斉藤典子展初日ートロントより
ニューヨークでは斉藤隆展が、そして東京の我が画廊ではトロント在住の画家・斉藤典子展が今日から。
典子画伯は若く見えるが悦子と同い年の羊、しかもB型。なにか行動パターンがよく似ていて、さすらいの人生を送っている。とはいえ、画伯の方はアカデミック。
成城大で2年まで文化史を学んだ後、青雲の志のもとドイツに雄飛、以来20年近く彼地に。最初の大学ではフィールドワークを中心にした文化史と民俗学を、次のベルリン芸術大学ではアートを学んだのち、画家活動に入る。
シュタイナーやゲーテの色彩論に裏打ちされた彼女の絵画は、深い啓示を含んだ豊かな色味をもつ。ここ数年、「種子」をテーマに植物の生成の印象を描いて来たが、今展ではその種子が風に乗って着地する、その空気まで描きたくなったという。
どこに着地するか、そろそろ半世紀に近いそれぞれの人生にとっても大きなテーマだが、産土の闇から地表にでて、花咲き、実をつけ、また種子にもどり風に飛ばされ着地する、という植物の巡りはまた感興深い。
種の周辺に、大気と水の気配はつきもの。今回は雨後の日だまりのような情景として立ちあらわれて来た。カナダに移住して自然に触れ、植物の力に気付いたという画伯、部屋のなかから外へと彼女の「種子」たちも旅を始めたのだろう。
今日のお客人は、ドイツ時代の彼女を知るVip様、伊藤氏と半澤氏はじめ、画伯友人の由貴子さん、その御紹介の「福光屋」梁井氏など錚々たるメンバー。小河原ちゃんやニューヨークで知り合ったカウンセラーの田中さんもご一緒に。