2021.5.28(金)〜6.5(土)12:00〜19:00
日曜〜18:00 最終日〜17:00
銀座の夜会イベント
初日5.28(金) 16:00〜20:00
銀座ギャラリーズのイベント・銀座の夜会に合わせて本日から中島綾美の個展。
緊急事態宣言下のため、20画廊の参加となった今回、時節柄お酒ご法度とあって例年のような宴は出来なかったが、アートスタンプラリーという企画がなかなか。
来廊の皆さま、パンフレット持参でそれぞれの画廊で工夫を凝らしたスタンプを押して巡回して下さった。
さて、中島綾美展である。
スタンプ帳も兼ねたパンフレットにご紹介したご紹介文をまず。
羊皮紙の古文書を彷彿とさせる絵肌、太古の記憶のような幻想的な世界観を独自に展開する中島綾美。
1993年山口県生まれ。2017年武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業。
卒業後、日本画研究室の教務補助をしながら描き、2018年に当画廊で初個展。2019年に八犬堂ギャラリー、2020年にはgallery hydrangeaで個展、着々と興味深い展覧会を重ねてきた。
本来であれば2020年末に予定していた個展だったが、コロナ禍の影響で延期し、時を見計らっていたのだったが、またもやこの度のタイミングに腹を括っての開催となった次第。
コロナ禍の中での制作は厳しく、悩みながら筆を進めてきたと言うが、展示した作品には見事に通底した強いメッセージがあり、自己の内面を見つめつつ深い思索を重ねた時間がテーマとともに作品を魅力的に彩っている。
海に堆積した様々な漂流物を拾い集め、それらが重ねた時を思い、人類の歴史にまで目を凝らして紡ぎあげた幻想。
雲肌麻紙に染料で古色をつけ、漂流してきたものたちの物語を描いていくー途方もない試みがここにある。
一枚には本当の羊皮紙が使われた。潮に晒されて白骨になった古代魚の絵に「真白の理想郷」と名付けた詩性。
昏い海の狭間から時とともに渚に流れ着くものたちー魔物と呼ぶ今展の一連のシリーズには、27歳ならではの新鮮な発想力のみならず27歳とは思えない達観が仄見え、眺めているうちに足下の砂に攫われていくような感覚に捉われていくのである。