2016.10.31(月)〜11.6(日)12:00〜19:0.0
日・祝〜18:00 最終日〜17:00
2000年に多摩美大日本画専攻卒の大原奈穂子が、花鳥画に著しい境地を見せて銀座に再び登場した。
かつては人物画を主なテーマとしていたが、故郷鹿児島に戻る頃から花や鳥など自然に親しみながら日本画の基礎を学び直そうと、一から挑戦し始めたという。
竹内栖鳳の画風を慕い、それに連なる上村松園や上村松篁の作品に習いながら、故郷で一人腕を磨いてきた。
今展では、松柏美術館の花鳥展で優秀賞を受賞した作品を更にブラッシュアップした「夏の果」をはじめ、研鑽のあとが偲ばれる力作が揃った。
淑やかなお人柄の奥に薩摩おごじょの芯の強さが仄見え、頼もしい。
松崎和実展 箔画Ⅴ & Ink drawing
武井好之 Azul 島紀行Ⅸ展
2016.10.11(火)~16(日)
12:00~19:00 最終日~17:00
武井好之が那覇空港からセスナ機で飛び立ち慶良間諸島上空を周回してからはや10余年。憑かれるとはこのことか、と思わせて余りある取材と制作の日々だった。
沖縄百景と題した那覇の百貨店リウボウでの展覧会は7回を数え、本島百景を越えて更に宮古・八重山など先島へと歩を進めている。
同時に銀座の画廊では、島紀行シリーズを発表。個々の風景というより、琉球弧の環礁を俯瞰した、より抽象性の高い作品を描き、魅せられた島への別のアプローチを続けつつ9回目を迎えた。
回数が全てではないが、個展の前に参加したグループ展と二人展を加えると、十年間余りで18回沖縄を描く展覧会を開催したことになる。
ただ事ではない熱中がここにはあって、ライフワークに出会った作家の喜びをこれら作品群から汲み取り、実った果実を
静かな波の間から味合わせて貰っている。
浅見貴子展 -定点観測-
2016.10.3(月)~10(月)
12:00~19:00日曜~18:00最終日~17:00
浅見貴子の努力の跡が記された画歴を繙くと、柴田悦子画廊の初出は1998年に開催した浅見貴子・武田州左・間島秀徳による三人展に遡る。以後、2000、2001
のニューヨーク展、2002、2003と個展を続けた。その後、文化庁海外研修を挟んで一気に躍動、美術館を中心にした目覚しい活躍ぶりは苞にしられるところだ。
この度は画廊20周年の一つのエポックとして、13年ぶりに銀座での個展を開催、久々に作品に相見えた。
和紙の裏からの墨の点描も深みを加え、壁の白を巻き込んで広がっていく。秩父の自宅から日々見える木々との語らいが-定点観測-という作品群に仄浮かび、澄んだ心境が重なって見えるようだ。
特に、大作に勝るとも劣らない小品の魅力に今展の見所はあるように思う。
山田りえ展
越畑喜代美展 お茶会風味 良夜篇ーあてどない散歩
香川亮(まこと)木版画展
2016.9.5(月)~10(土)
12:00~19:00 最終日~17:00
沖縄県立芸大で日本画と版画の准教授として活躍する香川亮の個展が今日から。
今年開校30周年という沖縄県立芸大ーその開設2年目から赴任してもう28年の沖縄生活。東京での個展発表はおよそ20年ぶりになるという。
今展に先駆けて前週開催した小津和紙ギャラリーでは、木版画の研究発表の趣旨に沿って、使用した和紙や制作の経緯を主に紹介し、格調高い展示内容となっていた。
一方、作品本位の展示を主眼にした今展では作品の細部まで感じ取っていただく趣向。準備期間も入れれば十余年にわたる香川亮の版画制作の静かな熱狂を、より個展らしい形でご紹介する。
1960 広島県生まれ
夏の器・夏の衣展ー琉球ガラスを中心に
森田晴樹展
西村 亨「涙の人形展」
7月2日(土)〜7月10日(日)
12:00〜19:00、日曜日は18:00最終日は17:00まで
夏の風物詩ともいうべき西村亨の人形展が今日から。
回を重ねる事10回を数え、進化を続けるソリッドドールたちー今展ではおっぱいに蛇口がついた「涙の人形」が登場した。
太宰治は胸の間を涙の谷間と呼んだが、この蛇口からは何がほとばしるのだろうか?
荒唐無稽という砂糖衣に包まれて、絶対的な哀しみが立っているーエロスを超越する何かがここにはあって、「届かぬ思い」と名付けたいくらいだ。
キュートなチョコレート娘とセクシーピエロも一見の価値あり。
1961年生 鎌倉在住
わたしは毎日在廊している予定です。
みなさまのお越しを心よりお待ちしております。
樋口研司 個展
2016.6.23(木)~30(木)
12:00~19:00 日~18:00 最終日~17:00
奄美大島に移住して民宿を営むご両親の元を訪ね、取材を重ねて3年になった。
田中一村の絵であまりにも知られた島だけに、樋口研司の「奄美」をいかに描くかが問われるところだ。
個展では毎回「雨」がメインテーマ。今展でも「雨霽うせい」(雨が晴れること)「木萌雨きぶつあめ」(奄美地方で1月に降る雨)、「瞋怒雨しんどう」(神の怒りの大きな雷鳴を轟かして降る雨)、「洒涙雨さいるいう」(七夕に降る雨)など画題も雨に因んだもの。
折しも梅雨真っ盛りの東京で、島に降る雨を観るのも一興。是非、多彩な雨の表現を味わってほしい。
また、島のご両親から届いたパッションフルーツの甘い香りが画廊の中に漂って南国に誘ってくれている。これは早いもの勝ち。
奥山加奈子展
2016.6.5(日)〜12(日 12:00〜19:00
日曜〜18:00 最終日〜17:00
平野俊一展 In The Garden enchanted
前田正憲展 Waters of March
2016.5.7(土)〜14(土)
12:00-19:00 日祭日-18:00最終日-17:00
和紙に下地を作り、さらに布を重ねて彩色、そして絵の表面をサンダーで削りツルツルの状態にー前田正憲の仕事は見かけの静謐さを裏切る過激なものだった。
絵の具の粉が部屋中に舞うなかから表れたのは、幾世代も経たような風化した花たち。
前回に見せてもらったのは、風雪にさらされた岩の皺を精緻に描いたものだったが、今展では細かい描写を捨て、剥落に近いような絵肌に辛うじて残った光を描いた印象。
タイトルのWaters of March はボサノバの巨匠、アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲から。
3月の雨とも水とも訳される曲の訳はこうだ。ちょっと長いが全文引用させて頂く。
この繰り返される普遍への回帰は前田正憲の仕事に遠くで繋がっている。
Waters Of March
木の枝、石ころ、道の終わり 幹の残り、ちょっと独り
ガラスのかけら、生命、太陽
夜、死、罠、銃
オークが茂る時
しっぽに包まったキツネ、 木材の節目
ツグミの歌、風の森
崖、滝、ひっかき傷、こぶ、無の世界
吹き荒れる風、坂の終点
光線、空虚、予感、希望
そして 川岸のおしゃべり、三月の水
すべての緊張からの解放
あなたの心にある喜び…
足、地面、肉と骨
道の振動、ぱちんこの石
魚、きらめき、銀色の輝き
争い、賭け、弓の射程距離
井戸の底、列の終わり
うろたえた表情、損失、発見
槍、犬釘、先端、釘
滴り、しずく、物語の結末
トラックに積まれたレンガ、やさしい朝の光の中で
真夜中の一撃
道のり、必須なもの、攻撃、衝突
女の子、詩、風邪、おたふく
家の設計図、ベッドの中のからだ
そして立ち往生した車、ぬかるみ、ぬかるみ
いかだ、漂流、飛躍、翼
タカ、ウズラ、春の明るい兆し
そして 川岸のおしゃべり、三月の水
生きることの希望
あなたの心にある喜び…
蛇、木の枝、ジョン、ジョー
手ひらの棘、足の指の切り傷
点、粒、蜂、噛むこと、まばたき、ハゲタカ
夜中の突然の時計の音
留め針、縫い針、毒針、痛み
カタツムリ、ふるい、蜂、シミ
山の小道、馬とラバ
遠方の砂州、伸びる青い三つの影
そして 川岸のおしゃべり、三月の水
あなたの心の中にある生きることの希望
あなたの心の中の…
木の枝、石ころ、心配からの解放
幹の残り、人気のない道
ガラスのかけら、生命、太陽
刃、死、流れの終わり
そして 川岸のおしゃべり、三月の水
すべての緊張からの解放
あなたの心にある喜び.
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=FrmcSJGvz4s[/youtube]
Art Garfunkel/ Waters Of March
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=xRqI5R6L7ow[/youtube]Elis Regina,/Águas de Março
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=Ue5CkQU7eDo[/youtube]
Rosa Passos /Águas de Março
野地耕一郎氏&仲山計介氏の記念対談 と20周年お祝いの会
斉藤祝子展 武満徹へのオマージュ
2016年4月11日(月)~ 4月19日(火)
作曲家・武満徹の没後20年にあたる今年、斉藤祝子展「武満徹へのオマージュ」を、生誕80年だった2010年に続き、柴田悦子画廊で開催します。
2000年に、ベルリンから武満にゆかりのあるトロントに制作の拠点を移して以来、「水の風景」のシリーズを 始めとして、彼の音楽や文章から呼び起こされるイメージを描いてきた作家の新作を展示。 1997年、カナダ・トロントで「潮流」と題した水と人と生命の循環や流れをテーマに個展を開いていた斉藤祝子は、ちょうど30年前に武満徹がトロントで 代表作「ノヴェンバー・ステップス」のリハーサルや録音をしていたこと、その後何度もトロントを訪問し、多くの音楽家と交流があったことを知ります。
水を テーマに描いていた斉藤は、自身と武満の抱く水のイメージの一致や、水にかかわる一連の曲に感銘を受け、それをテーマにした作品を描くことを決心。拠点 をベルリンからトロントに移した2000年から制作に取り掛かります。こうして制作された作品は、武満没後10年の2006年に、トロントの国際交流基金日本センターで 「Waterscape – 水の風景」と題した展覧会として実を結ぶことになります。
そして、武満徹生誕80年の2010年には、武満の愛した町飛騨古川の飛騨市美術館で「斉藤祝子展 精霊の庭で─武満徹へのオマージュ」が開催されました。 また、ピアニスト福間洸太朗のCD「武満徹ピアノ作品集」とギタリスト谷辺昌央のCD「日本人作曲家によるギター協奏曲集~武満徹、細川俊夫、林光」のジャケットに作品が使用されています。
斉藤祝子 SAITO NORIKO
1955年、栃木県足利市生まれ。日本とドイツで文化史、民俗学、地理学を学んだ後、ドイツで美術とアート・セラピーを専攻。
1988年からベルリンを拠点に作家活動を開始。1990年、ベルリン芸術大学修士課程修了。90年代にはヨーロッパで制作発表と平行し、美術館、大学、ギャラリー、医療機関等で、数多くのプロジェクトやワークショップを手掛ける。
1994年から96年まで、アーティスト・イン・レジデンスとしてドイツ、ウルムに滞在。1997年にカナダ政府、1998年には日本の芸術文化振興基金より助成を受ける。2000年に拠点をベルリンからトロントに移す。
生命や時間の循環に興味を持ち,ドイツでは水,螺旋、円などや神話を、カナダでは植物、特に「種」のイメージ、そして武満徹の音楽をテーマに制作して来た。
中川雅登展
原 誠二展
谷口正樹個展 hommage
佐々木翠展 ー中空の鳥達
2016.3.1(火)〜9(水)
会期中無休 open12:00〜19:00
日曜〜18時
最終日〜17:00
久々の立体展示となる今展、東京造形大学彫刻科大学院卒の佐々木翠のデビュー作品をご紹介させていただく。
佐々木翠は卒業後、彫刻家・板東優のアシスタントとして帯広に在住、研鑽を積んできた。
4、5年に及ぶアシスタント生活の傍らで基本的な技術を習得するとともに、作家活動を開始しコツコツ造りためてきた作品という。
広大な帯広平野に飛び交う鳥達の生き生きとした生態を切り取った「中空の鳥達」はじめ、自然からインスパイアされた様々な形態が彼女の手から生み出されている。
彫刻作品の回りに、初めて描いたという油画の作品が巡らせ、帯広の中空を銀座にもたらしてくれている。
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