはいけない
おじいとおばあの眼球
池田美弥子

かねてから取材に通っている沖縄ながら、初来館の佐喜真美術館で丸木位里・俊夫妻の「沖縄戦図」全図を拝観。
その場に一緒に展示されていた戦争体験者の写真にも大きな衝撃を受けた。特に怒りを秘めた眼が忘れ難いものとなったという。

本展では、作品中人々の生活を抱え込むように覗く人が、眼球から生まれ出た(見えた?)青空を慈しみ育てるような幻想的な作品となった。

前作の絵巻的鳥瞰図から、それを胎内に取り込んで、更に眼球から空を育てるという驚くべき進化を遂げつつある池田美弥子の宇宙に今目が離せない。

 

長尾英代 日本画展   ー祈りのかたちー

2023.9.18(月)〜23(土)
12:00〜19:00   最終日〜17:00

コロナ禍中の3年前、当画廊に初めて登場した長尾英代さんは1996年武蔵美大大学院日本画コース修了のベテラン日本画家。在学中、日展に初入選するなど早々に才能を開花させたのち、個展を中心にゆっくりとその歩を進めてきた画家である。

本展では「祈りのかたち」として奈良・東大寺二月堂の修二会、いわゆる「お水取り」を取材した大作をご紹介する。

「お松明」の火の粉を浴びながら目の奥に刻みつけた炎の刻々の様相を100号二枚を含む三部作に描いた。

以下は、画家によるステートメント

炎は動きや色が変化するところに惹かれて、学生時代から度々描いているモチーフです。

絵のタイトル「つけんだりや」とは、東大寺の修二会の行事の一つで唱えられる文言です。
堂内で松明を火を灯す際、「火はついたか」と問いかける意味で、燃える大松明を欄干で転がして火の粉を降らせ、無病息災を祈ります。

1200年以上にわたり毎年途切れることなく続けられている行事で、これまで様々な疫病や災害、コロナウィルスと直面しながら、たった一度も途絶えなかった一つの祈りの形を、今回モチーフにして、三部作として描きました。

長尾英代

麒麟 日本画展

023.9.11(月)〜17(日)
12:00〜19:00 最終日〜17:00

丹精した庭で取材した折々の花卉を、日本画ならではの華麗な技法で描く画家・麒麟。
初個展となる今展では、培った豊かな感性が切り取った瑞々しい世界をご紹介する。
1984年 多摩美術大学日本画科 堀文子教室卒

上は本展DMに寄せた一文。

麒麟(きりん)
という名は画号として発表を始めたころから使っている。卒業後就職した先を勤め上げて先頃定年。激務をこなしながら年一度のグループ展を支えに絵を続けてきたが、この機に専業で生きようと初の個展開催とあいなった。

最近はグループ展のほか、百貨店での二人展などでキャリアを積み、みるみる腕をあげてきていたのだが、銀座での初個展となると、また別のプレッシャーがあったようで、50号2点他素晴らしい花卉図を揃えて展開してきた。

特に黒箔の下地に鮮烈な南天の実を配した作品と対になった金箔地の椿図には、ただならぬ迫力が宿り目が離せない。一段も二段も風格を増した作品には、綿密な観察による省略の効いた力強さもあり、新たな花卉図を得たと嬉しく思った。

品格を秘めつつ古画にはない斬新な表現もあり、この画家の潜在能力を疑わないスタートとなったことを言祝ぎたいと思う。是非、実見で!

下向惠子展 MYTHOS 2023 -古事記より-

2023.9.1(金)〜9(土)
12:00〜19:00 日曜〜18:00
最終日〜17:00

初日18:00よりトークセッション
ゲスト:小勝禮子(美術史家・美術批評)

MYTHOSとは古代ギリシャ語で神話を指す。下向惠子によると、この「MYTHOS」シリーズは水の神を探すことから始まったという。
以来、古事記に想を得ながらエネルギーに満ちた神々の様相を描き続けている。
今展では楮紙に顔彩のイザナギ・イザナミ対幅他、国産みの矛連作など渾身の作が並ぶ。
清く明るい気が充満する空間となり、暑さも忘れそうな勢い。是非ご高覧を


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