旅するきもの展ー銀座編
2017.3.6(月)~12日(日)会期中無休
12:00~17:00 最終日~17:00
織姫を持ち出すまでもなく神話時代から染めや織りは女性の生活を彩る大事な仕事の一つでした。
色々な時代を経て、今なお継承されている「布」に纏わる文化。各産地に残る様々な意匠や素材を知るにつけ、素晴らしい財産を受け継いだものとの思いを深くします。
今展は、結城紬や大島紬、久留米絣などのきものコレクションの中から厳選し、今を生きる「布」の形をご提案するものです。
馬場京子展
2017.2.20(月)~26(日)
12:00~19:00 最終日~17:00
2015年11月に柴田悦子画廊に初登場した馬場京子の2度目の個展が今日から。
前回は古事記や日本の神話をテーマに幻想的な女性達を描いたが、今展ではアリスやシンデレラなど西洋のよく知られた物語の中から主人公を選び魅力的でエロティックな表情を描いている。
神戸の山側の豊かな自然の中で育った馬場さんの遊び友達は主に虫やカエルだったとか。一方、お父様の書斎にあった植物図鑑と春画コレクションに耽溺しつつ過ごしたというから、豊かな画想の根源は幼少期にあるとみて間違いあるまい。
長じて京都に居を移し、彼の地の先達や妖怪たちの洗礼を受けてさらにスキルアップした彼女は「美人画なんてしゃらくさい」とばかりにエロス全開の女性像を描くに至るのである。
男の幻想を打ち砕き、女のナルシズムを蹴飛ばし、何だか堂々たるエロスの降臨である。是非ご高覧を。
原誠二展
第2回つぬけの会
直野恵子展
2017.1.27(金)~2.4(土)12:00~19:00
日・祝~18:00 最終日~17:00
女子美大日本画科を卒業してはや20年。
文月会という創画会に出品する女子3人のグループ展が機縁で、以後柴田悦子画廊で個展を開催してきている。
世の中も刻々と変化し、画壇の趨勢も移りゆく中に、直野恵子はただただ自分の手元を見つめ心の動きを記してきた。
近年は墨の仕事に打ち込み、紙や筆の研究を実作を通して行なっている。
こういう地道な仕事は1年2年の単位では中々その成果を示せないものだが、10年立つと明らかに証左を示せる。
今展では、コツコツ集積してきた墨の実験が、初めて大きな画面に現れてきた。
ミリ単位の余白のバランスを壊さぬようパネルを特注。
ここに立ち現れる「白鳥の歌」を誰か聞きとってくれるのを待つとしよう。
橋本龍美追悼展
多摩美術大学日本画科 第11回堀文子教室同窓展
木村浩之・白井由美 二人展
20周年記念 後期展 ー画家の軌跡を巡るー
東風坊託孤窯 永江俊昭 陶展 ~乾山に倣う~
清田悠紀子展
高石久仁子展
伊藤文夫 陶展
大原奈穂子展
2016.10.31(月)〜11.6(日)12:00〜19:0.0
日・祝〜18:00 最終日〜17:00
2000年に多摩美大日本画専攻卒の大原奈穂子が、花鳥画に著しい境地を見せて銀座に再び登場した。
かつては人物画を主なテーマとしていたが、故郷鹿児島に戻る頃から花や鳥など自然に親しみながら日本画の基礎を学び直そうと、一から挑戦し始めたという。
竹内栖鳳の画風を慕い、それに連なる上村松園や上村松篁の作品に習いながら、故郷で一人腕を磨いてきた。
今展では、松柏美術館の花鳥展で優秀賞を受賞した作品を更にブラッシュアップした「夏の果」をはじめ、研鑽のあとが偲ばれる力作が揃った。
淑やかなお人柄の奥に薩摩おごじょの芯の強さが仄見え、頼もしい。
LABO 28th 展
松崎和実展 箔画Ⅴ & Ink drawing
武井好之 Azul 島紀行Ⅸ展
2016.10.11(火)~16(日)
12:00~19:00 最終日~17:00
武井好之が那覇空港からセスナ機で飛び立ち慶良間諸島上空を周回してからはや10余年。憑かれるとはこのことか、と思わせて余りある取材と制作の日々だった。
沖縄百景と題した那覇の百貨店リウボウでの展覧会は7回を数え、本島百景を越えて更に宮古・八重山など先島へと歩を進めている。
同時に銀座の画廊では、島紀行シリーズを発表。個々の風景というより、琉球弧の環礁を俯瞰した、より抽象性の高い作品を描き、魅せられた島への別のアプローチを続けつつ9回目を迎えた。
回数が全てではないが、個展の前に参加したグループ展と二人展を加えると、十年間余りで18回沖縄を描く展覧会を開催したことになる。
ただ事ではない熱中がここにはあって、ライフワークに出会った作家の喜びをこれら作品群から汲み取り、実った果実を
静かな波の間から味合わせて貰っている。
浅見貴子展 -定点観測-
2016.10.3(月)~10(月)
12:00~19:00日曜~18:00最終日~17:00
浅見貴子の努力の跡が記された画歴を繙くと、柴田悦子画廊の初出は1998年に開催した浅見貴子・武田州左・間島秀徳による三人展に遡る。以後、2000、2001
のニューヨーク展、2002、2003と個展を続けた。その後、文化庁海外研修を挟んで一気に躍動、美術館を中心にした目覚しい活躍ぶりは苞にしられるところだ。
この度は画廊20周年の一つのエポックとして、13年ぶりに銀座での個展を開催、久々に作品に相見えた。
和紙の裏からの墨の点描も深みを加え、壁の白を巻き込んで広がっていく。秩父の自宅から日々見える木々との語らいが-定点観測-という作品群に仄浮かび、澄んだ心境が重なって見えるようだ。
特に、大作に勝るとも劣らない小品の魅力に今展の見所はあるように思う。