2020.2.17(月)〜23(日)
12:00〜19:00 最終日〜17:00
東京藝術大学出身の釣り好きメンバーによる展覧会。
「つぬけ」とは釣り用語で、釣果を数えるのに1〜9までは「ひとつ」〜「ここのつ」と「つ」がつくが、10になると「つ」がつかなくなる事から10匹めを「つ」抜けた、という。
年齢も専攻した科も違うメンバーによるユニークなこの会も5回目を迎えた。
2020.2.11(火)〜17(月)
10:00〜20:30 最終日〜17:00
デパートリウボウ7階美術サロン
那覇市久茂地1-1-1
098-867-1291(直通)
「沖縄百景」と題して出会った人々や風景・花々を描いている武井好之の同シリーズ8度目の展覧会。
本島だけで、もう百景は描き終わり、次の百景を目指した宮古・八重山シリーズ
は端緒についたばかりだ。
今回は取材で何度も訪れ、作品にも度々描いてきた首里城の復興再建の一助になればと、ささやかなチャリティイベントを企画した。
沖縄の人を描くー似顔絵イベント
明日12日から17日最終日まで
午後13:00から17:00
1956年生まれ
東京藝術大学大学院日本画専攻修了
2020.1.27(月)〜2.2(日)
12:00〜19:00 最終日〜17:00
案内状に添えられた画家の言葉から
ー花と花、家と家、海と、空と、言葉と言葉、あれもこれもつなげて暦を作ったら、どんな一年になるだろうか、、。
武蔵野美術大学日本画科卒後も、一貫して鳥瞰図、俯瞰図にこだわって製作してきた池田美弥子の新作展。
今回は描く絵をイメージするとともに言葉が浮かんできた、という。絵と言葉を等価に考え、並列して展示する構想もこの度初めての挑戦だ。絵と言葉の間を行き来しながら、創造の泉に触れてみるのも楽しい。
冒頭の言葉にあるように、メインの屏風は花と花、家と家が切れ目なく連続し、いつの間にか季節が変わり、町も変わっていく趣向である。
学習院大学•佐野みどり先生の教室を聴講し絵巻物についての研究から、雲間の景色を「覗く」ように見る、事にとても興味を持ったとの事。
在住する茅ヶ崎と近隣の鎌倉の、見知った風景と人々の暮らしのありようが、今様(湘南)洛中洛外図として描かれている屏風を眺め、いや「覗いて」見てほしいと作者は切に願っている。
近年 In the Garden.シリーズを展開する平野俊一が描いた究極の薔薇の園。
寺院本堂を荘厳するための屏風絵制作は今回で二点目となるが、前回の「杏の園」二曲一双を上回るスケールの作品となった。
大小の薔薇の花々の乱舞する中を逍遥するかのような目眩く世界が画廊内に展開している。
屏風の屈曲が醸し出すずれと絵の内部の遠近のずれが濃密に絡み合い、秘密の花園内に閉じ込められている気分、というわけだ。(もちろん、さりげなく薔薇のコロンを振りまいているが)
初日の今日は、その秘密の薔薇園で差し入れの沖縄泡盛の宴。島では時を経た泡盛をその芳しい香りから「花酒」と称するが、まさしく少し早い花見酒となった次第。
1984年多摩美大日本画科卒
2020.1.12(日)〜18日(日)12:00〜19:00
日祭日は18:00 最終日は17:00
昨年2月に永遠の旅路につかれた堀文子先生を偲びつつ、多摩美大日本画科・堀文子教室の同窓5期による展覧会をいたします。先生の遺された言葉や思い出を胸に刻み、それぞれが一層の研鑽につとめる場といたしたいと思います。
新年恒例となった堀文子教室同窓展も早いもので14回目を迎えました。
100歳まで現役の画家として、数々の展覧会を開催されていた先生の足元にも及びませんが、一期生は古希を迎え五期生も50歳の坂を越しながら年々歳々賑やかに制作を続けています。
先生から受け取った折々の言葉を皆で共有し、それを遺産としてこれからも各々の画業に反映していくつもりです。
2019.12.16(月)〜21(土)12:00〜19:00
最終日〜17:00
作者からのこんなメッセージから
うららかな春は厳しい冬の後から来る!
可愛い蕗のとうは霜の下で用意された〜心はいつも蝶のように
十日町紬のコートジャケットで軽やかに!
着物地で洋服をつくるこの作家さんに出会ったのはもう十数年前になる。フェルト帽子作家・黒羽よしゑさんの展覧会の折に来廊ー聞けば秋田大学教育学部美術専攻で絵を学び、最近まで美術教師だったの事。
在任中から、日本の染織の魅力に取り憑かれ全国から生地を集めては一人パリコレをしてるのよと宣う。
着てみると、和服の折には味わえない風をはらむ絹地の軽やかさがある。一枚仕立てのコートドレスを羽織って銀座を闊歩すると気分はパリジェンヌかニューヨーカー!
大島紬、琉球紬、結城紬、十日町紬、黄八丈、上田紬、米沢紬など紬(絹)ものが主体で久留米絣や越後上布、壁上布、能登上布など木綿や苧麻を素材としたものまで全国の伝統染織の逸品をコレクションし、惜みつつもハサミを入れて新しい世界へ誘う。
日本の染織は世界に冠するもの故に、その素材を自由に楽しんで身にまとうことから、また着物の美しさに目覚める循環もあるかもしれない。
裏地に凝るように、今年はリバーシブルで着られるコートも沢山!
是非、生地に触って着たおしてこれらを染め織った人々に思い至って欲しい。
2019.12.6(金)〜14(土)12:00〜19:00
日曜〜18:00 最終日〜17:00
初日18:00〜21:00銀座の夜会パーティ
19:00から木村浩之のライブペインディングに合わせて
アコーディオン奏者・丸茂睦さんの演奏があります。
https://mutsumimarumo.wixsite.com/accordion
相撲をテーマにした作品で知られる木村浩之は1975年東京生まれ。
2003年に多摩美大日本画科を卒業後は、朝稽古から本場所まで丹念に相撲部屋を取材して唯一無二の相撲を描く画家として活躍しています。
2017年にはNHK大相撲中継の解説などを務めるまでとなり、関係者からも一目置かれる存在となりました。
今展では東西の力士面がそろい踏みする展示です。力士の面を前にした相撲談義を楽しみに是非お越し下さい。
2019.11.25(月)〜12.1(日)
12:00〜19:00 最終日〜17:00
昨年、ロートレアモンの「マルドロールの歌」1974年栗田勇訳で手がけた装丁画と挿絵を披露した小林正誠。
今展では、その中の第四の歌から画想を得た作品を含め、主に女性たちを描いた作品をチョイスして1983年から今年までを展望する。
1944年生まれの小林は、東京藝術大学デザイン科(当時は工芸科)を卒業後、一時は高島屋デザイン部に就職するが、学生時代から藝大美大予備校で手腕を発揮していたため、請われて新宿美術学院の立ち上げに関わり、デザイン科の合格率をトップクラスに押し上げた。
当時のいわゆる新美の勢いは凄まじく、現在、内外で活躍する画家、デザイナーの多くは彼の指導により受験に成功した
と言っても過言ではあるまい。
自分でも性に合っていた、という小林はその後お茶の水美術学院でも受験指導のカリスマとして後進を育てつつ、並行して「精彩展」など様々なグループ展を主催、制作にも余念がなく活動してきたが、今後は個展を中心に発表していきたいと、先年から自己の初心を振り返る展覧を続けている。
国際展などではシュールでカラフルな瓢箪を主に制作していた小林の、初期から現在に至る女性像の初々しさは、カリスマの含羞を言うべきか。
和紙に岩絵具とアクリルで描いたミニ回顧展、一覧の価値あり。と思うが如何。
2019.11.18(月)〜24(日)
ニューヨークと帯広のアトリエを行き来しつつ、リトグラフと絹本の制作をする板東里佳の2年ぶりの個展。
彫刻家の夫君・板東優氏の住むN.Yに移住し、Art student leagueで石版リトグラフを学んでからはや30余年。リト制作を続けながらの子育ても一段落し、夫君の故郷•帯広に滞在する事が多くなってきた頃、絹本水墨の魅力に取り憑かれた。
もちろん、大理石の版もプレス機もない帯広でのリト制作が難しかったこともあるが、絹地にしなやかに走る墨の美しさに出会いが大きな転換点になったのだろう。
石版にクレヨンで丹念に描き込む技量を持つ里佳さんが、今度は筆を取って墨を磨る。中国の古い茶墨で、白黒が共鳴し合う呼吸を見計らいながら静かに筆を進めるのだという。
今回は襖に少し足りないくらいのサイズを3枚つなげた大作を描いた。仕上がって天井の高い広いスタジオに置いてみたら、絵から龍が立ち上がってきて驚いたのだとか。水や雲を描いていると知らず龍の形に成るのかと、白と黒の魔法を思わずにはいられない。
その大作を含め、野の花やドットを描いた清廉で思索的な作品が画廊を満たしている。見る人その人を映す鏡のような空間になった。静かに湛えられた水をのぞいて自分に会いにいらしたらいかが?かな。
2019.11.11(月)〜17(日)
12:00〜19:00 最終日〜17:00
あゆみの会とは故・松尾敏男先生の門下生による日本画の研究発表展である。
鈴木ちか子
辻村和美
中野昌子
柳田晃代
山中隆成
メンバーのなかで中野昌子は女子美大日本画科卒後、他の4人は多摩美大日本画科在学中から松尾敏男先生の薫陶を受けてきた。
所属する院展出品をメインに、本展では主に小品制作の勉強の場としてそれぞれが技量を磨くことを目標としている。
松尾敏男先生の揮毫による「あゆみの会」の額を中心に、大作とはまた違う難しさにチャレンジしたと思われるメンバーの作品が並んでいる。
2019.11.4(月・祝)〜10日(日)
黒羽よしゑさんの三年ぶりの個展。
在住する岩手・盛岡はホームスパンの産地。その材料となる羊毛と手紡ぎ・染めのスキルを持つ方々との出会いがフェルトの帽子作家になるきっかけとなったそうだ。
家業の舞台美術制作の激務と子育ての合間、寝る間を惜しんでの制作だったが夢は広がる一方だったという。
今、黒羽さんは色々な軛から解き放たれて、ますます色彩は奔放に、形は自在に、身につける人をも変容させるようなパワーに満ちた作品たちとともに画廊にいる。
北国の人が半年を無彩色の中で過ごすから、色彩感をもたないかといえばそうではない。真っ白に埋め尽くされた大地の中で色を希求し夢想する。
その「夢みる力」ともいうべき黒羽さんのたぐい稀な能力が色とりどりの羊毛に命を吹き込んで、なんとも楽しいワンダーランドを形作っているのだ。
帽子をかぶった人の魅力を引き出し、またまだ知らない自分と出会わせてくれるーそんな黒羽さんの世界に遊びに来ませんか。
2019.10.28(月)〜11月3(日)
12:00〜19:00 最終日〜17:00
越畑喜代美・麒麟・平野俊一
多摩美堀文子教室1984年卒同窓3人によるLABO展は回を重ねる事、31回。
1989年、ベルリンの壁が壊された年に、銀座7丁目のギャラリー篁で旗揚げしたグループ展である。
その後、8丁目のギャラリーいせよしに会場を移し、当画廊とは1998年から今まで20数年の付き合いとなった。
LABOというネーミングの通り、laboratory実験・研究の場として必ず次の仕事へつながるステップを各自が目指してきた事は疑いない。
それぞれ今は百貨店や他画廊でも個展やグループ展を開催するが、まだ未完成なアイデアや構想を自由に発露する場とし、その後錬成を加えて画風を発展させてきたように思う。
日本画の画材や技法は奥深く、自身のテーマに沿って自在に繰るにはなかなか不自由で、だからこそ面白い。
拳を上げることより、まず筆を取って描き続けることを選んできた面々の、31年目の挑戦を是非ご覧いただきたい。
2019.10.21(月)〜27(日)
12:00〜19:00 最終日〜17:00
1983東京藝術大学工芸科鋳金専攻卒
1985同大学院中退
その後
1990松原工房にて陶芸をはじめ、グループ展個展などを重ねながら陶芸家としてのキャリアを積み上げてきた方である。
恵 芳子(めぐみ よしこ)が専攻した鋳金といえば金工である。鋳型に溶かした金属を流し込み、研磨して仕上げる技法を大学で学びながら、何故陶芸の道を選んだのか。この間の事情はともかく、彼女の作り出すものは伝統陶芸系の重苦しさがなく、さりとてクラフト系の軽さもない。
極めて自然な筆使いで、その辺の道端に咲いてる草などを軽妙なタッチで描いているのだが、それが実に上質なのだ。
しかも、丹念に皿の裏まで(表以上に!)描き込んであったり、掘り込んであるものだから一枚一枚の存在感が半端ではない。さらに持ってみると土の感触というよりは金属的な軽さに驚く。
このような魅力に加え、お値段もちっとも偉そうではないから人気のほどがわかるというもの。来てくださる皆様が、一つ一つの作品の間を逍遥し自分の手のひらに合うものを選んでいく様はお供する身としてもうれしい限り。
誰のようでもない恵 芳子の陶に是非触れてみて下さいね。
2019.10.14(月)〜20日(日)
12:00〜19:00 最終日は〜17:00
まずは台風19号に被災された方々に心よりのお見舞いを申し上げます。
さて、今週は8年ぶりとなる松谷千夏子の待ちに待った個展。
毎年のグループ展に参加してもらっているので、そんなに間が空いてるとは思っていなかったが、最近は百貨店をメインの個展が多く人気画家として活躍しているのは喜ばしい事。
当画廊で発表し始めた20年前は人物画を描く人もまだそう多くもなく、所属する創画会でも異彩を放つ存在として記憶される。150号のほぼ4番の3が顔という思い切った構図。思い切り見開いた巨大なひとみから涙が一雫というような画面に私は痺れた。
攻めに攻めているようで繊細な画風は今も変わらないが、その頃から描かないように描くー岩絵具を極力減らして線を生かす方向へ舵を切りはじめたように思う。
drawingシリーズとして発表している作品群はこの頃描き始められ、その後実験作に洗練を加えながら、余白の美しい優雅な日本画に昇華されてきた。
今展では、白描に似た乾いた線から一歩進んで、手習を始めた書道からインスパイアされた瑞々しい線への希求が画面から迸り、新たな胎動が感じられる。
女性から圧倒的な支持を受ける松谷千夏子の女性像ー何千枚と描き続けこれからも描き続けるであろうdrawing の線から
立ち上がってくる女性達の姿は何を象徴しているのだろうか。
2019.10.8(火曜)〜13(日曜)
12:00〜19:00 最終日〜17:00
自分の糸が欲しくて始めた手紡ぎ、
色々な原毛を染めて糸を紡ぐ。
羊にも個性があって楽しい。
そんな糸を使って日常使えるものを織っています。
成島志帆子
成島志帆子さんは30年ほど前、原毛を扱う方と知り合ったのがご縁で、仕事の合間にコツコツ手紡ぎ織を始め今に至る。
原毛を色々に染め、根気よく一巻き300m程の糸を紡ぐ。そしてその糸で今展では大判のストールとマフラーを織り上げてきた。
この道を志してから30年目の初個展である。どんな時も紡ぎ、織る事をやめなかった人の純真さがこれら作品に溢れて優しく肌に添う。
世界中の綿羊を丸裸(!)にして吟味した良質な毛を丁寧に引き出しこの個展に向けて織り上げた作品が、驚くほど安価に提供されているー原始的と言っても良いくらいの手仕事。きっと大事な人に届けたいという思いがこんな美しいものを作り出したのだろう。
2019.9.30(月)〜10.6(日)
12:00〜19:00 最終日は17:00まで
絵のなかに花を咲かせる花咲爺を自認する森田晴樹のコメントより
8月某日、大阪は今日も猛暑日で熱帯夜になるとのこと、もう一ヶ月も続いている。
酷暑の中、熱中症に気をつけてアセモに耐えながら、あと1枚あともう1枚と描いている私。 花咲爺 晴樹
1952年、大阪は寝屋川で育った森田晴樹は長じて京都市立芸術大学の日本画科に
学び、折々にパンリアル運動や美術批評家・吉村貞司の影響を受けながら、独立独歩の道を歩いてきた。
和紙に墨と金泥、わずかな胡粉。これが全てである。臨済宗専門道場の襖絵を描いた時はインドで取材し、菩提樹
などを描いたが、常には花を。
長年の深酒と、筆より重いものは持たぬが四六時中膝を折って絵に屈みこんでいる姿勢の為、数年前に大病をした。
よって遠出はしない。自転車あるで行ける範囲が取材地である。
胡粉は上澄みだけを、墨は濃く磨ってから薄くのばし刷毛は使わない。丸筆による百万遍の運筆。奥様が一週間後に見に行っても何も変わってないように見えたとか。遅筆なのではなく、そのくらい薄墨で重ねないと森田の思う墨色にはならないのだ。
縁あって若書きの作品を見たが、流石に白黒のコントラストが強くギラギラしてきる。怖いくらいの迫力はあるが今のような沁み入る心持ちには遠い。
もう仙人のような風貌だが、また枯れているわけではない。修行僧のように生がある限り筆を動かし続けるー。
今年も個展が開催できたーという奇跡に感謝するばかりである。
2019.9.23(月・祝)〜29日(日)
12:00〜19:00 最終日〜17:00
(言) (画)
江尻 潔 + 黒須 信雄
言水ヘリオ + タカユキオバナ
そらし といろ + 本田 和博
田野倉康一 + 駒形 克哉
言葉と絵のコラボレーションの2回展が今日から。
詩人3人と画家3人の総当りのやり取りだった初回の昨年から、ほぼ一年。
この度は、2人ずつ4組のコンビとなってより密接で独創的な展示に。
観音開きの扉と内陣に、山塊の渦巻く神気を油画と祝詞的詩文で描いた黒須・江尻組
活版の活字を拾う行為を無作為に行い、最初に選んだ「語」と最後まで選ばなかった「語」を抽出した言水に対して、鏡で光と影をを演出し「語」に象徴的な意味を付与したオバナのコンセプトワーク
蜜蝋のカラフルな色面にコラージュなど美術史を自在に往来するかのごときアンゲロス駒形の画面には、疾走する詩人・田野倉の放つ言葉の矢がふわりと着地する。
また、絵巻物的摩訶不思議世界を細密に描く本田の画面に、「暁を踏み割っていく」ようにそらしといろはグリーンのボールペンで詩を書き綴っていく。
とこのように不肖・柴田では説明しきれない、達人達ばかりゆえ是非実見を望む次第。
2019.9.16(月・祝)〜22日(日)
12:00〜19:00 最終日は17:00まで
2016年の個展から3年の歳月が流れ、久々に成長した清田悠紀子の作品を迎え入れた。
清田悠紀子(せいたゆきこ)は1977年新潟生まれ、岩手大学大学院農学研究科修士課程を修了後、武蔵野学園造形芸術科絵画専攻研究課程で油画を学んだのち、母校の講師を勤めながら画家としての歩みを進めてきた人である。
同校の講師仲間であった日本画家・佛淵静子の個展の折にモデルを務めてくれ知り合ったが、聞けば新制作にも出品する気鋭の油画家であり、まもなくみゆき画廊で佛淵との二人展を開催したので、その才を知る機会を得たのである。
2015年に当画廊での初個展。
翌16年の日動画廊昭和会に招待され、栄えあるニューヨーク賞を受賞するなど
着々と才を開花させている。
師譲りの的確な描写に加え、下地を塗らない麻布の余白を生かした人物表現は他に類をみない独創的なもので、線と空間への果敢な挑戦は今なお続いているとみた。
今展では、従来の箔ドットによる人物表現から、箔そのものの平面性と装飾性に一歩踏み込んだ仕事を見せている。
内面を深く覗き込んでいるような清田悠紀子の人物たちに是非会いに来てほしい。