TOKYO Bunjinga 薫風献上ー文人画の風II
2020.6.8(月)〜14日
12:00〜19:00 最終日〜17:00
文人画の系譜を宋元、明清、江戸と三期に分けて勉強しようという試みの二回展、明と清の画家研究の扇子展が今日から。
その歴史的流れの座学を担当してくれた野地耕一郎氏(ペンネーム不忍忍)から以下の文を寄せていただいたのでそのご紹介から。
銀座の柴田悦子画廊での新たなシリーズ画会「文人画の風」は、有為の日本画家たちが中国唐~元代の文人画に倣った扇面画の制作から始まった。SeasonⅡとなる今回は、文人画が大きく展開した明代に焦点を絞り、沈周から文徴明、唐寅といった呉派を中心に奇想派の徐渭や董其昌、清初まで生きた石濤や八大山人まで、その画法・筆法を学んだ成果を問う会となろう。幸いなことに、コロナ・ウィルス禍となる直前、東博と書道博で開催された「文徴明とその時代」展を熟覧できたことが、きっと作家たちの力となったはずだ。
「倣」の理念に依拠して展開した明代文人画に改めて倣った現代の扇型の世界の中に吹く風は、きっと豊かな歴史と新しい薫りを多く含んでいる。
本展の画家たちが倣った明末清初の文人たちの扇面の裏側には、自作の水墨を描いたものが添えてあるので、これも日を改めてお披露目することに。
まずは、コロナの余波の中で無事開催出来たことを奇貨としよう。